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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
天還路編
214/262

第213階 最終未来とアリル

「最終未来、それはどんな意味?」


 ラングくんの目が輝いている。


「ちょっと...ラング!?」


「良いじゃん!ナカリタ!だって僕らはどこを目指してる?蒼軌果照(アオキハテ)だろ!」


「そ、それはそうだけど...」


「私も気になります〜!!」


「アリルまで!」




「最終未来は最善を掴み取る人の思い・才・力を武具として変換したモノよ」


「最善を...」


「思い」


「才」


「力」


 キキョウ、ラング、アリルちゃん、ナカリタさんの順で。

それぞれが一つずつ口にしていくのを私は感慨深く噛みしめていた。


「最終未来を揮い、未来を切り開いて」


 自身が掴み取りたいと願う理想の未来を目に見える形として実体化させるのを最初の目的とされていた、から。


「理想である自身の最後の未来を創り出すことになるわ」


「...それが僕の手に」


 ラングは腰に収めている剣を確かめていた。


「まだ卵よ、孵化できるかはラングくん次第ね」


「...やってやる、僕はやってやるぞ!!」


「もう、やる気になっちゃって...」



「誤解は解けたかしら」


 ナカリタさんにそっと、そう伝えた。


「様子見ね。とお伝えしたいところだけど、ラングが嬉しそうだから私の杞憂なのかもね」


 そして少し恥じらいながら。


「これだけは伝えておきたいわ、新しいことを教えてくれてありがとう」


 好意的な言葉をいただけたのは嬉しかったかな。


「どういたしまして」


 と。

私が伝えるとナカリタさんは一瞬驚いて気恥ずかしそうな笑みを灯していた。




「みんな行くぞ...!!」


 ラングくんの号令に呼応させる様に私は、私の施した時鈍を天還路に薄めていく。


時が正常に戻るにつれて幾千に及ぶ光弾が私達の視界を覆う。


「ぐ...囲まれてる...!」


 ナカリタさんが自身の剣を引き抜き構える。


「ブルー...」


「レッド...」


「「ハイビスカス!!」」


 赤と青の重なり合い紫色へと変色し、輝く花の様な防壁が効力を高めていっている。


「すごい...」


 感嘆の声を上げるキキョウ。

それと同時に私は神異特異を引き抜いて超広範囲の斬撃ですべての光弾を逃がさず一刀のもとで斬りつけた。


 光弾の威力は激減し、これなら取りこぼさずに受け止められると私はオッデセイに狙いを定めた。


 アリルちゃんの周囲で魔法陣が描かれ魔力が集まる。


「壁は維持して!私がなんとかする!」


 冷や汗を垂らしながらラングくんは笑みを浮かべて了承した。


「誠ニ愚考也!人間ノ浅マシキ技ナド、取ル二足ラズ!!!」


 アリルちゃんが殺意を纏い威圧する。


「私に近づいたことの方が愚行だわ」


ーー魔力零

ある一定の範囲の魔力を空にする。


「グヌヌヌヌヌヌ!!!人間!!!!」


「アリルちゃんのその力の源泉は魔力の一種でもある、その手の技は超常の相手には効力ないんだっけねぇ」


「何故ダ!!!」


「これこそが私がこの王女様に転生した本当の理由よ」


「黒ノ巫女カ!?其レハ不確定要素ガ重ナリ合ッタ天文学的ナ確率デ生マレルト、ス...イ...ソ......ク.........」


 力なく倒れるアリルちゃんをキキョウが抱きしめる。


「大丈夫ですか!?」


「魔力が全部無くなったから、一時的に気を失ってるだけよ、良く防いでくれたわ」


「もちろんさ!それで倒してしまったのかい?」


「あとは本体を叩くのみよ」


「アリルは大丈夫なの!?」


ナカリタさんが駆け出す。


「共鳴の魔法って物凄〜く燃費が悪いから解くしかないのよ」


「解けたって事!?」


「えぇ、そうよ」


 そして私は漆黒を勢いよく引き抜いた。

鋭利な光弾が漆黒に触れて軌道が逸れ天還路の彼方へ飛んでいく。


「!!!」


 そして2発目も同じ様に彼方へ。


「あなたは一体、あんな密度の高い鋭い光弾を...よく寸分違わず...」


 3発目も彼方へ。

驚くナカリタさんを尻目にしながら。


「魔力を磁石の様に扱いこの黒い剣に吸い寄せて光弾を削る、そしたら真っ直ぐ進めなくなる」


 そして4発目も。


「... ラズちゃんは私と同様に魔法を展開してる...?それもとても薄い魔法の様な流動的な何かですよね」


 ナカリタさんに渡された瓶に魔力を回復させる効果があった様子。


 更に5発目も。


「ふふふ、良い線いってるわね!さすがよ!」


 6発目も問題なく。

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