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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
東の大国編
61/262

第60階 決着

宙に舞い上がった二刀は

綺麗な弧を描いた

それはまるで月の煌めきの様に

神秘的な一瞬を創り出した

蝶々が羽根を休める様に

マテハの手に綺麗に戻ったけれども


二刀は地面に置かれて

マテハは膝をついた

涙を滲ませながら


とめどなく涙は溢れて

小さな肩を揺らしていた


私はそっと前に立って

手を差し伸べた


「私を超えなさい

マテハなら出来るよ」

私は添えた


声にならない叫びと共に

大泣きするマテハを私は抱きしめた


負けて悔しいのか

どうにもならない事が続いて

無理をしていたのか


私に抱かれながら

大粒の涙を流して


私は泣かせてあげた

後で全部聞こう

何が辛かったのか

全部全部吐き出させてあげよう



空をふと見上げて見ると

星が零れ落ちる雫の様に瞬いていた

まるでマテハの涙みたいだなぁと

思いながらぼんやりと

マテハをなだめていた


空気が抜ける様な気に抜けた

穏やかな音が心地良いとか

思考が進み出したと思ったら

マテハはスゥー、スゥー、と

泣き疲れて私に身を預けていた


「もうっ...」

可愛いんだから!と叫びたくなった


「寝ちゃったね、安心したよ」

そう言って明かりのついた活気付いた

夜の街みたいな夜空に照らされながら

マスカリアは微笑んでいた


「お姉ちゃんさ、泣くんだね

弱い所、一回も見た事なかったから」

マユナは泣きじゃくったよねと

マスカリアが言うと顔を真っ赤にして

恥ずかしそうにしていた


「でも、私が怖いのを

1番慰めてくれたのはマユ姉で

いつも果敢に

向かって行ったのがマテ姉で

姉妹皆んなの背中を押して

支えてくれるのはマス姉...」

思い出深い様にイムが呟いた

まるで小さいけれど自分が見つけた

1番星の輝きの様に


「「でも、イムがいたから

私は姉として一歩先へ進む

勇気を踏みしめた」」

2人の声が重なり合った


テヘヘとはにかむイムが

空気を暖かくほのぼのと染めていた


クラーガ君と倶全君

それに全天さんと親衛隊の数人が

集まって来た


まず全天さんには感謝を述べたら

星一族として感謝していると

感謝の相互作用の様になっていた


倶全君は私に一礼した後

例の件はクラーガ君とよろしくねと

一言添えると仮面を外して

再度礼して倶全君を横目で見ている

イムの元へ駆け寄ってマユナと

マスカリアも交えて話し始めた


そして私の目の前に

クラーガ君が立っていた

彼は.....。


そして私達は帰国した


私はそっとマテハを寝かして

既に寝ていた命君も横に寝かせた

彼は起きている時間が

通常の人よりも短く約半分低度

1日の半分は寝て

半分は起きているみたい


今日はマテハが寝かしつけたそうな


「そういえばあいつ来てたね

ハツミが呼んだの?」

マユナがあいつは多分

クラーガ君の事だろう

マユナは以前強引に

襲われかけたって

マスカリアから聞いていたから

何かと気になるんだろう


「何かしようとしたら

腕捥ぐから言いなよ?」

あはは!と笑うマユナ


「うん、そうして貰うね」

マユナは安心した様に

既に寝ているイムの布団に潜った


あー、魔界観光の話しするの

忘れていた

明日予定を皆んなで立てようかな

私も布団に潜った


もそっ

胸の辺りが動く


「...星の王子と2人きりで最後

何を話していたんだい?」

マスカリアはニヤニヤしている

私はむぎゅっと頰を

軽くふよふよして


「姉妹に無理矢理手を出したら

殺すって釘を刺してたんだよ〜」

マスカリアは苦笑している


オレ様に良くない所があったら

遠慮無く言ってくれ

ハツミの為に変わる!

か....捨て台詞かよ

カッコつけやがってぇ

まぁ他人事の様に

応援してやるかぁ

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