第81階 刃を交えて
魔物達の町である
テダシハノマアに強襲した
ドゥオとトレース。
現状聖域に安置してある
サタンすなわちルシフェルを
2人は探していた
ローブを纏っていたドゥオだが
自身でローブを剥ぎ取り
そのグラマラスで妖艶な姿を見せる
「...私の攻撃は激しく
燃え盛るわよ?」
「来い、負ける気は無い」
マユナはリョウゲンノヒを構える
「その女の子は私を倒してからに
してくれる?相手になればだけれど」
私は"マホウノランプ"を右手に持った
「...実力行使は現状間違っていないわ
私以外には通用するもの」
私の言葉にマユナが驚き噛み締める
「私は戦いに集中したいから
他の事よろしくね」
コクっとマユナは頷いた
他のフォアローゼズも合わせて
「何かしら?集まれば
倒せるって事?
ねぇ、子猫ちゃん?」
紅い剣がドゥオの手に現れる
「いつでも良いわよ
今の"スキ"でしょ?
私と正々堂々戦えるだけの
実力ある....?」
距離を詰められ一閃
紅い光が迸る
私には当たらないが
後ろの皆は驚いている
「うそ...あれ、かわすの?」
ドゥオの背後のトレースも驚いていた
そりゃそうだよね
貴女も関与した攻撃ですものね
トレースは補助的に自身の力を
使っていた、目に見えない
天才性を感じる芸当で
「ちぃッ」
二閃、三閃と続くけど
私には当たらない
「初動が無い...」
マサムネさん半分正解ね
「もしハツミが代わりに
相手してくれなかったら
マテ姉いても死んでた」
「マユナが出なくても私が
鞘から剣を抜いていた」
「じゃあ、2人とも
過信していたって事で
良いんじゃない?」
マスカリアは
マテハとマユナの間に入った
2人の細い肩に手を回して
微笑んでいた
「あーっ私も気持ち的には...」
イムがぺろっと舌を出す
「もう!イムったら」
マユナも笑っている
「...イムのお姉ちゃん
むちゃくちゃ強い...」
ターキッシュちゃんが
武者震いの様に打ち震えていた
「敵わぬと分かっていても
お前もか」
マサムネさんは静かに
ターキッシュちゃんの方に顔を向けた
「ぐぅっ!!!
なんでよ!!!」
ドゥオは何百と何千と
私に既に斬り込んでいた
それでも一閃も当たりはしない
「トレース落としたら
貴女遅くなるのかしら?」
私の言葉にドゥオは
スキを一瞬作った
「.....!!!!?」
私はドゥオの額に手のひらを当てて
地面にいや、私の作った密度の高い
世界の壁に後頭部を....
「!?」
「!!?」
「!!!!?」
トレースは自身の多彩な技が
通用しない事に何度も驚いていた
「助かったわ、トレース」
ドゥオの頭を変化させて直接的な
衝撃は免れていた
「えぇ、でも驚いたわ
効力を無効にするなんて
貴女自身に行使するしか無かった
「あぁっ!!!クラクラする
でも、まともに食らっていたら
この程度じゃ済まない
礼は言わせてもらう」
「あの...良いかしら?」
私は白いゲイスダリゲードに
"マホウノランプ"を
纏わせて構えていた
「えぇ、今回は私達の負けね
撤退するわよ...ドゥオ!
逃げきれればの話しだけれど」
トレースは笑みを作った、
覚悟の笑みだった
「ちぃっ!!!
究極未来!!!!」
ドゥオの声に
「私も全力で逃げるわ
究極未来!!!!」
トレースの声
「いい?皆んな、私に任せてくれるわね?
何が起ころうとも」
皆んなは静かに頷いた
(ぬかったな、トレース..)
(えぇ、ドゥオ..)
「もしもわたしのみかたになれば
せかいのはんぶんをやろう」
「「ノゥエム!!!!!」」
「俺は君を買っているんだ
魔界の気高き花よ」
ニコッと笑みを浮かべる
決して長くはない黒髪が
後方に流れる様にたなびく
私はムカついたので無言で剣を構えた




