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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
異世界ミリカンテア編
5/260

第4階 宿敵との対決

ピンク色に怪しく光る白亜の居城

セイクリッド・エレガント・ザナドゥは

ラブラビアの途方もなく途轍もない

妖気と魔力をおびただしい程放っていた

和泉の国からでもそれが分かるぐらいに


私はその城内を何事も無い様に進む


「あら、招かれざる客でありすね」

何が起こっているのか把握されたのか

ラブラビアの表情は穏やかではない


「ねぇ?此処にいたのは

美形の男性達かしら?」

もうどこにも何も城内にはいなかった


「...ヴァンパイア・デビル・キング、

世界の1つも我が物に出来ない程度の

魔王では逆立ちしても足掻く事すら出来ない

強大な魔力を保有する統括の立場の

ヴァンパイアを集結させていたでありすよ」

ラブラビアはわなわなと震えていた


「...」

私は無言で左手でラブラビアの

首根っこを掴んでいた

距離が一瞬で縮んだ事に

ラブラビアは理解出来ない

表情をしていた


(くっ!?動けないでありす)


私は後ろに飛んで距離を開けた

私が掴んでいた首から

凍て付いた氷が花の様に生えた


「それでは質問!

ヴァンパイア・デビル・キングさん達は

無音で消滅する事は

あり得るのでしょうか?」

私はニヤッと笑みを浮かべていたのが

自分でも分かっていた


突如ラブラビアの

左肘より下が宙を舞った


いや舞わせた


私が。



ラブラビアは驚愕の

表情を激しく見せた


「ねぇ...?どういう気分かしら」

私は血の気が引いていくラブラビアの表情を

舐める様に見つめていた


「あり得ないでありすね.....」

ラブラビアは荒い息をしていた


「否、一撃で葬り去られたのでした」

私は右手に白いゲイスダリゲードを

気持ち強く握り締めていた


「あら?あなた、この程度で

勝ったつもりでありすかね?」

ラブラビアの額から汗が滲み出ている


「流石は真祖と言うべきかしら?

左手まだ生きてる、ふふふ」

切られた腕ビクンビクンと震えていた

魔力がまだ維持してあった


私は二撃目を構えた

わざと見える様に


そして私の顔は二撃目の為に

ラブラビアの顔に近付いていた

一瞬、ラブラビアのほのかに

青ざめた顔が確かに認識できた


「もう左腕さんは繋がっていないし

再生しようとすると反発する様な

傷にして差し上げたから

きっと物凄く...ねぇ?感じた事

あるのかしら?」

私は次に左足を切り落とした


どちゅっと床に白く細い美しい足が落ちた

あー勿体無い

美脚というより神の美しさを持つ

神脚かしら...


