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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
東の大国編
38/263

第37階 強い力

私はマスカリアをおぶって

皆んながいるであろう

部屋に差し掛かった


「ハツミ...?」

まさかマテハも子供を

おぶっているとは

思いもよらなかった

あぁ...この子なんだ


マテハに背負られるその子は

栗毛のおかっぱで何処から

どう見ても女の子なのだけども...?


「ハツミ...皆んなを集めて欲しい」

ほろ苦い表情を見せるマテハ


貴女の子供なんだね

なんて冗談は置いておいて

「分かった」

と一言添えた


私はマユナとイムを

時空を飛んでいつも皆んなで

集まる部屋に運んだ


「「「「.....」」」」


「うぅ...私は眠いぞ

ハツミ...」

目を擦りながら背伸びをする

マスカリア


「............」

起き上がったマスカリアは

マユナとイムと同様にキョトンと

無言で対応していた

そしてマスカリアが

ゴクリと唾を飲み込んだ


「まさか...マテハ?

成功したのか?」

成功?

まさかマテハは私と同様に

"人を創る事"が出来ると言うの?

フォアローゼズを創った様に

人間的な正規の方法で

まだ身体が追いついていない筈


「....この子は奴隷商人に

殺されかけていたのを助けた、

見るからに宝石の様な

少女みたいだろう?

でもこの子は男の子なんだ

それもかなり女の子と

見紛う様に愛くるしい」

マテハが男の子の髪を搔きわける

私の見かけより2〜3年

年下と言ったところだろう

それに村での異質な力

人間の倫理では禁忌とされる

人命操作を使用されて

生まれたと読み取れる、

賢者の行き着く先に

命を生きながらえさせる事が

出来る筈だった

最早仙術の領域に足を踏み入れる

人外の技術に相当する事を

行ったけども歪の様だった

不安定な結合に

継ぎ接ぎだらけの命の根幹

死ぬ事が確定した人を無理矢理

力で現世に抑えつけている様な感覚

死と生が戦っている

きっとこの子はあらゆる事に対して

"出来ない"が強いだろう

それぐらい生きる活力が感じられない

いや、この子自体には生きたいと

思う純粋な心はあるけども

この子を形成する肉体が

死にたがっている

それもそうだろう......


「確かに!可愛い...ムゥ...

私よりもかもしれない」

イムが頰を膨らませている


「あははは!

イムは可愛いよ!」

マスカリアが自身の口元に手を

当てながら笑っていた


「うん...」

イムは頰を赤らめていた

愛情がたっぷり必要な時期に

1番のお姉さんであるマスカリアが

1番末の妹がである

イムを甘やかしていたみたいだった

私は少し安心していた

私は2人の間に座って

2人の肩に腕を回して抱きしめた


「私はフォアローゼズの

みんなを妹だと思うし娘とも思う...

だから、私は皆んなを可愛いと思う

今まではいろんな

良い事も悪い事も

姉妹で頑張って

乗り越えて来たんだと思う

だけどこれからは

私も入れて欲しい」

フォアローゼズは皆んなで

ハッとしていた


「今更だよ!!!!

