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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
魔界観光編
72/262

第71階 闇に沈んだ国

魔獣と魔物は交渉の末

内密な協力関係を敷いた

そして私はネクさんと共に

亜人達の国"ヤミマイ"に

たった今到着した


足音が響きそうな程に

国の入り口は静まり返っていた

聞くところでは魔界でも随一の

活気がある華やかな国だと

ゼムさんが語っていた

ありとあらゆる種族が行き交い

交流し外界からもお客様が

来る程の場所だった

ほんの数日前の話だというのに

ガラッと変わってしまった

今はもう面影もない程に

暗くどんよりしている

大きな酒場以外は


酒の入ったガラス瓶が

ゴトッと落ち

痛々しく耳を握られ

涙目な兎耳の獣人が

呆気にとられている

掴んでいた海賊が

神隠しにあった様に

消えたからだった


「人族が消えた?」

ネクさんは"驚き"のページを

開いていた


「雑魚に時間を掛けている余裕ある?」

私は国中を徘徊した


やる事は至極簡単

海賊を斬り裂いて

"私が用意した"

異空間に飛ばすだけ

ゼムさんが着くまで

10分も無い


2分ちょいで最も大事な

場所以外は片付けて

大きな屋敷への道を歩いていた


余りにも静かで

ネクさんは"警戒"の

ページを開いていた


私は一つの核心を持って

大きな屋敷の扉を開いた


「よぉ?...あ?」

赤、黄、緑が特徴的な

高価な服装を纏う3人が座っていた

その中でも一番血気が盛んそうな

赤服が特徴的な男が睨み付けて来た


「あぁ...亜人王"マサムネ"...

おいたわし...」

打ち震えていたネクさんを

その場にあった台にソッと置き

私は駆け抜けた


若き王様がいたぶられていたのは

見れば分かる

傷が新しく生々しい


私は呆気に取られる暇さえ

私によって与えられなかった

赤服の男を斬り裂いた


2度


左腕が肩から裂けて落ち

小さく血を滴らせ


右上半身から剣で

腹まで食い込ませた所で

異質な力を感じ

赤服の男が痛みで後ずさるのと

私の剣が引き抜く動作が重なり


「キカザルが溶岩に変身させて

もらえ...」

黄服が特徴の男に

私の斬撃が身体を通り過ぎていった


そのまま緑服の男の腹部に突き刺した

血がドクドクと流れているから

朦朧としているだろう


ガッ!!ガギッ!

鈍い音が響き


血が飛び散った

私のアダマンタイトに変化させた

左拳が緑服の男の頭に

炸裂していたからだった

頭蓋骨を砕くつもりでやった


亜人王は不意の事で

ネクさんと私を一緒に見ていた


「亜人達の王よ?攫われたのは

妻と娘で間違い無いわね?」

私は緑服の男の頭に剣を突き刺した


若く逞しい王はコクっと頷いた


「そう!それは良かったわ

貴方達国家の技術力に

自身で感謝しなさい

それと緑服を身に纏った

男が国中にばら撒いた

国民達の体内に蓄積されていた

毒は消しておいたわ」

そして私は花火を打ち上げた


「もうすぐ魔獣軍が

保護に来るでしょう

彼等を頼りなさい」

私はネクさんを抱えて

作戦の地へと飛んだ


「屋敷にいた海賊を

全て消しキカザルに一撃

ミザルを斬って

イワザルを殺した

何という娘だ」

マサムネはものの数秒でやって来た

最悪夢にそれを告げた


「あの精霊、やりおったのか....」

マサムネの元へやって来た

最悪夢であるゼムさんは

クゥーンと小さく吠えた



「生き地獄を味わいたい様だな?」

髭が地面まで垂れ下がる漢が凄む


マテハは剣を構え直した

怯える3人の獣人の母親と姉妹は

衰弱し怯え震えていた

フォアローゼズは

海賊達の睨みを受けながら

母子を中心に置き壁を作っていた


作戦通り魔獣軍は取り囲んでいた

マテハが髭の垂れ下がった漢に

攻勢を示した瞬間だった


私に両肩にポンとされて

間の抜けた顔をしていた


「ハツミ?」

マテハの笑みが心地良い


「ありがとう、そのまま

魔物の国に送るね?」

フォアローゼズは

人質奪還に物の見事に成功していた


「逃したつもりか?」

髭が異様に長い男の声は

酷く邪悪でドス黒く響いた


「逃す?」

私は笑いを抑えるのに必死だった


「ほぉ?この場に1人で

乗り込んで来るだけはある

我が名は龍髭海賊団船長

エドワードだ

仲間を逃して自分が犠牲になろうとは

良い心掛けだ、1つ交渉せぬか?」

エドワードと名乗った漢は武具を解いた

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