第35階 生チョコとホワイトクッキー
獣神デヨシは怒り狂い猛り狂った
つんざく様な叫び声に
公害の様な異様な臭いの
獣神デヨシの口臭
まるで禍々しい毒竜が毒の息の様に
私は総てが危険だと判断し
獣神デヨシ毎、別世界へと飛んだ
「....ここまでコケにした
女は初めてじゃ」
蓄えた髭が怪しく光る、不思議な程に
「単純に貴方が弱過ぎるだけよ?
別に恥ずかしがる事でも
悔しがる事でもないわ
私が生きるに相応しく無いと
判断した者達は否が応でも味合うわ
まぁどう滅ぼされるかの違いかしら?
ブナガの様に戦士として死ぬのを
オススメするわ」
デヨシは笑い始めた
「がーっはっはっは!!
天下を治める人なぞ
おらんと考えられていた
だがいた!」
自分を指差していた
自分ならこの先を
変えられると
言いたいのだろうけど
無意味だわ
「言いたい意味は分かるわ
でも、"未来"はもうこの手にある
私の大切な人々と共に在る世が
そして...人々と共に在る日々が
だから私は全ての神々を滅ぼし
少女達の生きる道と成る!!!
貴方達893は少女が生を紡ぐのに
不必要だと判断されている
この決定事項に覆る事は無い!
更に少女1人も生かせない神など
この世に不要だと言っているのよ!」
四肢が飛んだ
獣神デヨシの...
惚けた顔を戻し
目がキリッと戻った瞬間
グチュっと
さくらんぼを潰す様に
私はこめかみより一閃した
そして神脳を食わせた
ガチュガチュル!
ブリュッブリュ!と
卑猥で卑屈な音が響いた
神剣六天はまた一つ神を食らった
私は元の場所に
魔神ブナガと戦った場所を
通り過ぎ様としていた
獣神の影響で夜になっていたけど
もう夕方なのね...
私達は現状アルテンさんの
王城に住まわせて貰っている
城主のアルテンさんが忙しいので
門番も兼ねてという意味も
無い事も無いみたいだけど...
三竜王達で私達の居住区を
創って下さるらしいのだった
その間の代わりの様なものでもある
その気になれば私は創れるのだけども
せっかくだからと甘えてみたのだった
父は年を幾ら重ねようがいつまででも
トロトロゲキ甘なのだろうけども
通常少女時代しか甘えられないものねぇ
イムとマユナは人界に降りて
女子を楽しんでいるみたいだし
マスカリアは王城の書庫に篭って
書物を漁りまくっているみたいだし...
私がアルテンさんの王城に入って直ぐ.....
「「ハツミーーー!!!」」
マユナとイムの重なっている声が響く
ショッピングに出掛けていた
2人が帰って来たのだった
「はいこれ!」
差し出されたのは...
「チョコとクッキーでしょ!」
ほのかに甘い香りが漂う
「ブッブー!!生チョコと
ホワイトクッキーでしたー!!!
私の物です!!」
イムが凄い勢いで腕で
バツ印を作っていた
私は時を操って掻い潜って
生チョコとホワイトクッキーを
手の中に収めた
「せこーーい!!」
消えたお菓子の袋にびっくりした
イムが抗議してくる
「ほらイムが選んだんでしょ?
素直にあげなよね?」
マユナが言うとイムは顔が真っ赤だった
私は"生"チョコも
"ホワイト"クッキーも
3つに分けてそれぞれに手渡した
「私は1人で食べても良いけど
皆んなと食べるの大好きだからね?」
「「うん...食べる」」
マユナとイムは2人して
口で生チョコをトロけさせていた
表情で口の中に広がっていった
瞬間が分かった
幸せそうな女子の顔をしていた
私も同様に口の中で
生チョコがトロけ始めた
「お!騒がしいと思ったらマユイムにハツミー!
帰って来たんだなぁ」
マスカリアはすれ違い様に
小声で"後で2人で話をしよう"と言って来た
"書庫に行く"とだけ念話で伝えた
「マス姉も食べなよ!」
マユナが生チョコを差し出し
イムも恥ずかしそうに
ホワイトクッキーを差し出していた
「おぉーありがとうありがとう!
可愛い妹達よ!」
2人抱きしめるマスカリアを
オーバーだなぁと思いつつ
ちょっと羨ましかったかも
そう思っていたらくいくいと
服の袖を引かれた
イムが目を逸らしながら
ギュッと掴んでいた
ボフッとマスカリアが
胸に突っ込んで来た
「なんで距離取るのさ!
置いてか無いでくれよ」
私はギューギュー抱きしめる
マスカリアを抱きしめ返していた
「いや、絶対離さないし」
こうやって気を回してくれてるんだ
「あのさ、1人じゃないからね?
ハツミは!」
マユナの言葉にジーンと来ていた
「うん...うん...」
私は自分の歯切れの悪さに
苦笑しつつ涙を堪えていた