「あ..が...」

ラブラビアから先刻の余裕は

微塵も感じられない


再生する力が強ければ強い程に

反作用を起こす液体の様なものを

剣に纏わせるイメージで

私は左腕と左脚を斬り落とした


結果激痛を超えた地獄の痛みに強ければ

再生は可能な程度にはしてある


でも真祖ラブラビアはその強大な強さ故に

痛みを得る事が少ない極めて少ない

稀な戦闘種族

多分痛みに強くない


それでも超新星爆発を一般的な人間種が

受けるぐらいの痛みは感じて貰えるはず

きっと今は太陽に左腕と左足を

突っ込んでいるような心地だろう


更にラブラビアの首より下の肉体を

"遅い世界"で包み込み身動きが取れない

動いた感じはラブラビア自身の思考では

感じられるのだが現実には進まない


その瞬間満ちた

尋常ではない魔力がこの場を


「えぇ?そう貴方がメイユール..」

私は突然の来訪者に私は

ラブラビアの表情がパァッと

明るくなるのが見えた


途轍もない怒気を放つ

ローブを纏う骸骨の何かは

「フォールンコズミック」

と言い放った


私は宇宙が近付いてくる力を感じた


「シューティングワールズ」

私も力をほんの少しだけ解き放った


「降って来ないでありす

メイユール様の宇宙が」


「まさか少女よ...打ち消したのか?」

メイユールは表情の全く

分からない顔で私に問いかけて来た


「そうみたいね

流石に八百万の世界を墜とそうとしたのは

挨拶としては不適切だったかしら?」

私は八百万の内の一つすら

いらなかった事に気付いて

キャンセルしていた

フォールンコズミックが弱過ぎたみたい

よってフォールンコズミックは

遥かな次元の彼方で消失している


「なんと..ラブラビア!お前は...」


ラブラビアは涙を流していた

「できませぬ...メイユールさ..ま」

ラブラビアだけ逃げろと言うのが

伝わったらしい


「俺はこれ以上仲間が傷付けられ

痛ましい姿をしている事に

耐えられる程出来ちゃいねぇぞ」

カタカタと骨が震える音がしていた


「うん...私も逃す気無いかな」

私は笑顔で答えた


私はゲイスダリゲードを構えた

ラブラビアの左半身を潰す為に


「あくまでラブラビアを

痛めつけようと言うのだな?」

メイユールに魔法発動一歩手前が

集まっていく

気付かれていないつもりか

100を超えて1000にも及ぶ

強化魔法の数々


私はあの残りの3人に加え

更に仲間がいる事を痛感する


これは私とメイユール達の闘いだという事


でも私は待った

堂々と強化されても特に構わなかった

私はこの剣を確かめたかった

この斬れ味を


私は1つ細工をした。

次元を1つ下げさせる魔法で

3次元から2次元に


これによって私の位置からは

ラブラビアとメイユールが重なっている

どういう事かというと

一振りで二者まとめて斬り裂けるという事


速度で詰めてもいいけど

私は技を綺麗に叩き込みたい

メイユールを斬ったまま

ラブラビアに余波を与えるのも

面白いかもしれない

2撃目の威力と勢いを保存したまま

残りを与える事も出来る


それにこの技は同次元に存在していると

扱われる為に1の威力で2者に

効力を与えられる

2撃目はラブラビアに向かうだろうという

敵の算段を潰すのが狙いだった


私は剣を構えた

巨剣である白いゲイスダリゲードを

右手のみで


「大当たり!」

私は睨み合いの最中

完全に補助魔法が

メイユールに全ての効力を与えた刹那

物と魔を両方込める混合剣技


エクス・カリバーンのクロスが

メイユールとラブラビアの残りの

左半身を削った


エクス・カリバーンは父に習った

初めての剣技だ

剣による斬撃に魔力の力で叩く

剣技の波と魔力の波が

クロスに敵に叩きこまれる事から

そう名付けたらしい

私の偉大な父は


「ぎゃああああああああああ!!!」

ラブラビアの悲痛が自らの

居城の玉座の間に響き渡った

ラブラビアの顔から下の左半身に

無慈悲に一撃が無残に入り消滅した

私が創った"遅い世界"毎

吹き飛ばすのは訳もない

きちんと研究され認知された魔法なら

自身の魔法の影響を無効にする

方法がいくつかあるのだけれど

私が使用する魔法は全てにおいて

非合法魔法ともいえる

けれども一世界の命運を左右する

魔法程度の効力で

私の放ったエクス・カリバーンは

止められるはずもない


私の白いゲイスダリゲードは

一世界の法則すら

薄いハムを切り裂く様に

容易に消し去った


エクス・カリバーンによって

消失した左半身の影響で

ラブラビアの魔力が

急激に失われいくのが感じられた

肉体が削られ再生出来ず

魔力回路が半壊した為に

血が流れる様に魔力が消失した


これでアカナも回復出来る

私は達成感に満ち溢れていた

「とても素晴らしい眠気覚ましに

なられたのではないかしら?

メイユールさん?」


メイユールの全ての魔法効力は

失われていた

だが骸骨の身体が剥き出しになり

ローブが消滅していた

高価そうなローブだったけど...

メイユールはその場に

スケルトンの様に

ガシャンと音を立てて崩れてしまった


御仲間の気配はするけども

悔しそうな表情をしているのが

ひしひしと感じられる

それも今にも噴火しそうな怒気を含むね


「ねぇ?私は魂がほぼ消失直前に

なる本当に一歩手前までになる様に

調整したのだけども効いてますかねぇ?」

強い生命はその強靭な意志という

思い故に現実に染み付く

それが魂や霊魂と言われる者の正体

特に生きている訳でも

記憶を保持している訳でも無い

最も強い部分を持ったまま現実に

突き刺さる

まるで売れない画家の作品

いわゆる意志が後世になって

評価されるのと非常に似ている


ぽぽぽと


メイユールの意思が湧き上がる

揺らめく青い炎の様に


「仲間を...助けてやって欲しい

それだけだ

それだけが心残りだ

私は負けた、それでも今回は構わん

それでも仲間だけは」

意志は語り始めた


私には無い気持ちを

私はこの意志を滅する気持ちで

この場に立っていた

ラブラビアが心底絶望し傷付く様に

メイユールを私はあてつけで消しに来た


「私が気に入らない事したなら

みんなまとめて消すけどいいかな?」

私はにっこり微笑んだ


「...フフフフフフ

面白い小娘だ...良いだろう

いつでも殺すが良い」

メイユールは笑っていた


「御仲間は全て自らの世界へ返し

平和ボケさせる事

ラブラビアについては

私の大切な人に呪いをかけたから

右半身だけで過ごして貰います

再生は可能なら御勝手に、

後は貴方は私に協力する事

いわゆる人質ね

御仲間が暴れたらね?」

私は飲まないなら残念だけど

消すつもり


「フフフフフフ、言ってくれる

お前達も満身創痍だろ?戻れ!

すまんな」

意志だけの存在なのに

御仲間が土下座する姿が

ハッキリと見えた


「貴方が私にたっぷりと貢献してくれたら

会いに行かせる時間ぐらい作ってあげるわ」

私はメイユールを再生させた


「安心した」

メイユールの骸骨の表情が

なんだか読み取れた気がした

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