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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
東の大国編
40/262

第39階 赤角

戦いが始まり順調に進んでいて

役割としてはこうだった

マテハが大小様々な刀を変幻自在に

扱って敵からの攻撃を削いだり

攻撃に参加したりと

パーティの中心として

非常に上手く立ち回っていた

一言で言えば周囲をよく観察して

最小限の力で最大の力をと

言わんばかりに巨神竜は

力を発揮出来ていない

効率良く戦いを組み立ていて

他の姉妹の長所を活かす為の

フェイントも貢献していた


マスカリアはその特性によって

攻撃自体を無かった事にする事が

出来る為、マテハに攻撃の手を

回す事が出来ている

その力と本格的に繋がったばかりの為か

覚束(おぼつか)ないが戦いが進むに連れ

無かった事に出来る攻撃の量が

増えていっているのが分かる

通常の感覚とは次元違いで段違いな

強力な力の為に慣れが必要な様だった


攻撃専門はマユナだった

次元や空間を完全無視し超範囲での

薙ぎ払いに刃をエネルギー波に変えて

無限の領域に飛ばすなどして

巨神竜を苦しめていた

マユナの攻撃は徐々に巨神竜一体に

収束し集中する程に手練れてきていた


最も瞬時に最適解を導き出す

天才マテハに対しての負けん気が

成せた成長ともいえるけども


マテハとマユナは

マスカリアに審判を任せて

何度も試合を重ねてきているらしい

だからこそマユナの癖さえも

念頭に置いて攻撃と防御を繰り返す

マテハはマユナの呼吸さえも計算し

マユナが最大の攻撃が可能な様に

導いていた


そんな中でイムはお姉ちゃん達の

影に隠れながら途轍もなく途方も無く

大きな自身の力に翻弄されていた

実は巨神竜よりも遥かに

危険だったりする程の力だったりする

それもそのはず、魔皇が残した力の内の

私が操る白いゲイスダリゲードと

同等の次元に座する同質の力なのだから


巨神竜も怯えている様に見える

今のイムが正しく使えるには

条件がいるみたい

1つは静止している事

心や感情が安定するからね

後は強い思いを持っている事

絶対目の前の敵を超えるぞなど

明確かつ具体的な目的が

そしたら今のイムでもコントロール

出来るみたいね


「トドメ!」

マテハの声にマスカリアが静かに頷き

イムが願いを込めて祈る


「はあああああ!!!」

マユナの燃え盛る程の叫びに

巨神竜が一瞬怯んだ様な気がした


それと同時に私は

白いゲイスリゲードを構えた

"いた"からだった、もう1つ何かが


マユナのリョウゲンノヒが

振り落とされ巨神竜目掛けて収束する


ガキンッ!!


「獲物の横取り言わんで

とったもん勝ちや」

マユナの攻撃を弾き返す刀


薄紅色の和装に身を包んだ

色が白く赤い角が二本怪く煌めいた

色白の美青年風の男が立っていた


その横を私が放った

ゲイスリゲードでの一撃が

巨神竜目掛けて吸い込まれる様に

駆け抜けていった

「突っ立っていて、死にたいの?」


私の笑みに赤角の男は苦笑していた


私はもう一本の

神剣六天より進化を遂げた

天下剣「獣」を振りかざし

巨神竜を食わせた


「まぁ、私から横取りするなら

命は覚悟して欲しいかな?」

私はゲイスリゲードで

赤角の男の首元に刃を突き立てていた


「まぁまぁ、今回はわいが

悪うござんした

われは勝ったんや

何かあげたいなぁ」

悪びれが全く無い様子なので


そうねぇ...

「貴方の"命"はどうかしら?」

私はニコッと微笑んだ


対照的にフォアローゼズは

小さな肩を震わせていた

明らかに赤角の男に怯えていた


「堪忍してや〜、そや!情報や!

強い姉さんに情報をあげたいなぁ」

赤角の男に不安と焦りが出て来たので

まぁこれで良しとしようかな


「まぁ、洗いざらい全て喋って

貰うのと定期的な情報提供で

手を打ってあげるわ」

私はニコッと強く微笑んだ


「姉さんホンマかんべんしてや〜

ごっつ怖いわ、"人"族なのに」

人族か...そろそろ化け物なんて

言葉が飛んで来る頃かなとか

思ったりしたけど

まだまだ"人"なんだ私..


「剣は下ろすけど、

逃げられないから?」

ギョッとする赤角の男


「どうする?送るよ?」

私はフォアローゼズが心配だった

もし私1人なら

白いゲイスリゲードまで出して

力を誇示する方法は

取らなかったかな

この情報を与えたのは痛手かな


コクコクと頷く

マスカリアとイム

出来れば残りたいとマユナ

ハツミに任せるとマテハ


私は諦めて座り込んだ

赤角の男を横目に

マスカリアとイム

そして男の子の為に

マテハを送った


「アベッ!!!」

思いっきり見えない壁に体当たりした

赤角の男はぶつけた頭をさすりながら

苦笑していた


「逃げられないよ?」

赤角の男の表情は

段々と引きつった苦笑に

変わっていった

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