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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
大魔法神聖王国エテメンアンキ編
191/263

第190界(階) 交差する街道

「クソッ...死体ばっかりじゃねぇか、おえっ!吐きそうだ」

時空を飛んでいる全天にミアは掴まれていた。


「ひぃっ」

「......」

「サクラハにモモハは見なくていいからね」

僕達を乗せているアルテンからも笑みは消えていた。


 惨殺死体が無数に転がっていた。

鮫の血飛沫(超刃)の形状からして斬殺死体になるはずだけど...明らかに目的があって命を啜っているのが分かる。

干からび、骨さえ空洞に感じるその死体から生命への執着に近いと考えている。


 その中で一際大きな死体があった。

目立ったのは大きさだけではなく、死体となった後になんらかの行為を受けたあとがあった事だ。


「呪術の類いか?」

「相当な力量を感じる、全天!!!」

「御意!!」


「頼むぜぇ、ブチ殺してくれよな。ギルドの受付長のおっさんは厳しくもみんなに慕われていたんだからな!」

「主のあの顔は殺せとは言っていないぞ」

「おいおいおいおい!!!仇を取るんだろ!!!この流れはよぉおおおおお!!!」

「ギャゴオオオオオオオオ!!!!」

「!!!!」

「ミアと言ったな、主に楯突くなら噛み砕く」

「......」


ーー足行戻

全天の叫びと共に呪術を行った者達は来た道を戻されていた。


「ありがとう、全天!」

ーー氷中生球

彼等と僕達を囲う半球の氷だ。特に生命維持への影響は少ない。


「アルテン、モモハとサクラハを頼んだ」

「任されよ」


「おいおいおいおい!さみぃいなああああ!!!」

「英雄の卵なのに加護を得ていないのか?」

「いいから、黙ってなんとかしろよ!!!!」

「ミアならできる」


「それと大したものだ」

 怯える表情に気持ちのこもっていない言葉を投げかけた。

僕はまとわりつく死への誘いをほこりを払うように処理した。

呪術に似通った何かを。


「...殺せよ。抵抗する手段は失った。全身が凍えてどうせ死ぬ」


「お...おでぼ...」


「どうだ、僕の力は世界を変えられそうかい?」


「見事だ...呪い殺したくなるぐらいにな...」

流した涙が凍りついていく。

後方では寒さに震えて座ることさえままならない子供さえいた。

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