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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
西の大帝国編
135/263

第134階 悔し涙

西の大帝国はその日震撼していた


新時代への革命児に

世界を惚れさせた悪魔とまで

絶賛と非難を一身に浴びた

サー・サマエルが無惨な姿で

西の大帝国のある地域に

突如姿を見せたからだ


その地域は七賢人に捕らえられるまで

サー自身が根城にしていた場所だ

最も西に忠義を尽くした人々が

無念を抱き死んだ地でもある


家族や大切な人々を殺されて

サーへの殺意を抱いて生活をしていた

者達にとっても目を逸らす有様だった


「「「サー.....様......


「残念ながら、心と脳に当たる

部分が死んだよ


見下す様な目で美形の青年は

四つん這いのサーの

背中の上の石の上に座り

集まって来た女性達を威圧していた


生前から美形として有名だった

サーに尽くして来た女性達だった


サーには所々鉄パイプや

錆びた武具が突き刺さっていた

恨み辛みが宿っているかの様に

全ての武具が歪にドス黒かった


サーの変わり果てた姿を見て

哀しみを押し殺し

怒りを目の前の青年に向けた


「弱者は敗れ、地肉と成る

私はサー同様に、サーに与する者達の

命を奪っても良い!それも良い!!


女性達は一つの事を悟る

自分達は殺されに来たのだと


「葬い合戦ですか...

良いでしょう、貴方を殺し

サー様を救いだし、また共に

新たな栄光を歩みましょう!!!


数千人規模で集まって来る

サーを慕う者達


「他の支部にも連絡を取りなさい!!

緊急事態です!!!


別の女性が支持を出す


「戦う気か、実に威勢が良い!!!




....瞬間場の空気が静寂を語った

たった今到着した人物によって


「ノゥエム・フトゥールム...


「...あぁそうだ、君の事は

不問いにしたのだが

スルグレの上層部から

伝わっていなかったのか?


ノゥエムは静かに微笑んでいた


「私の自由を奪う権利が

西にあるはずも無い、

それとも奪ってみるか?


「...大きく出られたな、全く

....仲良く逃げな?

君達では確実に死ぬ


集まって来たサー配下の女性達に

微笑むノゥエム


(究極未来(クイーン).......


ガガガガガ!!!


「その技は...!?


女性の一人が叫ぶ


ノゥエムが持つ究極未来(クイーン)

ぶつかる細い異空間


「この程度以下で七賢人に匹敵すると

恐れられていたのか、全く反吐が出るよ


美形の青年は吐き捨てた


逃げようとしていた

女性達は余りの光景に

尻餅を突いてカタカタと震えていた


サーが得意としていた時空停止剣

停止させた異時空を捻じ込んで

無理矢理離す事に

よって切断する大技だ

それを彼は12本展開出来た


けれど今見ている光景は違う

時空停止剣が数兆数京...束ねられ

龍の姿を象っていた


究極未来(クラースナヤ)!!!!


二本の究極未来を手にした

ノゥエムが龍に立ち向かう


「西の地の金のステルラ

“ウェヌス”か!面白い!!!


けれど象られた龍の力は絶大だった

....手が血で滲むノゥエムは

死を受け入れはじめようとしていた...




究極未来(シャーハンシャー)!!!

「....究極未来(イスカンダル)

「図に乗るなよ!!小僧!!!

究極未来(ダーラヤワウ)!!!!!!

究極未来(ホアンディ)

究極未来(カアン)!!


...ノゥエムは膝を地に着いた

けれど笑っていた

頼もしさに高揚していたからだ


五つの力が時空停止剣で象られた

龍に立ち向かう

6人の持つステルラが

更に輝きを増幅させる


「これが人の力よ!!!!!!!!


クゥインクゥエは更に気合いを込め


「...削ぎ落とす


人類史で最も時の技法に愛された

トレースが時空停止を緩和させ


「押し殺してくれる!!!!


ドゥオは舞う様に更に押し込め


「ノゥエム!これで動ける筈...!


