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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
大魔法神聖王国エテメンアンキ編
175/263

第174界(階) 竜族の王

「ゲホッ...!ゴホ...!」


咳き込む竜族の子を慈しむ様な瞳で包むルテミスさん。

悲しみを拭う様に涙を神々しい布切れで拭き取り、伏せる竜族の子に笑顔を向けていた。


「竜種を滅ぼすなんて、神々の力はとんでもねぇな...」


粘性の身体で器用に使っていた箸を静かに止めるリヴァン。

身体が粘性だからなのだろうか、皿が積み上げられている光景からいつにも増して旺盛な食欲だ。

風船のように異様に膨らむ粘性の身体に突っ込みを入れたいが、この空気感だから今は放っておこうと思う。


そして僕は目配りした、竜族の子に。

眠ったまま度々咳き込む姿に、何故だか愛着の様なものが芽生えてきた。


「名付けて読んでみるか...」


僕がそう呟くと、アルテンがこっちへ寄って来た。


「是非とも願いたい」


小さな可能性にでもすがりたいのだろうか、その佇まいと大きな瞳が現す意思の強さに圧倒されていた。


「ドゲートはどう?」


名前自体に特に意味は無いのはいつものことだ。

だからこその特別であり、同じ名を持つ者など彼の世にも此の世にもいない。その事だけは確信を持てる。


「うむ、では竜族の子は今からドゲートだ」


全天が何やら嬉しそうだ、それなら良かったと心底思う。


「これで、魔王様の加護によりドゲートとして生きる事が出来る」


アルテンは深々と頭を下げる。


「...」


僕の実力が魔王に足らないのが口惜しいが、成れば良いだけの事。

この出来事は僕が魔法研究に没頭し、強さに対する貪欲さのきっかけの一つとなった。


魔王は単純に強い、それが世の道理だ。

そして世界の答えだからだ。

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