表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
東の大国編
55/263

第54階 力

「クッ.....てめぇは!!」

オマアハは焦りを感じていた

明らかにおかしいと


闘神エヤスより

与えられた名は四天闘

天子の如くに闘いにおいて

天に君臨する4人と

実際にオマアハは出会った当初

打ち震えていた

他世界で最強の一角に君臨した

自分が高揚を持つ程の強者達が

他に4人も集った事に


それがなんだ?

たかが少女(ガキ)

追い詰められていた


「ハァ...ハァ...」

オマアハはイムの攻撃に対して

避ける事しか選択が出来ずにいた

しかも全力で


当たれば即死

そんな予感が否応無しに頭をたたく


目の前の白く華奢な少女の

何処から来たか分からない

白い衝撃


オマアハは本来身体能力を

行使せずとも戦えるタイプだった

相手の攻撃を素粒子レベルまで

瞬時に分解させてそこから

その相手からの力を失い

飽和されたエネルギーを

自身の最も得意とする

火のエネルギーに変換させて

操るという

反則じみたカウンター攻撃だった

それでも他の四天闘とは

引き分けているが


「なのに....何故だぁ!!!!」

全てを感じ取ったのは

イムの第一撃目

分解不可、それも自身の力が

分解させられてしまうという体たらく

おかげで利き腕を失っていた

自身の力を応用し止血は

済んでいるものの両腕が当たり前の

オマアハにとっては

非常にバランスが悪い


幾重にも襲い掛かってくる白い衝撃は

確実にオマアハの体力を奪っていった


「当てなきゃ...でも、殺すの.....?」

イムは人殺しをした事が無かった


驚いたのは第一撃目

この人は強いと本能で感じ取った

イムは力を操る事に集中出来た

でも、蚊を殺す様にプチっと

腕が消えた

イムはゾッとした

殺せてしまうと

それからは全く狙いが

定まら無くなった


(ハツミ....俺様が出る...)

誰から見ても異様な雰囲気が

周囲に漂った

仮面を被った倶全の次元違いの力に


「"倶には世を生きず"

不倶生世(ふぐせいせ)

名乗るそうだ、仮面がある間な」

クラーガ君が自分事の様に言っていた


私は微笑み

「そう」

と一言添えた



「見ておけ!者共!!!

あれが我等が同士の一角の力だ!!」

全天さんの叫びが聞こえる

それだけ倶全君の力の

大きさを物語っていた

星一族が一目置く程に


「!!!!」

疲弊しきったオマアハは

目の前に立った不倶生世を

睨み付けた


「イム...いや、"みさき"

下がってくれ」

不倶生世そっとイムの横に降り立って

囁いた

イムは驚いた

自分しか知らない

秘密を知られたかの様に

でも懐かしい自分を呼ぶ

その懐かしい音の強弱に

黙ってコクっと頷き

ハツミの元に向かった


「.......ちぃっ」

オマアハは小さく舌打ちをした

分かるからだ、強大な力が

それもさっきと似通っていると

そう思った瞬間だった


いつもなら、隙なんて無い

でも"答え"は出ていた

自身で似通っていると導き出した

薄らと笑みを浮かべたオマアハは

貫かれた自身の心臓部を優しく

労わる様に手で押さえ込んで

血が流れるのを確認した

何も出来ずに死んだ

導き出した解は

自身の懐かしい感覚と共に

押し寄せて来た

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