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魔皇の魔法とハツミリア ~名のない帝国の花々~  作者: 道草 遊者
魔界観光編

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69/417

第68階 食卓を囲って

「うわああああああああ!!!」

帰って来るなりネクさんの

叫びで満ちていた


「どうしたさね!!」

ばっちゃが駆け寄る


「ご..ごめんなさい」

命君が謝っていた


「なんね、ミルクが

かかっただけね!」

ばっちゃはやれやれと言いながら

台所へ向かっていった


「うぐうぅぅ...良いよ..良いよ..

わざとじゃないし...」

泣きというページが開かれていた

そのおよそ3分の1が

ミルクでシミになっていた


「命君と仲良くなったみたいで

本を読んで貰っていたのよ

そしたら、命君の手が滑って...」

説明してくれる

マテハは苦笑していた

本が本を読み聞かせるって

とてもユニークねと思いながら

私はミルクの成分だけを

抽出する集然を使っていた


「ぬおおおおおお!!!」

まるで何百年もの封印から解かれた

みたいに家の中をを駆けずり回る

ネクさん


「ネク!今度は何さね!

はよ、手伝いにき!」


「はい!!ただいま!!」

ネクさんはそのままスキップでも

しそうな勢いだった


そして私の前にスッと現れて

「この御恩は一生忘れません

後日何かでお返し致します」

ルンっルンっと鼻歌交じりで

めちゃくちゃ上機嫌で台所に

向かっていった


まぁ、何はともあれ

喜んで貰えて良かったと思う


「明日、出発されるのでしょう?」

マリアンヌさんが心配そうに

話しかけてくる

絵画系の魔物はほぼほぼ実態化

して普通の人のように思える


「はい、そのつもりですけども?

何かありました?」


「...魔獣軍の動きが

かなり慌ただしい様で

恐らく戦争準備を

始めているのかもという

情報を入手致しましたので

お伝えをと」


「そう...」

かなり深刻そうに

話しかけてきて下さるのは

ありがたいのだけども

私の魔力感知では一律

"魔力レベルが極度に低い群れ"

しか魔界では感知できない


「ありがとう!

それで一つお伺いしたいのですが

よろしいでしょうか?」

マテハが爽やかな笑みと共に

話に華麗に入ってくる

マテハにありがとうと私は内心感謝する


「えぇ」

マリアンヌさんは

そっと微笑する

美しいと心底思う

これが芸術なのねと

しんみりしていた


「もし、この魔物の国が

魔獣軍に攻め込まれたら

正直勝てるのかしら?」

それは私も気になった

食事する前にする様な

話ではないけれども

この魔物の国の安全面が

気になった


「う〜ん...なんとも

確かに新しい文化が流れ着いて

強くなったわ、でもそれは

何処の国でもいえる事よ」


「あ、それって豆乳麺じゃない?」

マユナが歴史書をパタンと置いた


「うむ、その様だ

これも新しい文化らしい」

ネクさんが器用に6皿運んで来る


「担々麺風だというから

私も楽しみだな」

大きな丸い机に置きながら

しみじみとしている


「初めて出て来るのぉ....」

玉藻さんもクンクンさせている


「だなぁ...」

何故だかネクさんと

玉藻さんの間に哀愁が漂った


「いつもは質素だからね」

マリアンヌさんは苦笑していた


「あんた達!!食べるわよ!!」

ばっちゃがエプロンというより

ブックカバーを外していた


魔物にとっての食事は

お供え物に近い

魔界で出来た物は魔力として

吸収出来るので要するに

"食べる"という事になる

ばっちゃは私達が人族という事で

特別に作ってくれたみたいだった


「「「「いただきます!」」」」


魔物の役割

特に魔本は文化を残すという

役割を担っている


「おいひぃ!」

イムがハフハフさせている


「おいしいよ!」

命君もがっついている

マテハが苦笑しながら

食べ方を教えているのは

もう姉弟にも見える


「今日は特に楽しいわねぇ!!」

ばっちゃも御満悦だった


「うむ、毎日こんな風だと良いな」


「何さ!日頃に文句があるとね?」


「おう!?...そういう訳では

ゴニョゴニョ....」

ネクさんがツッコまれ口籠る

本当に苦労人だと思う


「あら、グリモア様?

これって女子に優しい

お味ではないかしら?」

マリアンヌさんが自然と微笑み


「そうよ!アンヌ、

良く気が付いたね」

ばっちゃに褒められて

ほぉを赤く染める


「おかわりあるよ!!」

皆のお皿が寂しくなって来た頃


「「「「「おかわり!」」」」」

皆で空のお皿を天に上げていた



ばっちゃは追加で作る事になって

ネクさんが慌ただしく運ぶ事になった


「ぬううううう......

私も....もう一杯....」

よろよろのネクさんに

ばっちゃは一言

「もうないよ!」

がっくりとしょげていた


玉藻さんがソソっと

差し出した時は

良い信頼関係だなぁって思った


私とフォアローゼズ&命君は

寝室に案内されてゆっくりしていた

何でもお客様が来るみたい


多分、魔獣軍の事についてだった

亜人族とも連絡が途絶えていると

マリアンヌさんが言っていた為

不穏な空気が下の階では

嫌に満ちていた


「儂も暇を潰せという事じゃ、小娘」

そうやって話しかけて来たのは

玉藻さんだった

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