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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
西の大帝国編
138/263

第137階 スルグレの9人

「残りのステルラは全て

西の大帝国が所持した.....


アオナを中心として

マスカリア、マテハ、マユナ、イムの

“フォアローゼズ”

アルテン、倶天、ドゲートの

“三竜王”

更に全天を加えた9名で

緊急作戦会議を開いているスルグレの面々。


真っ先に状況を危惧したのは

アルテンだった


それに応える様に全天が口を開く


「これに関しては

失敗といえる結果に終わったと

言っても間違いないな?


押し黙る面々....


死を覚悟した者、弱さを憎んだ者

各々、多種多様だったが気持ちの

方向性は総て同じだった


「それはこれから結果が出る、

私の我儘に付き合わせていた

けれどね!


けれどアオナは実に

清々しい顔をしていた


「けれど、闇星は.....


ドゲートの懺悔し悔いる様な想いが

重たく鈍く響く


「アカナはその性質上

不足した肉体が存在する、

元よりアカナには

望んでいた輪廻転生が迫っていたし

闇星ちゃんは全人の書では

不完全な状態を維持し続ける

役目を担っていた

それを補う様にルヴァイと

同等の深さの才を持っていた

と、ここまで言えば分かるかしら?


「必然であったと...?


倶天が驚く


「えぇ、最も完全な肉体を

提供する事は出来るけれど...

それは今を思えばという意味でね?


ニコッと微笑むアオナ


「直ぐ様に再生させろ...


全天が御立腹なのは声色から明白だった


「私はせっかくだから見つけて欲しい

不完全さが生み出す

本物の至高の剣技を!!!


「何を言っているのだ!!!!


全天は身を乗り出して

御立腹具合を高めた事を

周囲にアピールしていた


「いずれ自由に腕も足も

自由に創れるわ!

闇星ちゃんだけじゃない

あなた達皆が!!!!


「なんという大それた事を!


アルテンは目を丸くしていた


「そうね、アオナなら出来るわね...

けれど、皆は難しいのでは?


マテハが重々しく口を開く


「先代魔界の天皇ミラースは

魔法を行使する力を授ける事が出来た

私にはその力も流れている

だから安心して欲しい

それに既にそれは始まっている!


何を見て何を感じて

何処にアオナが到達しているか

彼等8人には想像も出来なかった

けれども、信頼を預けられるだけの

絶対なる自信だけは感じられた


「...話は分かった、けれど

当面の問題は解決していない


全天は強い瞳でアオナを捉えていた


「終わったわ!

−1人の人類が考えうる

最高の戦力を彼等は手に入れたわ!!


ゴクリとアオナ以外の面々が

緊張を飲み込む


「血筋、才能、伝統、賞賛に名声

現皇帝と七賢人にノゥエムは

そういったあの世とこの世の

全てを手に入れた位置に達した

人類の最上位よ

人類史において天才は沢山いたわ

けれどその天才達はおろか

外れた者達まで

総ての人類を束ねた王達が

現西の大帝国の歴史上に七人存在する

それが次期皇帝である

オクトーを除いた皇帝と七賢人よ

そしてノゥエムは9人目よ


アオナの言葉を聞いて

溜息を吐くアルテン....


「事態は思っていたよりも

更に深刻なんだな


そしてニコッと微笑む


「よく分からないわ!

私達は今まで何をしてきたと

思っているの?


「「「......!!!?


皆が皆顔を見合わせていた


「知っていたのよ!

魔界の天皇ミラースは!!!

彼等を相手取るこの構想も全て

だからこそ、私達という

歴史もまた!あるのよ!


「まさか!!我々の創造における

仮想敵は...彼等だったと言うのか!!


アオナは全天に微笑み


「御名答、最も第八世界の地球に

転生した彼等だったけれど

転生体は彼等にとって

劣化した存在だったそうよ

けれど、それもそうね

地球人の夢のその先の

更なる先の現実を得た彼等が

地球の夢を担って転生したところで

単に劣るだけだもの



...口をあんぐりと開けるアルテンは

フッと笑みでクラッとする心から

滲み出る表情を隠した


「転生者は常に強力な力を持つという

共通認識がある...



アオナはニコッと微笑み


「地球人の想像の範囲の極致が転生者

それが地球人達の遥か彼方の

未来人である太陽人達の

想像の範囲とイコールではないわ

最も太陽人の王達の想像力が

今の西の大帝国を創った、それだけよ


「実に単純なのね

でも何故太陽人は

地球人よりも優れている?


マテハが口を開く


「それは太陽人は遥かな未来を

生きている、それだけよ

それも成功した未来を


「ねぇ、アオナ?成功しなかった

未来ってあるのかな?


マユナが首を傾げる


「パラレルワールドでもないから

それはないわ!

更に言うと他の選択肢を選んだ

パラレルワールドという

概念自体が人の真なる強さにとっては

不必要なものでもある

それは成功している道を歩み

選択し続ける事が出来るからこそ

表裏総ての人類を導く

紛う事なき王達なのよ

けれど太陽人達の世界と

地球人達の地球は繋がっている

それはコンパスの様に


「コンパスねぇ、何処が

太陽人で地球人なんだ?


マスカリアは目を

クシクシと擦っている


「鉄の部分が太陽人で

芯の部分が地球人

王達は芯を代える役割を持つ

...マスカリア、難しい話ばっかりで

ごめんね?


マスカリアはハッとする


「アオナが大丈夫そうだから

なんだか安心してきたぜ

そしたら眠たくなってきた....


「分かるかも!!!


イムが叫ぶ


「だってアオナが心配で心配で

大変そうな顔をしているかと

思ったていたら...

一番平気で大丈夫そうな

顔してるんだもん!!!


「ありがとうね、イム!



「それもそうだ

アオナが一番辛い場所に

座っていたのにな

気付けなかったな


全てを結局アオナに委ねている

自分が何処かにいたのだと

倶天は反省していた


「んんん...私はその先を

ワクワクしてるわ!!!

そういえば...もし私が

西の凄い奴等から

このスルグレの地を守り抜いたら...

凄い..かな....


アオナはもどかしそうに

気恥ずかしそうに

そして答えを潰す様に続けた


「だけど皆がなんて言っても

私は守るよ!

もっと一緒にいたいと

心の奥底から思うから


「西方が黒く赤く染まっていっている


スタッ...


「倶全君!!!?


イムの声が響く


「身に付けてくれたかしら?


突如現れた倶全に驚く面々


「あぁ着心地は抜群だ...


アオナはニコッと微笑み


「言葉と威圧で追い詰めたのは

正解だった


西方を一瞥し何やら楽しげだった


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