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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
西の大帝国編
144/263

第144階 決するー③

残酷成分有り

「キレ、隠居していたみたいじゃのぉ


クアットゥオルの笑みの先の

究極未来(アウグストゥス)

キレの夢の住人たる証“夢血”を垂らす


確かな痛みにも表情を崩さないキレ

けれどクアットゥオルの殺意が

終わる筈も無い

かつて自身の生命を奪った相手だ

容赦はしない、刈り取る......と


だけど花が咲いた

世界に一つ花が咲いた、違和感なく

少女の笑顔が

無邪気が

純粋が


人類の頂点が重なり合って生まれた

時空領域の複雑怪奇なその音色に

違和感なく、旋律を与えた


「君は、斗羅なのか..?


ドゥオは捨て切らない

一つを不意に思い出した

いや、憶えてはいたが

可能性としては無きに

等しくしたかった....


...突如、不意に現れた様な

アオナは自身を竜巻に変化させて

人体の可動領域を凌駕する程に捻り

手に持った

“全真カゲード・ゲイスダリゲード”

でクアットゥオルの背に

荒々しい傷を刻んだ


「グギギギギギギ!!!


キレへの殺意が消えて行く程に

削れていく自身の血肉が抉れ抉られる

感覚が憎悪と憤怒を心情に

叩きつけられた様に呼び覚まされる


「糞餓鬼が!!!...?


自身に宿った違和感に

クアットゥオルは思考を奪われた


有る筈のものが無い

そこに有った感覚が無い

当然の感覚が無い


共に人類史を歩んで来た

他の皇帝と七賢人達が顔面蒼白で

自身を憐れむ様に見つめ


ノゥエムは無感情で

アオナに斬りつけた


アオナはノゥエムの

究極未来(クイーン)

そのか細い細腕で容易く受け止めた


更に究極未来(クイーン)が傷付く程に

アオナの腕は丈夫だった


ノゥエムは心の激情を抑え込み

アオナと距離を取った


究極未来(クイーン)が通用しない程に

高められた生体エネルギー

正にその域まで高められた

アオナの狙いは一つだった


最早四肢さえアオナによって失った

クアットゥオルにズプリと

氷の刃が突き刺さる


「カハッ...何故、冷気が我が

身体を通す...?、この世の終わりに

近付いているのか........?......


クスッとアオナは微笑んだ

「違うわ!この世の光が

闇を照らしている

人々を苦しめた“戦争”は失われ消え行く

戦争の象徴たる英雄の貴方が死ぬ、

この時を持ってして


“させない!!!!!“

そんな強い意志が圧力と成って

アオナの背中を叩く

....けれども何度斬りかかっても

欠けゆく究極未来達

アオナの背中に届かず

西の頂点達でも分からない

何かに阻まれる


「くそがああああああああ!!!!


この場の全てを代弁するかの様に

ドゥオは咆哮した

目の前にあるその細い首に

華奢な体も攻撃が通ずれば

いとも容易く折れる


そんな気概さえ激しい怒りとなっていく


けれど...アオナは微笑んだ


目が虚になっていく程に

少しずつ少しずつ削られていく

クアットゥオルの死を祝福する様に


手が血で滲み、豆が潰れ

痣が増加し全身に打ち身が刻まれ

拒まれ跳ね返されても

彼等はアオナの首を狙い続けた

鬼人と化したキレの隙を突きながら


「私という少女の生を拒む力は全て

戦争も犯罪も悪人もなにもかも

ぐちゃぐちゃにする

二度と息を吹き返さない様に徹底的に


「「「クアットゥオル!!!!!!!


仲間達の叫びが感情に

その魂に響いたかの様に

4つに割かれた頭の

まだ生きているかの様に涙した


そしてアオナはバラバラにした

頭を踏み砕いた、死者の涙と共に


...人類はその力に沸き踊った

時も真理も何もかも得た

恵まれた才とたゆまぬ努力

相反した奇跡を編み合わせ

最上の力を王達は手にした

その一角が無力と絶望を

教えるかの様に逝った


「戦争に負けた者は

女も子も尊厳も地位も名誉も

全て奪われる!

そういった下衆な理論を展開した

糞忌々しい男だった

私(少女)は共には

生きていけない!!!」


「お前は元西の住人なのか?

それともクアットゥオルの時代を

生きた人間なのか?


クインクゥエは軋む自身の骨の

悲鳴さえ聞こえなくなる程の

不可思議さを現状に憶えていた


「貴方達しか出来ないとお思いで?

...過去改変による未来の可能性の増加


「まさか貴様は王達の役割の一つと

同等の事をやっているとでも

言うのか!!!?


セプテムが叫ぶ


「えぇそうよ、地球を中心とした

全世界崩壊(クラッシュ・インパクト)

あれはショック療法よね?

通常の過去改変は規模が

小さ過ぎる故に影響が及ぼせない、

ある一定の未来への過程は

決まってはいないという

仮説に基づいた未来を変える方法

過去は永遠からかけ離れ曖昧でもある


「グッ...


ウーヌスは拳を強く握りしめた


「最上の未来は過去の歴史を

創る事も出来る

真実を知るのは私だけで良い


クスッとアオナは笑った

けれどもそれは本当に

アオナとしてだったのか

誰にも分からなかった

アオナ本人以外には

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