出会った時から入れたいって

思っているよ!!!」

言ったイムが耳まで真っ赤にして

俯いている

純情だなぁと私は心底思う

倶全君との事からも


「良いよって言うよ...絶対に」

マユナが手を差し伸べる

"改めて"とボソボソとらしくない

マユナに握り返した

マテハがポンッと握手する

私達の上に置いた

慌てたイムが更に重ね

マスカリアが私達4人の手を

両手で優しく包み込む

私はこうやって慈しみ合える

少女達を沢山増やしたい

生きて欲しいと思う


魔皇ミラース・ラーバ・ラーサこと

半転生者"宗茂 斗羅"は

8人の奇跡とも言える

身も心も最高級かつ最高品質の

超絶美形かつ究極の

人間性を誇るイケメン達に囲まれて

自身の存在価値を見出せず

精神が死に絶えた

肉体は元気であった為に

半転生者としてミリカンテアの地に

不透明な存在として

ミラース・ラーバ・ラーサを名乗った


自暴自棄と失った全てを取り戻す為に

確率論で奇跡の様な確率

限り無く0に近い可能性に全てを賭けた

女性を数多に生きながらえさせれば

その中で環境や趣味嗜好という

天文学的要素の全てが重なり合い

8人の奇跡よりも自分を選ぶ

人が現れるのでは無いかと至った

故に女性を生かす力に特化した

魔法である集然

更には女性を殺す要素を国だろうが

何だろうが抹殺する思考を持った

闇の英雄"忠勝 瀏"は地球で既に

活動を開始している

そろそろ島国の少女を犯し

殺そうとする超大国メリカ兵の

動きが活発になる頃だった

小さな少女達が何かの間違いで

何かの奇跡で愛してくれる存在になる

可能性は十分にあるから

暴行による少女の未来を糧に

闇の英雄が超大国メリカの大統領に

恐喝を実行する頃だと思う

超大国メリカが忠勝 瀏に屈服すれば

忠勝 瀏は世界を支配する事になる

カゲードの力を持った忠勝 瀏は

暴力や暴行、脅し、詐欺、ストーカー、

更には拷問などの禁忌とされる方向に

多大な才能を有する

これは私の黒いカゲードを有して使う

ストークやアサルトも元となった

旧技術だった

使用する対象を変えるだけで

これだけ素晴らしい技術となる

地球人が嫌い根絶しよとしている

革兵器も人類の敵に向ければ

絶大な攻撃手段だ

とある"舌"で有名な物理学者が

主となって開発した代物だったが

早過ぎた...

彼だけが人類の先に進み過ぎていた

結果使用方法を間違え戦争に使われ

忌み嫌っているという体たらく

私からすれば大笑いだった

革兵器を隔絶した後に宇宙からの

侵略者でも万が一現れたら超笑い話

あんなに技術次元が違う代物を

何かの役に立つ方向に

向けられないかなぁと

私は心底思っている


だって....ほら


「ギャガアアアアアアアアアアアア

アアアアアアアアア!!!!!!!!」


「「「「!!!!」」」」

フォアローゼズは驚いていた


「昨日"異界からの強力な神"を

二柱滅ぼしたから"巨神竜"が

来る頃だとは思っていた」

どうするんだろうねぇ

私はミリカンテアに侵略して来た

巨神竜の咆哮に耳を叩かれながら

もし忌み嫌い続けて痛みだけ

重なり合って人類は泣く事だけ

得意になったりしないのかなぁ、

道具を使うのが人間の強さ、

なのに革兵器程度に使われる程度なら

滅んだ方がマシだよ

"人類の敵は人類では無い"筈なんだ

私は心底そう信じている


「ねぇ、フォアローゼズ?

巨神竜って言うんだよ

大宇宙は超次元の生物の胃袋なのよ、

だからね、胃袋の中の病原菌やら

身体に悪いモノを排除する

強力な何かが取り除かれた時に

痛みや苦しみで怒り狂うんだよ

それが"異界"を胃袋とする

あの鳴き声の巨神竜なんだよ

だから893だけ滅ぼせば

良いってもんじゃ無いの

繋がっている全てを殺し尽くす

覚悟が無ければ殺しちゃダメなんだよ

だからは殺しは正義に収まらない

悪人の所業なんだよ

嘘をついたらつき続ける様に

でもね殺さず生かせば

未来に取り戻す事が出来る

武道ではね弱い者が立ち向かう時に

殺すつもりで向かわなければ

強者の手加減でさえ対等にならない

だから殺そうと思う時点でもう

その相手に敗北感で一杯なんだよ

そしてねどんな悪行を積み重ねても

殺さず生かせば誤ったと後悔した時に

やり直せる

奇跡を起こそうと思えば起こせる

可能性は天文学的数字の果てに"ある"

0で無いという事がどれだけ大きいか

噛み締めて欲しい

でねフォローローゼズ?

巨神竜が私達を殺せるのは"0"だよ

"私が座する限り"

だから安心して、泣かないで

私がいるよ」

私は微笑みかけた

小さな肩を震わせ

泣きそうなフォアローゼズは

コクっと頷いて涙を拭いた

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