第188界(階) 絶
「あぁ、主よ。アルテンが言う超刃で間違いなさそうだな」
「そうだね」
目の前に赤黒い鎌の先端が100程、時空の亀裂から這い出ていた。
「お...お前らはなん...なんだ!!!」
「使うの初めてではない?」
「!!!」
猫耳の子供は心のつっかえが一つ解れるかのように更に涙の量を増やしていた。
「... 鮫の血飛沫が来るぞ!!!」
「動けないんだろう?黙って涙を拭っていればいい」
「!」
硬い物質が砕ける音に猫耳の子供は涙を流す事を忘れた様子だった。
「どうだ、全天」
「薄味だな」
「よく言うよ、30本ぐらい食べといて」
「それは...ですね」
「ぷっくっくっく」
「ふっふっふははは」
そして時空が揺れた。
「おい!!!お前ら!!!笑う状況かよ!!!」
肌に触る鋭く繊細な魔力。
「...何を勘違いしている?」
ーー時重断絶
???
「うお!?ぐああああああああ!!!!」
「飛ばせない、何度やっても超えられなかったんだろう?」
「抗うんだ!俺は絶対に!!抗って抗って俺だけの正解を見つけてやる!!!」
強い意志の感じる瞳。
「嫌いじゃないね、そういうの。むしろ大好物だ、ついて来るか?」
全天が超刃を食べる音が雰囲気も一緒に粉々にしていた。
「なん...だと?...」
「目的が違えば、いつだってお別れしていい」
「今回助けてくれたのはありがたいが、俺は男だ...一人でやる」
「そうか、その心意気に免じて一回だけは助力しても良いから。気長に考えておくと良いよ」
猫耳の子供は何も言わずに立ち上がり笑っていた。