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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
大魔法神聖王国エテメンアンキ編
158/263

第157階 運命の出逢いを果たす

私は勝てなかった。ラズベリー=サンとして。

アオナ・エカルラートとしては完勝した、

まぁいつもの事だけど。


「マスターゴッドデータへのアクセス権限を

得たとしても理解出来ぬぞ...


「苦し紛れかしら。古代言語魔法を

理解出来ないって言いたいのね


古代言語魔法は魔法理論の第一に属する。

機械的な言語で通常の思考回路、

すなわち常人の脳構造では理解できない。

だから存在する、この言語を理解出来る

呪われた一族が。

そして古代言語魔法×人の組み合わせが

発症したら負のエネルギーが流れ込む仕組みを

私は確認している。試してみようか。

私は古代言語魔法が使用可能な魔力回路を

右手に集めた。


「貴公!!!人の身で

古代言語魔法は禁忌だ!!!


私は小さく微笑んだ。


その刹那、私の右手には包帯が巻かれた。

これは魔力と外部との接続を遮断する液体を

浸した布で出来ているのが分かった。

重々しい空気を纏う1人の人が

私の背後、通常なら死角に立っていた。

けれど私の持つ妖刀『全神斬離』は

彼の首から薄い血を流させていた。


「死角に立たないで、死にたいのかしら


「...


「クンシラン=ムーン、また来たのか


また、それは凄く語弊が。あら、そう。


「貴方も“転生者”


私は彼を、黒く分厚いフードで顔を覆う

彼の瞳を見詰める様に覗き込む。


「フレアがあっさりと、調理されるんだ

全く、サン家に一矢報いたいのに、

これは大きな試練だなぁ。

ボクのモノにならないか。ラズベリー様。


フードが外れる、非常に美形。金髪碧眼。

そして傅く。


「遠慮するわ


「...それは、悔しい


「父を倒したいのかしら


空気が澱む、意図的にクンシランは

拒絶の意を示していた。


「忘れて欲しい


「協力してあげても良いわよ

私もスコヴィル=サンを倒す必要があるからね


「貴公、何を言っているのか、

分かっておるのか


ラズベリー=サンでスコヴィル=サンを倒す、

それって物凄い成長の証を感じれる。


「へぇ、面白い事、言うんだね。王女様


クンシランの金髪が美しく流動する。

私に笑みを近付けながら。


「あら“火竜(フレア)”さん、貴方の瞳には

ラズベリー=サンが良く見えるのね


私は嘲笑する様に微笑んだ。


「貴公の得体の知れない何か。

それは人知で計り知れない。そう結論付けた。


「全く、人に疎まれたボクらでも手の届かない

境地に在るって言いたいのかい


ボクら、そう、そうなのね。


「可能性があるのか


「あるさ、ボクは人々に疎まれて討伐された

人にとって脅威そのものなのさ


「あるわけないわ、だって“天才達(あの9人)”が

関わっていないもの。貴方の構築には


正確には1人と8人。私を生み出したあの人が

8人の天才と化学反応を起こし、

そして超えたいと願った心から

生み出された境地。

その過程として集める自然“集然”が創られた。

私の深層心理が管理する記憶には

そう記載されている。

結論を言うとその9人より優れた才が

生み出された実例は人類史においてなかった。

それが答えであり真実だった。

マスタービッグデータに照らし合わせても

9人が関わった可能性は微塵も無かった。


「そうか、試すのも悪かぁない


笑わない目で笑みを作るクンシラン


「それよりもスコヴィルと

どの程度差があるのか試してみない


私の問いに2人は呆気にとられていた。

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