第52階 一夏の恋の様に
空は滲み墨を半紙に落とした
子供の無邪気の様に
整合性も何も無く埋め尽くされる
幼稚さと無知が生み出す
白への暴力ともいえる黒が
空の青を雲の白を炭の様に
無機質で無駄に変換していく
一瞬で燃え上がる無慈悲な炎の様に
そのミーティアは東の大国に顔を出した
「マテハ...貴女なら
どうするかしら?」
マテハはダカユセと刀を
打ち合いながら
微笑みを浮かべて
「私は考えていたんだ
どうしたら姉妹達を
嫌いな奴等から守る事が
出来るだろうって」
このミーティアは対象選択型の
純粋にダメージを与える事を
目的にした本来の隕石と同様の質量と
破壊力を持つ魔力で作られた全体魔法
マテハを私は信じて何もしなかった
マテハは自身の軽さを活かし
ダカユセの刀の衝撃を利用して
後方に吹き飛ぶ
そしてマテハにほんの小さな隙が
生まれた
天才的な戦いのセンスを持つ
ダカユセが見逃す筈も無かった
それに自身を疑う事もなかった
例えば私がいなければ
それは"殺し"として成り立った
私の父はそこまで追い詰められる事は
まず無い
故にその態勢になれば誰でも死ぬのは
明白だった
ダカユセはそれだけの強者が
転生して"特別"を得た
それだけの力を込めて
ダカユセは振り下ろした
でも悲しきかな
魔皇は"何の為"に集然を創った?
非力な少女が助けて欲しい
ママの元に帰りたいと思う
その心に関するエネルギーの
流動だけで魔法を奇跡を起こせる様に
そしてもう1つ残念なお知らせを
マテハのベースは私なんだけどね
だからただの少女でも無いか....
「例えばその夏の暑さが
鼓動の高鳴りが一瞬にして燃え上がる
人への想いが炎ならば、
その夏の終わりに冷え上がる冷たさは
何なのでしょうね...」
マテハはダカユセに微笑んでいた
勝ちを確信していた
「ダ!...ダカユセ!!!」
幻術も忘れ、和服に身を包む
眼鏡をかけた男
あれがマスカリアの相手
ダツイソと呼ばれていた男か
ダカユセの身体は強靭だった
でもそれ以上にマテハの集然は
強力だった
ダカユセもミーティアも
全て凍らせて
朝日と共に消えてしまう夢の様に
溶かしていった
「そんな暗くて寒い
命を失くしてしまいそうな
数日を"ヒトナツノコイ"と
呼ぶのでしょうね、本で読んだ事
あるだけだけれど...」
マテハはダカユセが消え去るのを
少しだけ見つめていた
「かなり、不利...か....
思い出すよのぉ....あの戦いを」
短縮詠唱魔法で牽制しマユナの
実力を計っていたスマバメは
ダカユセの死に驚きはしたものの
自身の戦闘に集中する
「.......」
マユナもまたマテハの勝利に
心が揺れる事は無かった
マテハがマユナにとって
超えたい最強のライバルでも
あるからだった
ある意味勝って当然だった
勝利を信頼するに足るだけのものを
持っていると信じ切ってもいる
「ぬしらは"魔法少女"と
呼ばれる者達か?」
スマバメはマユナへの魔撃を
緩めるつもりは毛頭無い
「魔法少女は違う...」
マユナはリョウゲンノヒで
魔法を次々打ち砕いていく




