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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
王路院編

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231/263

第230階 デートとアイスクリームと

「...やっと帰宅できる」


王路院側からの今後の予定の説明。

それでも多少なりとも気を張る必要はあるので隣の彼女はこの様な感じ。


「ねぇ、ラナン。何か食べに行こ」


私はお疲れのカランコエに誘われ、了承していたのだった。



王下街シャンデル・ド・グラスの彩りは目を張る程に麗しい。


「綺麗。私達には合うよね。こういう美しい街並みが」


「そうねぇ、そうかもねぇ」


カランコエはとても上機嫌で、所作から魅力を振り撒いている。

こちらが彼女の素の状態なのか、それとも懐かれたからかなとも感じている。


「貴族やってるって感じ」


「あはは。貴族っぽいね、私達」


 私もカランコエも転生法に関わっている身。

華やかな世界に縁の薄かった私達が貴族として楽しんでいる。


 兎にも角にも不思議な巡り合わせね。

私と少女と貴族。


 絡み合う事の有りそうで有り得なかった、絶妙な立ち位置が奇妙な整合性を伴い紡いでいく。


「あああああぁ!美味しそう!!」


ーー説明眼


 確かに。

寒冷地方独特の果実のアイスクリーム。

この果実はアイスメロンと呼ばれている。

甘味がとても強く希少性も高め。

その中でも一級品は凍り付いた女神と称される。


 私的には、こんなにも感情的なカランコエを拝見できたことこそに希少価値を感じている。


「あ...ちょっと恥ずかしいんだけど」


「感情的にもなるでしょう。とても美味しそうなんだから」


「そうよね!」


 上機嫌なカランコエ。

と表現できそうなほどに嬉しそう。


「それください」


 まぁ、私も頼むんだけどね。

せっかくだし、味わいたい。


「いらっしゃいませ!」


 とても感じの良い声、私が視線をアイスに落としたのに気付いたからかな。


飲料として飲むことも出来るジュースタイプも提供されているようね。


商品説明に目を通していくとアイスにはモチが入っていると書いてあって。

柔らかくて噛み締める度に幸せを運んでくれる素敵なトッピングに心惹かれていた。


「こちらで」


 私はアイスクリームを選び、頼む。


「アイスクリームですね」


「はい」


お会計を済ませ、受け取る方法の説明を受けて移動する。


「席、取ったよぉ!」


 商品を既に受けとっているカランコエ。

彼女はジュースタイプを手に持っていた。


 ジュースタイプの入れ物。

店員のお姉さんが描いているみたい。

白に黒の親子の猫が数匹、描かれていた。

とても可愛い。


 私はアイスクリームを受け取っていた。

こちらの包装には口を大きく開けた胴長短足が特徴的な犬種が描かれていた。

第七世界における王家が飼育していたあの品種ね。


「さて、楽しみましょうか。ラナン」


 着席する私へのカランコエからの第一声。

そうして私はアイスを口に含んだ。


「はぁ!?美味し過ぎない、これ」


 カランコエの第一声に深く共感していた。


「驚くよね、あまりの美味に」


 深く頷くカランコエを堪能しながら、至福を舌鼓する私。

ふんわりと口の中を転がるアイスメロンとモチ。

とても相性が良く、2つの一体感も素晴らしく、アイスメロンとモチは相性良く結合されていると感じている。


「なんて美味しいのだろう」


 簡単な一言で今の私の心情を適切に表現するならこうなる。


「...ちょっと行ってくる」


 カランコエは唐突に立ち上がる。

うん、きっとね、美味しそうに見えたのだろうね。


 その数分後とっても笑顔でアイスを堪能しているカランコエの姿を私は拝見していた。


 「ねぇ...ラナン!!美味し過ぎるよ、このアイス!」


分かるよ、カランコエ。という思いを強く込めて


「もちろん!最高よね!」

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