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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
魔界観光編
117/263

第116階 魔界の天皇足る事

エルフの国に着くなり

全天さんと睨み合った私達

それは困り果てた全天さんの

困り果てた威圧だった

スソリフおばちゃんも

出て来て下さり

私達は歓迎の食事の席に

改めて御招きを受けた


スソリフおばちゃんの両隣に

全天さんと闇星ちゃんが囲う様に座る

アルテンさんは.....

忙しそうに料理を作って

下さっているらしい


並ぶ料理は星一族の戦士達が狩って来た

レア食材で作られた豪華絢爛な数々、

その想像を遥かに超えた

五感を刺激してやまない作品達に

ターキッシュちゃんも食欲が

湧いて今では笑顔が戻っている

フォアローゼズに命君も同様だった


シンガちゃんはニコッと

本当に美味しそうに食している

私は幸せを分けて貰った気分に

浸っていた

...勿論アルテンさんの料理は

とても美味しいのだけれども


「アオナよ、中々に食うのだな?」


「あら、全天さん!恥ずかしい」


「....元気があっていいと思うぞ」

全天さんの穏やかな表情は

とても新鮮だった


「えぇ、お褒めの言葉として

承りますわ」

私はニコッと笑みを向けて

パクッと肉汁が溢れ出ている

旨味が溢れ出ているお肉を頬張った


想像以上の美味しさに

皿はいつも以上に

積み上げてしまっていた

...恥ずかしい


食事も皆終わり掛けた頃

アルテンさん自ら運ぶ

白いバニラアイスの様な

デザートが並べられていった


「名付けるなら

天使の頰、まるで君達の様だ」


「我妻なのだが?」


「全天?私は持て成しの一環として

最適な言葉を選んだのだが」


ばちばちと睨み合う

全天さんとアルテンさん

懐かしむ様にフッと笑い合い

アルテンさんは配り終えて

厨房に帰っていった


サクッとスプーンが

自然と吸い込まれていく

積雪地に足を踏み入れたかの様に


「「「んんっーーー!!!」」」


もうすでに口にしている

悲鳴が色んな所から聞こえる


「おい!!!アルテン!!

足らぬぞ!!!!」

全天さんも無邪気に笑い

喜んでいた


私はそんなみんなを眺めながら

私自身の舌にそっと一口、

置いていった


サラサラと味が滲み出て

トロトロと溶けていく

アイスではあるけども

甘みが優しく気持ちを潤していった


「おいおいー、全部

食い尽くすなよー?」

そんな事を言いながら

アルテンさんは多めに盛った

皿を全天さんの前に差し出した


私はソッとスプーンを置いた

花の装飾品が入った

その小さなスプーンは会を

綺麗に彩ってくれた

天使の頰はサラッと食べれてしまった

7つぐらいね。



「食事は終わったが

席はそのまま外さんでくれ

伝えねばならん事がある

全員じゃ」

スソリフおばちゃんの威厳と優しさを

混ぜ合わせた様な声が部屋に響いた


皆黙るという事で応えた


「....形式的な事を行う」

座る皆の状況を一瞬で確認し

話を進めるスソリフおばちゃん

見事だと思う

私もいずれ自国の重役達と

こうなるのだから

学ばなくちゃ


「魔界の天皇についてじゃ」


静寂な場にとても良く響いた


「...そもそも魔界の天皇という

立場があったという歴史は

前魔界の天皇たる

魔皇ミラース・ラーバ・ラーサと

魔皇軍を讃えて別世界の偉人、

情報では"巨鬼のウシトラ"が

そう触れ回った事を起源とし

広まり定着していった事じゃ」


「「「「!!!」」」」


会ったからなぁ、フォアーローゼズは

びっくりしているよ、イム達

...彼が立役者だったなんてねぇ


「...じゃから余達がどうこういう

事ではないがミリカンテアの勇者

"アオナ・エカルラート"よ

魔界の天皇と成った後はどうする

つもりじゃ?

