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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
神界攻略編
28/262

第27階 "最後"の七大神王ディン

私はふと思い立ち

私は神の樹の生えた場所へ来ていた

神ディンがいると思われる場所より

宇宙の半分程度距離が

離れている場所だった


神の樹と言っても大した効力を

持つ訳では無い

神の世界に生えている

単純な樹の事を指している


ラウドとその手にしていた大剣を

埋葬しに来たのだった

神に総てを捧げた男ラウド

彼は穏やかに眠っていた


私は土を操り移動させ

大きな穴を開けた

そこにラウドを入れ埋めた

この地はラウドの生まれ故郷だった

今はもう滅んだ村は

沈められているけども

神々の戦争に巻き込まれた

小さな村なのだろう

敵国の神を殺す為に

身も心も魂さえも砕き

神ディンに仕えた

それは故郷を救ってくれると

信じていた淡い少年の心なのだろう

私は殺した事に生き死にに対して

何かを抱く様な人として心の綺麗さは

持ち合わせていないけども

私相手に一歩も譲らず剣を向けて来た

彼は称賛に値する

きっと父もそうする

戦士として彼を尊重しなければ

"恥"なのだ


私は結果として人を殺してしまう程の

力を持っている

白いゲイスダリゲードも

黒いカゲードも

でもそれは戦いという

生きる為の本能を燃やす炎ともいえる

人間は小難しく考えがちだけども

生きるって事が一番強い

神ディンがどの様な

神様かは知らないけども

七大神王よりも遥かにラウドの方が

強い存在だと私は心より思った

人間世界が滅ぶ時には

こういう誰からも模範であり

全てを人々の為に砕く様な人物が死ぬ

人世界における善人が死なない限り

滅びへと道を進める事は無いし

魔王が討たれる時は大抵

善人に悪行をし尽くした

後だったりもする

だからこそ私は

エンシェントルーラエルフの

アオナ・エカルラートに

惜しくも敗れ去った男として

この場所に名を刻もうと思う

神々の世の英雄として


私は大剣を墓標に

樹の根本に突き刺した


そして私は

最後の七大神王ディンの元へ飛んだ


「来たのか魔王少女...」

緩々で歪な色を何色も重ね合わせた

ローブを身に纏い

鋭く長い銀色の槍が鈍く淡く光る

長身かつ渋く微笑むその表情は力強い


「ラウドは負けたか」

全て聞かずとも分かると言いたげな

憎しみを含んだ表情を私に向けた


「いかにも」

私は引く気は無い

真っ直ぐ神ディンを睨みつけた


「まぁよい、さぁ来い!

ミリカンテアの勇者よ!!!」


全てが神秘的な王宮が泣いた

そんな気がした

でももう戻らない

神々を総てを討ち滅ぼす機会なんて

過去も未来も幻想も架空も合わせて

そうそう無いのだから


神ディンの槍と強くなった時剣アーザが

火花を散らしぶつかり合う


神ディンはすぐさま下がった

「我が魔槍に刃が食い込むとは」


私も一旦距離をとった

「この剣は貴方がミリカンテアに

行使しようとした事を神々に対して

行った物」


神ディンは無表情で

凍り付く様に絶句したが

「...ミリカンテアの二柱は

神々に敵対したキレルイデの娘

ハツミリア・ルイデを救う為に

神々に意見した

故に我々は七大神王たる二柱の

シアとククハのおらぬ所で

メイユールを仕向ける様に

圧力をかけた武力でな

メイユールの地に訓練された

人間を送り情報操作をした

高々と新米の神がメイユールを

神々の世の為に討ち亡ぼすと

声をあげているとな

ミリカンテアの勇者よ

愚かなるハツミリア・ルイデに

よってお前は死ぬのだ!!!」

私は深呼吸をした


「...聞いて呆れる」

神ディンの身に深々と

時剣アーザが食い込んでいた


「グフ...何故だ?

我が魔槍は全てを貫く....」

槍は空を切り

苦しそうに悶える神ディン


「うふふふ...全部知っていて

この場にいるのだから

神ハツミリフィは

人間転生に失敗し

寿命を著しく減らし

命が尽きかけていた

神降ろしに引っかかる

神様に良くある事よ?

人に憧れを持っていた

神で無かった私に

このハツミリア・ルイデに」


神ディンの腕が飛び足が飛んだ

神ディンに希望の表情は無い

強がっては見せても


「神ハツミリフィは

可愛い神様だったわ

もし、彼女を生かすという思考が

何処かにあれば神々の世は

あり続けたのでしょうね

でも深淵の本能の奥深き意識の果てで

滅ぶ事を望んでいた貴方達は

私によって道を潰える」

私は更に切り刻む

芋虫の様に悶える神ディン


「神々の世を生かすも殺すも私次第

神々は利口からはかけ離れていた

ただそれだけの話よ?

何を勝ち誇っていたのかしらねぇ?」

私は更に神ディンの神肉を斬り裂いた


「憎悪に悶えろ、復讐の炎で

身を焦せ!!全てを!!

意味が無いのだからな!!!」

神液を口から吹き出しつつ

神ディンは憎しみの表情で

私を睨み付ける


「これは復讐では無いわ

神々は不倶戴天として

この世に認識されただけよ

神々が滅ぶなんて

この世界の全てからしたら

些細な事でしょう?

器が知れてるわ

草を踏み潰すよりも些細な

小さ過ぎる出来事よ」

私は魔槍を掴もうとする

神ディンの手を踏み躙り潰した


「ぐおおおおおお!!」

良い表情ね...私が呟くと

神ディンは力を解き放ち始めた


キレたらしい


全身を活性化させて

もう片方の手で魔槍を握りしめて

突撃してくる

光がまるで速度を

持っていないかの様な速度で


「ねぇ...止まっているのかしら?」

私に銀色の輝く先端は届くはずも無い

黒いカゲードの"ビートゥデス"は

神ディンの神脳を捉えて

抉っていたのだから

空間は避けてヒビが割れている

鈍く深く呻く神ディン

「....な...ぜ....それ..に.....なんだ?」


私は微笑みで応えた

「私が貴方にかけた補助的な技が

分かったかしら?

この私と貴方の隔たりには

数千億をゆうに超える数の世界を

瞬間的に移動出来て初めて私に届く

私の戦闘のベースは魔皇と同義の

"魔法使い"よ

魔王少女は間違ってもいないわ

神々に仇しているし

もしかして戦士の様に打ち合いが

出来ると感じていたのかしら?

そうだとしたらおめでたいわね

神スウは世界を少なくともいくつか

纏えたはずよね?」


神ディンの表情が変わる

恐怖に引きつりながら

事実を淡々と思考しているのだろう

世界を纏うという意味

創造の力を使える者達が

世界自体を盾にする技だった

これにより防御戦術に

圧倒的な有利を得る

更に創造者からの攻撃は

自ら創造した世界の何処にでも

瞬時に存在出来る為に

容易だったりもする

とても簡潔にまとめると

とてつもない範囲の

ヒット&アウェイともいえる

ちなみに私の白と黒の武具は行使力が

とてつもなく高範囲である超範囲で

ある為に超絶遠距離でも余裕で届く

結果がこれ


神ディンは攻撃をくらい悶え

私は無傷だったという現実だった

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