表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
大魔法神聖王国エテメンアンキ編
168/263

第167界(階) 竜の滅び

「竜族が滅んだ!?」


そう叫ぶのはリヴァンである。

リヴァンはルテミス先生の作る食事に惚れ込んで度々遊びに来ているのだ。

メイユールを鍛えるというのを口実に。


ちなみにすでにリヴァンはルテミス先生に振られていた。

美形に変身しても玉砕するのだから全く分からないものだ。


「旧友と連絡を取っているのだけれど、

竜族が一夜にして滅んだそうよ」


「原因は正体不明の隕石説だ!!」


リヴァンのドヤ顔だ。


そんなに力説されても。竜は竜でも恐竜だろ...それは、と心の中でツッコミを入れていた。


「隕石降っても死なないよ...」


ルテミス先生はかなり呆れている、いやむしろリヴァンを軽蔑している様子だ。

ちなみに僕はルテミスさんを心の中で先生と呼んでいる。


「うーん...かなりかすったハズだ!!

なぁメイユー?そう思うだろう?」


「はい!師よ!!」


メイユールはかなり純真な奴だ。それをリヴァンは分かっている。


「ぎゃごおおおお!!!!!」


突如響き渡る咆哮。

この激しい大音量は、まさか竜の生き残りが飯に釣られてやってきたのか。


「ククハ様!!?」


飛び出したルテミスさんを追いかけて俺達も駆け出した。


そこには灰色の巨大な東洋の龍がいた。

かなり大きく蛇の様に長い胴体から強力な魔力を放っていた。


「グルル....」


俺は先生に襲い掛かる龍の巨大な鉤爪と先生の間の土を盛り上げ盾にした。


「人間の小さき子よ、神の味方をするか。愚かな事だ」


「ふざけんな!ルテミスさんは僕に魔法を教えてくれた!それだけだ」


俺と龍は睨み合う。


「ほぉ?良い目だ、だが竜の怒りを代わりに

受け止められるか!!!」


「...待たれよ」


ん?


「ミラース様この全天に任されよ」


黄金に輝く“西洋竜(ドラゴン)”にして僕の仲間であり友であり右腕だ。


「まぁ友達の願い出しな!良いぜ!!」


「御意」


「生き残りか?共に神々を討たんか」


全天はスカした顔で鼻で笑う。


「我にお任せあれ、魔王様」


「龍の神たる私と戦うか覚悟されよ!」


僕はなんだかやばい空気を感じ取ったので

周囲の物質を強くする魔法を行使した。

俗に言うフィールド魔法だ。単純に全部壊しそうな勢いがあったからだ。


灰色の閃光と黄金の閃光がぶつかり合い弾けまた交わる。


「あー、なんて光景だクソッ」


リヴァンはあまりのぶっ飛んだ戦いに苦虫を噛み潰した様な顔をしていた。


「そろそろ止めるか...」


座っていた僕が立ち上がろうとした刹那、勝負はついた。一瞬だ。


全天の渾身の一撃が灰色の龍を貫いた。


鯨が波打ち際に叩きつけられる様な勢いで地面と灰色の龍はぶつかる。もうあと数分で死ぬ命だ。

僕が眺めていたから全天はトドメを刺さなかった様だ。

その光景にリヴァンもメイユールもルテミス先生も絶句していた。


「僕は殺しても良いと思う。お前はどうしたい?全天」


だけど、同時に生き返らせて仲間にするのも

面白いと思った。


「魔王様お言葉ですが、殺すには惜しい」


「僕と同じだな!」


僕はそう呟いて生命を戻すのではなくて強く生まれ変わらそうとした、俗に言う転生法だ。場所も種族も指定出来る。何故だか頭がスッキリしている。

だからか、やり方が分かる。


「ここは...心がなんだか軽い」


「おはよう!気分はどう?」


「そうか暴れ回って道連れにしたのか...」


「おいおい、寝ぼけ過ぎ!!」


「はて...?」


「生きてるんだよ!そしてお前は僕の仲間だ。神々を滅ぼそう。僕は魔王だ」


「......!?」


僕の言葉に元ククハは口を開けたまま凍り付く様に静止していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