聞かせてはくれぬか」


私は一礼し、スッと立ち上がった

その方が伝わると思ったから

「私は今もおぼえています

姉が亡くなった日の事を、

私の姉アカナ・エカルラートは

世界に絶望し生きる気力を失いました

姉はその身に宿した神と共に

世界の流れの一部と成っています

私は!そんな姉が、姉の様な人々が

生きたいと思える世界を創りたい

だから魔界の天皇と成り

魔界の素晴らしい仲間達も

私の創る国に招待してあげたいのです

その為に私は協力者を

世界を巻き込める協力者に

会いに行ったのです

その過程でかつて魔界の天皇様に

助力した方々にお会いしました

私には力があります!!

でもそれだけでは国を創れません

どうか全天様、アルテン様

スソリフ様、ネクロミコン様、

マスカリア様、マテハ様、

マユナ様、イム様、命様、

ターキッシュアンゴラ様、

シンガプーラ様、

御力をお貸し下さい」


特にフォアローゼズ達は

コクコクと何度も頷いていた


「道は険しいやも知れぬぞ?」

スソリフおばちゃんは

陽だまりの様な笑顔を灯した


「えぇ、スソリフ様

それが私の生きる道ですから」


「そうか、星王と龍王は

どうするのじゃ?」


スッとアルテンさんが立ち上がった

「勿論異論は無いよ

我等三竜王も協力しよう」


私は深々と頭を下げた



「...いいか?」

全天さんの声に

皆が心を傾ける

そんな風に感じられた


「アオナ・エカルラートよ

我は魔皇以上を望む

それでも構わぬなら協力しよう」


「大変な望みですが良いでしょう、

私はそれだけの気概と自負は

持ち合わせております!」


「決まりだな?龍王よ

皇の塔まで送るぞ?」


「あぁ、無論だ」


「それと魔皇の神域に入る

正直我等でも何が起こるか分からん

出来れば、アオナ・エカルラート

1人で行って欲しいが」


「ネクロミコンは

連れて行けるようにしろ

魔界代表としてじゃ」


(私めが魔界代表!?)

ネクさんから魂が飛び出す

音がした気がした


「良かろう、アオナからはないか?」


「1つだけあります」


「許す、聞かせてくれ」


「はい、フォアローゼズは

連れて行きます、それと私は

ネクロミコン様を抱えて歩く訳には

行かないので命様に抱えて頂きます」


「承知した、それで良いのか?」


.....


「いずれ魔人達の王に成られる

御2人も同行をお願いします」


「どうするのだ?龍王」


「星王が拒否しても

私が連れて行くよ」


「貴公らしいな、

後は闇星も連れて行け」


カチャン...


「お父様!!!?」


「えぇ、承知致しました」


「新しい未来を担う若者

全てをという事じゃな

だいぶ柔らかくなったのぉ?」


「.....言ってろ」


「夫婦水入らずに

したいって事であろう?星王君」

アルテンさんの笑みが邪悪だ


「....なんじゃ、それは!!」


「後日、攻め入ってやる...」

全天さんとスソリフさんは

頰が紅葉していた


「ゴホン!冗談はさておき

闇星よ、剣士を目指す上で

アオナ・エカルラートとの同行は

最後のチャンスじゃ、しかと心得よ」


「はい、お母様」


「それでは、明日の

朝に出発という事で

今日はゆっくりしてくれ

後は緊張しただろ?

甘い癒しの飲み物でも

作ってくるから

一旦席を外して良いかな?」

アルテンさんがスッと立ち上がる


「構わぬよ、皆も話は終わりじゃ

待たれる間ゆっくりされよ」

移動を挟んで魔界観光編の最終局面、

魔界の天皇ミラース・ラーバ・ラーサの

居城"星闇宮"に

第120階より入城致します。


第119階は簡易的なキャラクター

紹介となりますので話は進みません

御了承下さい。

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