第11階 もう一つの今
非常に残酷な表現があります
それを理解した上で読み進めて下さい
ご理解とご協力をお願いいたします。
まず状況説明から
マユナの傷は問題ない
「えへへ、ちょっと
油断しちった」
マテハが強い口調だった
「ふざけないでよ!!
私がどれだけ!!!
深くないから良かったものを!」
とても心配していた様です
「ほらほら、私も戦えている2人に
驚き過ぎて大丈夫って過信して
こんな事になるとは思わなかったから
使っていなかったし」
戦えている..?
使っていなかった...?
確かにマテハとマユナで
若干押し気味で平行線を保っていた
決して油断して良い相手では無かったけれど
それとイムは疲弊して私の膝元で
スーッスーッ寝息を立てて寝ている
あの巨人達がいなければ
本来ここは緑に溢れていて
物凄くのどかなところでもあるし
ミリカンテアという世界にそういう
場所が非常に多い
ハツミリムも本来
心が広い大きな神様で
ハツミリフィは
明るく一直線な神様だから
仕方ないといえば仕方ないか
「倶全君...お話聞かせてもらえるかしら?喋るの苦手でも念話は得意でしょう?」
私は目の前で立ち尽くし
俯いた表情の彼に話しかけた
(....初めまして、俺様の名は
忠勝 瀏
地球の人間です)
(カゲードでもあるのかしら?)
(....そうです、この力は凄まじいです
人間が紙切れの様です)
(............そう、貴方が人間離れしているということで間違いないかな?)
私は内心納得してしまった
人々には悪いけど
ゲイスダリゲードと対の力
予測の範囲内ね
(はい、そうだと思います
今は暴力を生業としていた
ン・トウ最大規模のクザを潰し
刑殺官となり
セキュリティの厳しい
機密データを入手し
女性を死に追いやった
暴漢となった聖兇徒を
入手した個人情報をもとに
苦しめ異空間の牢獄に集めてあります
近々薬品の人体実験や
最終的に邪魔になれば
人間ミキサーの実行予定です
更に禁忌の革兵器の被爆実験を
聖兇徒に対して実行し
ギリギリ苦しむのはどのあたりかも
調査予定です
最近では市民関係無く清凶徒が
大きな国への報復を望み
人々の生活の根幹の部分に
暴力と殺意を持ち込んでいるので
ホン国の様に2度と抵抗出来ない様にしないといけない理由があります
ハエが煩わしいから)
(そう...沢山殺しているのね...)
(ですが御安心頂ければと
再犯率は今は1%未満に減りました
人を残忍に殺す系の凶徒には
俺様がストーカー能力を
使いますとコロッと死にますね
あんなに人を殺す時に楽しそうに
笑みを浮かべていた凶徒達がです
怯えて震えてまるで被害者みたいに
振る舞うんですよ...
一度人の肉の味を覚えた
クマさんは撃ち殺して間違えないです
凶徒達の人権を訴える便腰達に
味方するクザを自害させ
家族や友人共々こうなりたいかって?
聞いて差し上げたら
顔を青白くさせて隠居しておりました
実験動物が増える見込みでしたが..
良い事もありましたよ
凶徒が軒並み減ったので
人の世界の発展が緩やかに
伸び上がりました
凶徒は役立たずで反吐がでるので
ほじくり出して駆除します
太陽で焼き殺す算段も
つけております)
(そう...問題なさそうね)
(最近では刑殺も完全に俺様の行いを黙認している様ですね
部下に聞いた話ですが
なんでも刑殺のトップの
娘さんを凶徒に殺されて
悲痛な思いをされたとか
まぁ趣味で凶徒を
虐殺しているんですが
表の人間が容認してくれるなら
ありがたい事ですね)
(続けてね)
(えぇ!!!
近々聖字架と
正面対決します
俺様が手に余る様で
国を無視して"塩"でまきますからね)
(塩をまく?)
(そうです!
掴んで粉々に砕いて凶徒にまくと
腕がもげて足が千切れて
まぁ暴行の真っ最中だから
面白いですよね
天国から地獄に堕とすの
あぁでもこの殺し方だと
襲われていた女性が軽く
トラウマになるので
それだけが難点ですけどね
最近では千切れない様に加減しますが
難しくて人間て非常にモロいですね)
(そうね、でも倶全君は大丈夫なのかしら?)
(こちらの世界で殺す時は
仮面と紺色のローブをまといます
とても綺麗な顔で素晴らしく
清き優しい心をお持ちなので
尊厳を第一に考えております)
(そう、あまり無茶しないでね)
(はい!あのその...
俺様!褒められて嬉しいです
人が安心して住める地球の為に
日々精進します!!!)
(よろしくー)
そう言うと彼の纏っていた空気が
優しいものへと変化する
(瀏はどちらで起こった事も
認識できる様です
それとこの状況を"目覚め"と
いうそうです
この別世界の人間の声が聞こえ
他の世界を認識出来る状態の事です
おそらくイムも目覚めたでしょう
無意味に私は失われていく命に嘆き
聞こえる様になりました)
私はきっと自分の弱さを悔いた時に
ゲイスダリゲードとカゲードを
手に入れた
集然は無意識に使っていた
(そう、目覚めのきっかけはそれぞれって事ね、あの二刀短剣の彼も
目覚めているかしら?)
(おそらく...あの強さは尋常じゃ無い)
倶全君はイムを心配そうに
見つめている
(そうよね)
まぁだろうね
あぁ...本が読みたい
このミリカンテアを知らな過ぎる
(俺がいるだろう)
剣がピョコンと現れます
(そうですね、この状況は目覚め
なのかしら?)
(そうだ、メイユールも目覚めているから今はもうこの世界に4 人)
(って事はルヴァイもなのね)
コクッと剣が傾く
(貴方は帰るって言ったけど
私は使えなくなるのね?)
(いやゲイスダリゲードと
カゲードは残る
俺は魔皇ミラース・ラーバ・ラーサとして永遠に残り続ける
向こうの状況はハツミには分からなくなるけど力が残るから安心して欲しい)
(それでどうなの?)
(こっちの世界かい
まず暗いニュースが無くなった
次々凄い道具が考えられ
実現していっている
やっぱし凶徒達は世界に
いらなかったんだ)
(そういう事
なら勇者も現れないわね
私もスッキリした
神々を殺すかもしれないから)
(検討を祈る
俺は最強の布陣を築いた所で
神々の夢キレ・ルイデさんの
強さに心折られ
結局滅ぼす事は出来なかった)
(父!?)
(全天と一騎打ちさせたら
全天が一撃しか耐えられず
倒れた、確信したよ
負けだなって)
(......)
(アルテンが気がかりだった
エルフの事だけお願いして
神々の攻略は断念した)
(だから父はエルフの里で
ひっそりと暮らしていたのね)
(俺とキレさんは
話し合って同士討ちという事で
歴史に残る様にした
魔皇と勇者はその時
表舞台から消えた
俺はその後ハツミリを創り出した
人を滅ぼすと俺は意気込んでいたけど
結局俺も人だった
止めてくれてありがとうと伝えた
娘の顔を見ぬまま俺の
魔皇ミラース・ラーバ・ラーサの
人生は幕を下ろした
最高の手下達とキレさんとその
綺麗な奥さんに見守られながら..
命をかけたからなハツミリには)
そうは言っても何処か
満たされている様に
清々しい表情をしている様に
感じました