セクスが瞬時にノゥエムの治療を行い


「現皇帝として勅令を下す!!!

押し返せ!!!!


セプテムが鼓舞する


ピシッ...ピシッ.....ピシッ!!!


時空が砕ける音が響いた

..霧散する時空停止剣で象られた龍



「....逃げられたか


セプテムは悔しさを吐露した

....もうこの場に美形の青年と

サーはいなかったからだ


...


....


.....


「テメェが西のお偉いさんか?


南の地の日のステルラ

ソールの前に少年が立っていた


「口の聞き方がなって無いなぁ...

俺は将来有望なんだぜ?


(究極未来(サント)


ニコニコとしているが殺意に

闘争心が入り混じり溢れている


クラーガも只ならぬ雰囲気に構えた

..全天とミリフィムも続く


「3対1かぁ、丁度いいハンデだな


余裕を崩さない少年

オクトー・フトゥールム


「隙を突け!!!


全天の叫びに対して

ニヤッとするオクトー


異時空の千のクラーガが重なり

同時空のオクトーに拳が入る


「横に増幅させて...

同じ時空を叩くとはねぇ?

全時空に対抗出来るとは

思って無かっただろ?


迸る轟音が周囲を弾く

時空を超えて重なり合った衝撃が

受け止めたオクトーと

クラーガの拳から響き渡る


「仮にも人の頂点を謳う

西の王の一角...か

この程度出来て当然だな...


クラーガとオクトーは

互いに距離を取った


そのオクトーの眼前に

...火の矢が突き刺さる


「へぇ...危ないねー

ただの火でも無さそうだし


間一髪避けたオクトーは

放った少女“ミリフィム”を

特に警戒した


ミリフィムによる

研ぎ澄まされた時空は

余りにも危険だったからだ


(トレースに、匹敵するかな...


七賢人一の時空の使い手である

トレースはオクトーの時空関連の

師でもあった

第8世宙は生まれて間も無く

オクトー自身も王として

成熟しきっておらず未完の超大器だ


全天の拳を躱したオクトー

クラーガ程ではないが

全天の時空は荒々しく

攻撃の瞬間に感じ取れてしまう

だけどミリフィムに至っては

ほぼ感じない

直感頼りといっても過言ではなかった

だけど荒々しく分かるとはいっても

根本的なパワーが違った

避けるのは容易いが

当たればと考えるとゾッとする程だ


それでもオクトーは押していた

相手の時空を纏う攻撃を

最小限で躱し時空さえ引き裂く

究極未来でクラーガ達の防護壁を

ジワジワと削っていたからだ


だけど戦いは長引く一方だ

時の技法を多用する相手として

オクトーは持久戦に切り替えた

けれども星一族の3人が

時の技法を幾ら行使しても

疲弊を全く見せない事に

疑問と驚きを隠せなかった

よって互いにジリ貧が続いていた


....けれどオクトーは

目的を果たしていた

彼を纏う日のステルラ“ソール”は

力強く羽ばたきオクトーを

主として崇める動作をしてみせたのだ


「さぁ...どうするかい?


負ける気はさらさら無かったけれど

これ以上は無益だ

そう判断した、オクトー


クラーガは荒々しいが

闘いの天才とも取れる程だ

攻守に渡り非常に強力だ


全天はバランスが黄金比であり

非常に突き崩しにくく

手堅く攻めて来る...戦い難い相手だ


そしてミリフィム....

とりあえず一発で

こっちを突き崩される恐れがあった


...緊張感がある楽しい戦いだ

けれど時間が惜しい、今は

とオクトーは考え


「またやろう!!!


オクトーはそう言って

この場を後にした


「!!!待ちやがれ!!


「クラーガ!!!!


拳を強く握り締めるクラーガ


「んでだよ!!!


「勝てなかった.......

絶対........


ミリフィムを魔力の奔流が包み込む


「悔しいのが身に染みたのは

オレ様だけじゃねぇって事か.....


クラーガは涙を流しながら笑っていた

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