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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
西の大帝国編
130/263

第129顔 黄泉への誘い

西との初戦である

お披露目は大成功といわざるをえない


なんせ西の包囲網から

罪が重く、厳重に閉ざされた場所に

隔離された人間を攫い殺したのだ


「もはや、聖兇徒を

守っているといっても

過言では無いわね....


ハツミは変身を解き

倶全から書類を受け取り

革の炎で焼いた男達の

経歴に刃を突き立てていた


過去が掲載されている

所謂トップシークレット級アイテム

コジンジョウホウにだ


アオナと倶全はコジンジョウホウを

次元の彼方に破棄して

食事を取っていた

強国に成長したスルグレといえど

西の大帝国相手に悠長に

構えていられるのはアオナだけだった


「奴等攻めて...来る....


倶全はスルグレの仲間達

皆を代弁するかの様に

弱々しく言葉を紡いでいた


「あははは!

私達に敵うとでも?

それにステルラを

多く所持した方に分があると、

踏んで来るだろうし..


倶全はアオナが笑ういつもの調子に

相手が相手の戦争だが

不思議と勝利以外感じなかった

何故だか分からない

けれど確信めいた様に

光が灯りかけていた


アオナは西の大帝国の方角を見つめ


「ふふふ...

私の強さを試すには最良の相手ね

楽しみだわ、眠いけれど!



「一つ...相談が...


倶全は上司に当たるアオナに

恐る恐る訪ねていた


「良いわよ?

良く働いてくれているから

ほぼ叶えるわ


「.......まだ仕事が欲しい

イムの為に貴女を助けたい.....


甘酸っぱいとアオナは

言おうとして飲み込んだ


「うふふふ、丁度良いわ!

これは魔皇のローブに、

それとこれは蟲王が創った

コイシ・ハルカラの仮面!


倶全はいきなり差し出された物に

たじろいだ


「中々の曰く付きよ


アオナはどこか嬉しげだった


「それにあちらと繋がっている

貴方にしか頼めない役割を

引き受けて欲しいのよ


「....現世に帰った前魔界の天皇を

こちらに具現化する為の道具なのか?


「...御名答!魔皇の成分を集めて

こちらに具現化させる仮面よ


アオナはハツミリアとして

唇を薄くして微笑み


「了解した...!


倶全も薄く笑う


...


....


.....


「アカナ....?


アオナはアカナの身体が

安置している場所で

何か熱の様な物を感じ取った


トゥン....ト..ク.ン...トク..ン..


アオナは一雫の涙を流した

聞こえて来る生命の力に


「ハツミリフィ....?


アオナは友の名を

懐かしさを含めながら

親しみを込めて呼んだ


そして今一度生命の宿った

その身体から伸びる手を握り締め

再開を喜んだ


...


....


.....その頃西は珍しく慌ただしかった

兼ねてより正体不明の国が革兵器を

使用したのだ、それも数人とはいえ

西の住人に


「人権と我々の尊厳を著しく

侮辱する行いだ

正義の鉄槌を執行し迅速に対処すべき


七賢人の一人、クアットゥオルは

現皇帝であるセプテムに進言していた


皇帝に七賢人、

それにノゥエムが参加をしている

ナイン・フトゥールム会議の場で



「それは勿論だ、しかしながら

クアットゥオルよ

かのアオナ・エカルラートに対しては

ステルラを入手するまで

戦闘を避けて頂きたい...


苦虫を噛み潰す思いで

セプテムは言葉を並べた


「御言葉ですが、

どういう事ですかな?...

我々はこの好機を活かし

電撃戦を展開し事を有利に

進めるべきではありませんか?

ステルラは軍を進行させながら

入手していけば良い


「何処に好機がある

まさか、士気が上がった程度で

そう呼んでいるのか?

フッ、笑える


ドゥオは七賢人の席で

アオナへのイラつきを

隠す事はしなかった


「後手後手にまわっては

戦争においては不利になりますぞ?


「ウーヌス、戦ってみれば

可能性を少しでも広げたい

我等の気持ちが分かる...

準備は怠ってはいけん


クインクゥエは電撃戦に

納得はしつつも慎重に事を

運びたいと思考していた


「ステルラ奪取の時間を稼ぐ為に

和平交渉などいかがでしょう?


彼女も彼等と同じ七賢人のセクスは

他の七賢人と現皇帝、

そしてノゥエムに優しく語りかける様に

疑問を投げかけ続けた


「徐々に交渉を進め、残ステルラが

全て圏内に入ったら

相手の交渉条件の虚を突き開戦、

電撃的に勝負を仕掛け

スルグレの主、

アオナ・エカルラートの........首を獲る!

なんて、私は考えています♪


「虚偽の和平交渉で時間を稼ぐ...か

ふむ、成る程な...素晴らしい!


絶賛するクインクゥエに

セクスは屈託無く微笑んだ


「虚を突けか....間抜け共に相応しい

最期じゃないか!


七賢人の席でオクトーは

高笑いをした


「自惚れぬなよ..?ガキが


ドゥオはオクトーを

躊躇もせずに殺気を込めて睨みつけた


「ドゥオ...も言い方が

正しいとは思いません

けれど、敵国の主である

アオナ・エカルラートは

一人で我等8王を幾人相手出来るか

未だ計り知れません...


「トレース?それこそ我々を

見くびっているのではないのか?

誰でもない君が


眉間にしわを寄せオクトーは

とってもご機嫌斜めだ


「...ものは試しだ

和平交渉の折りに

オクトー...

君が親交試合を組むというのは

どうだ?


「ほぉ?クインクゥエ

それは面白い


ニヤッとオクトーは笑う

小柄で幼い容姿からは

想像もつかない程の邪悪な笑みだ


「条件がある..


「ドゥオ?この僕が親交試合で

アオナ・エカルラートの

首を落とすのが見たくないのか?


「私とトレース、

それにノゥエムを相手取って

息一つ切らさずに倒せたら考えてやる


場が震撼した


「なんじゃと...?


クアットゥオルを始めとし

セクスにオクトーも

顔面蒼白の表情を隠せなかった


クインクゥエは溜息一つ漏らして

重い口を開いた


「我々の威厳を著しく下げる...

だから報告は避けていた

現状単体での最強戦力である

ドゥオが押し負けたそうだ

トレースの協力がありながらな!

そして2人をノゥエムが助けた

それが残酷なまでな真実だ

...だからこそ我々は力を示し

その上でタダではやらせんぞという

気概を見せねばならん

これは我々が文字通り全てを賭けて

挑むべき本当の総力戦だ

脳の隅々まで研ぎ澄ませ

血肉を滾らせろ

自らの心臓を焼き尽くせ

この難局を乗り切るぞ

血よりも深い運命で繋がった同志達よ

最初で最期の地獄の始まりだ!!!

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