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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
神界攻略編
20/262

第19階 星座の様に

「ガハハハハハハ!!!

だがな彼奴は脅威だがな

一撃を耐え切った事で

我は不動のNo.2を得たのだ!

神々で調子に乗っていたシアでさえ

キレの前では構えるのが

精一杯だったからなぁ」

全天さんの目の前から酒が

一瞬で消えて行く


「マテハ様の食事持ってこい!!」

何故かマテハの前で星一族の戦士達が

土下座していた

果実たっぷりのジュースを丁寧に

注がれながら空いた皿が

瞬時に取り替えられるという

至れり尽せりの

最上級のおもてなしを受けていた


「ギブ!ギブ!」


「私は競争してないし、

普通に美味しく食べているだけ

だから...ね?」

イムの前に大量に

皿が積み上がっていて

星一族の戦士達が

大食い競争を挑んでいるのだが

一向に勝てそうな気配は無い

イムは笑顔でいなしていた


「あんたね!!!ハツミにも

手を出そうとしたってどういう事?

私達も撃退したのに!!!」

マユナが掴みかかっていた


「いや...その今回はマジで後悔だわ

でもお前ら2人はオレ様の魅力に気付かないのなんでだ?

普通の女は喜ぶぞ?」

あたふたしている涙目の

星一族の王子クラーガ


「顔とか色々かっこいいのに」

倶全君と出会ってから最大音量の

声を振り絞っているように感じられた


「なぁ?だろう?

まぁ仲良くやろうぜ?」

上機嫌なクラーガ


倶全君は笑って

良いよと言った気がした


「ねぇ、名前教えて」

うん?マスカリアの

横にいる女の子...

あの子が3人目?の強者..

間違いない


「我が娘が気になるのか?」

全天さんは一向に

酔う気配が感じられない


「とても強いわね?」

全天さんは頰を赤くして


「自慢の娘だ」

全天さんの言葉に

私はこそばゆく感じた

父を思い出して...

電話しようかな、

お父さんとお母さんに


「それでね

協力してくれる?

それでもし敵対するなら

私も何か考えないといけないわ」

クラーガの目が若干怯えていたし

全天軍の面々からも笑みが消えた


「闘え...我と」

全天は真剣だった


「それで良いのね....

そしたら私がこの地を離れて

2度目の日が上がったら

カゲードさんの座する場所で

戦いましょう」

笑い声が聞こえた

全天軍の


「なぁ?やっぱし全天様と

闘うのは避けたいって事だろ!?」

全天軍の1人が私に詰め寄ってくる

その様子をクラーガはうつむいて

溜息をついていた


「そういう事じゃないよ

父上は...勝てない

でも何か理由が欲しい

明確な

今の貴方の様に

父はもしかしたら

アオナさんに勝てるかもしれない

そう何処かで信じてくれているから

わざわざ足を運んでくれたのよね?

私達はそれで十分嬉しいから」

ニコッと全天の娘さんは微笑んだ



「ミリフィム様...お言葉ですが

我々は強い、それが現実です!」

若い全天軍が集まってくる


「強いのは認めるわ

譲れないなら、それでも構わない

でも、明日どうしても向かう場所が

あるから遺恨を残したくは無かったの

だけども?」

私は全天軍の面々に

聞こえる様にいった


「揃いも揃って聞き分けが

なってねぇな!!!

試合は2度目の日が上がったらだ!

我は納得した

おい若いの!!

ありがとな、でも後で説教だ」

全天さんは笑っていた


「戻れ...お前ら」

クラーガが最低限

聞こえる程度で呟くと


「...星一族の面汚しめ」

クラーガに冷ややかな視線が突き刺さる


私が溜息を1つついたら


「ねぇ、星一族の戦士で

ルヴァイを圧倒出来る

強い戦士はいるかな?」

マテハが問いかけた

穏やかで綺麗な声で


「そりゃあ、全天さんと

...王子なら可能性があるだろう」


「そう、アオナはルヴァイ相手に

笑っていた、余裕の笑みで

意味が分からないというなら

私が剣で教えてあげるから

挑戦しに来てよ」

マテハは薄っすらと威圧を放っていた


私はシアの持っていた

剣を取り出そうとしたら

いつのまにか

ミリフィムさんが隣にいて

「パパの事、みんな信じて

心の底から信じてついて来たから

だからそう簡単には納得いかないと

思う」

そう耳打ちしてきた


「星一族の諸君

なんならマテハの代わりに

私でも良いぞ?」

そこには笑顔のアルテンさんがいた


(急に認めろなんて

おこがましいと思う)


「「「「「!!!!」」」」」


この念話は全員に向けてだった

彼こと魔皇の念話だった


(ハツミ...悪い、俺へこんでた

メイユールの事で

でも、もう一旦大丈夫だ

試合は後日だなんて気を使ってくれて

ありがとう、俺が伝えるよ)

私だけに聞こえた


あんたがいないと

何にも出来ないんだね

意外と私は


斗羅は苦笑していた

そして...

(ご存知の通り僕が

魔皇ミラース・ラーバ・ラーサだ

星一族の戦士、そして王達よ

無理強いはしない、しかし協力

してやって欲しい

これは我々の悲願なのだ

頂点に君臨する強い人間等を

遥か超える為に

僕はお前達を創った

新たな剣を得て

"この"世を切り裂くが良い

働きを期待している

今回は自由意志だ

善処する様に僕も対応しよう

以上だ)

白いゲイスダリゲードは

浮いていた

私は彼に頭を下げた

ありがとうの意味を込めて

きっと魂という流れがあるなら

私は最強に成るべくして

生み出されたんだろう

でも私は個として非常に

強い魂だろうけど

星座として万物を象る星々の様に

魂が連なった方がより

輝く力を持つのだろう

私は色んな星に支えられて

最強になれるのだと心より

自分を信じている


「魔皇...様、我々星一族は貴方様の

言葉をしかと受け止めよう

試合はアオナが良いなら

特に必要無いが」

全天さんは明らかに涙を拭った

後だった


「遺恨が無いなら闘う必要はないわ

私の強さは見てくれればいいと思うし」

その後、私は魔皇の秘蔵っ子という

認識で認められていた


星一族の戦士達は

ばつが悪そうな

照れを隠す様な

涙を拭う様な

色取り取りの姿を見せていた


私はそんな彼等が

可愛く思えていた

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