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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
神界攻略編
14/262

第13階 闇一族

私は突然の行動に驚いた


「まぁ、魔皇様が戻られるまでの間の

期限付きだが力を貸す事にしよう

そして改めて歓迎しよう」

倶天さんには笑みが溢れていた


「えぇ、よろしくお願い致します」

私は深々と頭を下げた


「堅苦しいのはここまでだ

して、あいつ(ドゲート)がいうなら

信頼に値する人物だろう」

倶天さんは席に戻った


「私は騙しているかもしれませんよ?」

私の言葉に四姉妹は

驚いた表情をしていた


「そんな事は小言だ」

倶天さんは冷たくはっきりと

言葉に出した

大きい声では無かったけれども

心に突き刺さる様な

重みを含んでいた


「我等兄弟(義兄弟)は共に信奉し

共に生き共に食し共に寝る

むしろドゲートが騙されているなら

それも良かろう

共に騙され共に世を去る

これ以外に満足して生きる道は無い」


悪くいえば依存

しかし弱い種族が

神々にまで知れ渡るという事は

それだけの理由を持って

生きて来たという事


物理的に近い存在になる

性愛が絡む男女よりも

優れた信頼関係を構築していると

私は深く敬服してしまった

声にならずただただ押し黙っていた

今思えばドゲート軍もそういった

人々の集まりだったのかもしれない

ユグドラシル騎士団に数という

現実を突きつけられてなお

戦う意思を鼓舞した

あの強さの秘密そのものかもしれない


今の私は物理的にとっても強い

凄い父と愛らしい母に生まれ

父についていく日々を夢見て

自分を高めてきた

でも繋がりを得る事で

こんなにも強くなれるなんて


私は今4人の協力者を得て

四姉妹に支えられている

そこから得られる強さも

遥かに大きいという事を

私は心の中で結論付けていた


皆は私の応えを待っていた


「素晴らしい協力者を

私は得たと心得ています

ですから私はその三人の竜王様は

常に共に戦える様

配慮させて頂きます」

私は得る事があった

少しは成長しているかな?お父さん


「是非次はアルテンのところに

向かってくれ!書簡は明日の朝までには書き留めて渡そう」

倶天さんは何やら楽しそうだった


「ありがとうございます」

私はニコッと答えた


「してアオナよ

貴女はどの様な技をお持ちか?」


私が答えようとしていたけども

マユナがサッと私を制した

せっかくだから譲る事にした


「アオナは私達と同種です

それも非常に強力な」


倶天さんは目を一瞬細めた

「....非常に強力と言うと?」


マテハとマユナが顔を見合わせて

「優族の一団を全滅させる程です」

マテハが答えた


「なんと...」

倶天さんが非常に驚いている

それだけ優族は

強者だと認識されている


「でも私は自分の魔法の事を

一切知らなくて空間をなぞるだけで

"何でも出来てしまう"という

認識しかありません」

実際にそうだから仕方ない

例えばお母さんにみせて貰った

魔法大全という本にも

人間界で高度と言われる

連続詠唱をはるかに超える

数える事がほぼほぼ不可能な

数であっても

指一つで可能なのだし

残り9本も同様にこなせる事実も

私自ら試してみて確認済み

この集然に関しては

全身で放てるのだから

私のほんの極一部でしか

未だに使用していない


「うむ良かろう、我々闇一族は

その鍵を握っているため

超位四種族の一角に収まっていると

いって過言でない」


それから倶天さんは語り始めた


「その指で触れ合うだけというのは

闇一族だけが捉える事が出来る

超極小の物質を使い

相互作用を引き起こして

結果事象が起こってるに過ぎない


もし魔法学に知識があるなら

精霊魔法のもっと細かくしたものを

イメージしてくれればと思う

精霊魔法ではある程度

炎や水など完成された物質を集め

魔法を引き起こすが

この集然(しゅうぜん)に至っては

もっと原始的な部分から集める


だから魔法学にある様な

詠唱した魔法が自分だけには

影響を受けないという事が

取り除かれているのだ


言ってしまえば

魔法学で判明している領域を

遥かに超えた次元で

魔法を使用しているのだから

自衛の作用も無く

自分自身で身を守る方法を

創らねばならない


しかし知っていると思うし

感覚を掴み初めているとは思うが

例えば一口に水の魔法では無く

水の魔法にあらゆる影響を同時に

付与していると感じられないか?」

倶天さんの言葉一つ一つが

私は目から鱗だったけども

マスカリアははて?という表情していて

マテハは頷きながら

聞いていたけれども

食事の方に目を輝かせていた

マユナは必死で眠気と戦っていた

イムはスヤスヤと寝ているし

倶全君はうつらうつらしていた


「私もそれは知らないなりにも

認識しやすい様に集然と名付けました

それは....」

倶天さんの表情がみるみる

してやられたという表情に

変わっていった


「そうか初めに気付くべきだったな」

なにか感慨深い表情をされていた

倶天さん


「勇者キレ・ルイデの娘か?

正直に話してほしい」

私は見事に言葉に詰まりました


(俺に任せておけ)


ゲイスダリゲードが空間に

切れ目を創り現れ

ぷかぷかと空中に浮いています


(久しぶりだな倶天

僕を覚えているか?)


斗羅君は恐らく念話中です

私とマテハは眠りの世界へと

旅立っていたマユナとイム

そして倶全君を起こしていました


(魔皇様!!!)


(確かに倶天なら気付くと思った

けれども何も言わずとも分かるな?)


(...それはその次元に到達していると

いうことで間違いないのでしょうか?)

斗羅は倶天に対し笑みを向けた


(倶天よ、アオナ・エカルラートを

主として協力してやってくれ)


(なにとぞ)


(よろしく頼むよ)


ゲイスダリゲードは

一旦この場から光と共に消えていった


「アオナ・エカルラート殿

以降末長くよろしく

お願い申し上げます」

倶天さんは何かを吹っ切った

御様子でした


「えぇ!こちらこそ!!!」

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