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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
魔界観光編
110/263

第109階 不死の国へ

物思いにふけっていた

スソリフおばちゃんの申し出で

私達は会食に招待された


「まぁ、侍女達はおるが...

ゆっくりしていって欲しい」


カチャ、カチャと

ナイフとフォークの音がする

闇星(やみスタ)ちゃんの食事作法は

とても上品で美しかった

私は恥ずかしながら、

にこやかに丁寧に教えて貰った

他のフォアローゼズ達と命君には

マテハが教えていた

ネクさんとターキッシュちゃんに

シンガちゃんも

流石というべきか弁えていた


「師匠はなんでも出来るんだ....」


「...王宮文化は初めてなのか?

これを機に取り入れてみるといい」

スソリフおばちゃんは終始

にこやかだった

小さい時と変わらずに


...............


「お母さん?こう?」


「キレっ!....」


「ん?なんだ?

ハツミにナティラもか?」


「うん....」

顔を赤らめるお母さん


「なんじゃ?、キレ...立ち上がる事を

許そうぞ」


「お?サンキューな」


「馬鹿者、そこは感謝致します

じゃろうが....ったく」


「感謝致します

お姉様!」

ニヒヒと笑う父


「馬!!馬鹿者ーーーー!!!!」

顔を真っ赤にして怒っていた

スソリフおばちゃん


結局終始口調とは裏腹に

物凄く楽しそうだった


..............


「して....ミコンよ」


「はい、黄金王様」


「余は承諾するぞ

魔界の天皇の件」

声が凄く響く

大きくもなく、小さくもなく

場に調和していた

これが魔界の黄金王としての

風格と威厳....

私はほのかに圧倒されていた


会食は静かに穏やかに過ぎ去り

終わっていった


スソリフおばちゃんから

明日は忙しいから

見送れないと告げられ

大事に至ってはいけないので

こっそりと城から出る事になった


話があるから

その後戻って来て欲しいと

添えられて承諾した


明日は不死達の国へと

フォアローゼズ達に話したら

魔皇の先生というレアキャラ探しに

大いに盛り上がった

私達は結局朝から不死達の国へ

向かう事となった


でも、「今は寝ようっと....」


おやすみ、みんな.......


.............


「ハツミっ

ハツミっ

起きてよ!」


ん?その声はお母さん?

どうしたの?


「....お母さん?」


.............


「ハツミぃ、私は

お母さんじゃないぞ?」


私の上にマスカリアが乗っていた

重さを殆ど感じない.....

本当に軽い!


「うん、マスカリアだよね....」


「起きてよ、あとは

ハツミだけなんだ」


「あーっ、うん...すぐ支度する」


あ....髪ボッサボサ!

手に薄く水を纏わせ整える

母がこの成分とこの成分は

髪に良いってキラキラしていたから

集めてと...


「支度まだー!?」

イムの快活な声が聞こえて来る


「ちょっと待って!!」


「もうっイム!イムぐらいだよ

朝の時間の必要性が分かってないの」

マユナの声が響く


「早い世界使うから待って!」


「そこまでしなくて大丈夫よ!」

マテハが顔をぴょこんと出す


「だよー、だってなぁ?」

マスカリアがニタニタしている


「...恥ずかしい....」


「ね・が・お」

マスカリアが悪戯な笑みを向けてくる


「...私はフォアローゼズの

寝顔見てて眠れないんだからね!?」


「あわわわ!!」

マスカリアがほのかに高揚させて

慌てふためいている


「クスッ」とマテハが美笑していた


「あっち行って...マスもマテも

可愛いから集中出来ない」


「分かった、行こ?マス姉?」

マスカリアはマテハに

抱きかかえられながら戻っていった


これが父から受け継いだ

親バカ成分なのかしら...もう

顔が少しだけ熱っぽいのは

気のせいだろう...多分



.......


カタカタ....ピーっ


「あぁ、3分たった」


ねぇ、それって即席ラーメンかしら?


「うむ、紅白超人の地球での

活動期間はもしかしたら

このラーメンに命をかけているのかも」


あーっ...やっぱり


「あら、それは第七世界の

文化かしら?」

マテハがちょこんと

ネクさんの横に座る


「ザッツライト!

その通りって意味だ

....グリモワ様が今一番旬な

情報だからまとめておく様にって

魔力にして送ってきたのだが

何せ膨大だ...追いつかない」


「大変なのね?」


「うむ...」


「応援してる」


「....うむ」

ネクさんはマテハと会話して

なんだか楽しそうだった

気分は若者と若者が会話しているのを

遠くから眺めている木の様だった

...結婚を控えた経験を積んだ

大人の女性の気分とも言える...

誰と結婚するんだろうね

私は.....


てか、マテハは背が伸びた!

会った時は小学生ぐらい...

というか私も成長したけどね!


クルーザーは今日も快適に進んでいた

眠気を誘うほどに

更に今日は不死の国へ人探しを兼ねて

ピクニックみたいな感じに

みんな何処かで緩んでいた



...うつら...うつらうつら


「眠っていて良いぞ...着いたら

伝える........,」


「うん...,お父さん......」


「う..む....」


...


....


......


「はーつーみー!!!」


ん?


「ふわぁ!!!」


「どっしたの!?」

イムが驚いている


「..脅かさないでよ

美少女2人が...ってか

マスカリアみたいになっていない?」


「甘えるのは私の

専売特許じゃないぞ?」

顔をそらしているマスカリア


にひひと笑う

ターキッシュちゃんとイム


「私も今度試してみよう」


「マテハまで...」


そういえば母もこんな感じだったっけ

.....小さい頃は逆だったのに

飛べない頃は.....



「さてと、起こしてくれてありがとね

お二人さん」


「うふふぅー、ミコンさんに頼まれたよ?

イムと一緒に遊んでいたら」


「そう、紳士なのね?ネクさん」


「....うむ....」


なんで赤くなってんのさ!


「ネクさん赤い本じゃないよね?」


「いや....その....」

ネクさんの歯切れが良くない


「ミコン、ハツミの事

好きなの?」


目がとても大きい

シンガちゃんが興味津々だった


「ダメ...シン!!...

愛は2人のものなのよ!!」

ターキッシュちゃん?


「その...,」

パラパラとページが開かれる

"She is so cute."


「あら...」

マユナが口を抑えて驚いている


「あー、成る程ね...ハツミが可愛くて

起こすに起こせなかったって

ところかしら?」

ネクさんがマテハから目を逸らす


「そ.....ありがとうね

ネクさん」

私はニコッと彼に微笑んだ


ネクさんがその後どんな表情をしていたかは私は見ていない

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