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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
魔界観光編
106/263

第105階 未来の主神

悪魔の国の魔王様

ヴィー様に女子会に誘われた

私達はオーダーメイドスーツの

話からブランド立ち上げの空想話で

盛り上がっていた


「それでしたら私は

皆様の作られた御洋服達を着て

御披露目したいですわ!」


「ヴィー...それ女の子達の

憧れじゃん」

ターキッシュちゃんに突っ込まれた

ヴィーさんは苦笑していた


「...国を作ったら

それも初めてみようか?」


「「「「え!?ハツミ!!!」」」」


「うそ...ブランドを

立ち上げるって事?」

マユナが身を乗り出す


「えぇ、フォアローゼズは

とても強い力を秘めているから

戦闘服を自作してもらって

そしてその一部を流用して

生産して売り出す

私は凄く良いと思うよ?

...でもデザイン性とかは

亜人の国に行って

ターキッシュちゃんや

アビシニアンさんに

教えてもらってからって

ことにはなるけどねー」


「「「「やるー!!!」」」」


「私で教えられるかなー」


「皆がお邪魔したらよろしくね

ターキッシュちゃん!」


「...うん」

ターキッシュちゃんは

何やら恥ずかしそうに

返事を返してくれた


「悪魔国でファッションショーなんて

良いですよね、

例えばアクマ・コレクション...

アク・コレなんて..ねぇ、ヴィーさん?」


ピクッとヴィーさんの耳が動く

「えぇ、そうねぇ是非とも

お願いしたいですわ!!!」

私は勢い良く手を握られた

凄く嬉しそうなヴィーさん

ヴィーさんのこの笑顔から始まった

アパレルブランド立ち上げの話は

私達の心を大いに満たした


シンガちゃんも幼子ながら

目を輝かせていた

彼女ももう女子なのである


命君が

「ボクはマテハに協力するね」と

言っていたのはなんともいえず

それはそれで可愛いかった



「アオナ様?」


「うん?」

立ち上がって自然と近くにやって来た

ヴィーさんがくいくいっと服を摘む


「...報酬の件で交渉させて頂きたいので

2人でお話し出来ますか?」

小声で語り掛けてくる


「良いわ」


ニコッとヴィーさん


「皆様!」

私以外がヴィーさんの声に振り向く


「これからアオナ様とは

魔界の天皇に関する

重要なお話がありますので

場所を移しますが!

生チョコのケーキが

出来上がりましたので

お召し上がりください!!

その他何か御座いましたら

何なりと申し付けて下さいね」

ニコッと微笑むヴィーさんと

裾を掴み礼をする臣下達


部屋を出る私と

ヴィーさんの動向を

マテハだけは

戸が閉まるまで気にしていた


案内された私は無階段の

永い永い廊下だった

通常の感覚では真っ直ぐ

歩いていると認識が

与えられるのだけれども

実際は地下に地下に深く進んでいる

迷いの森に似た幻惑魔術の類のよう


「あなた様が求めている"もの"は

この魔界でも有数の秘匿事項ですわ

....何故知っておられるのかというのは

愚問でしょう、なにせ

あの魔王グリモワールの息子の様な

右腕を貸し与えるという事は

魔王グリモワールにとって

同格かそれ以上であるとしか

考えられないわ」


「あら、悪魔やっているわね?

ネクロノミコンは貴女と

同格の次元で生きているわ

まぁ、お気付きかもしれませんが

あの男の子"命"君は貴女程は

"生きていない"わね

分かると思うけれど

人世界の年数とかではないから、

魔界の者達に与えられた重みは

一応は同列だけれども

魔界の天皇に龍王と星王は

確かに次元が違うわね

特に前魔界の天皇様は

貴女達が重きを置く程の

"何か"を持っているわ」


「..........して、どうするつもり?

数億種類の同胞達を葬り去った

神の抜け殻を!!!」


「それがあるから襲って来たのよ

あのフードを被った輩は」


「な....ん....ですって!?」

表情が強張るヴィーさん


「この魔界にある文明よりも

遥かに発展した文明に最教って

宗教団体が発足するの

その主神ね、名はオドゥ」

大きな広間に私達が米粒の様にも

感じられる程に大きな水晶が

光り輝いていた


「.....これは

かの魔王グリモワールや

魔王グクマッツ、

そして魔王スソリフでも

手が出せない代物よ

此処に置いておくしかないのよ

多大な犠牲を払って打ち倒した

先代剣皇ももういないし」


「先代剣皇?」


「ルヴァイに負けた魔界の英雄よ、

魔皇騒ぎの前は

皆がよく伝説を語っていたわ

でも剣皇を継いだ者が

私の母上含む前魔王

7人を討っている

そしてその剣皇を討ったのが

今の魔王達よ!」


「ごめんね、辛い事

思い出させちゃって

でも、これ私なら壊せるわ!」


「え?.....魔法が弾かれるのよ?」


私はニコッと微笑んだ

「魔法は言語の発展と共に

進化し続けた技なのよ

長い長い詠唱から簡略化していく

歴史がある様に

でもね、分かると思うけれど

文字で表すには限界があるのよ

魔法というのは文字という文化が

限界点を表すのよ

それが星や宇宙の文化にとっては

真理ではないのよ

だからこの水晶は文字という

文化以上の類が関わっている

だから魔法は通用しない

もし、フィーリングとか感性で

魔法が起こせるとしたら

それは宇宙や星に通じるのよ

それを起こしていくのが王や天才と

呼ばれる人達よ」


「......魔法には言語を超越した

手法があるって事なのかしら?」


「ものは試しね、これ貰って良いわね?砕くけど」


「....いいわ、どの道処分に

困っていたのよ」


私は左手に闘剣「無神」を握った


「何故....?その剣から異界の神々を

感じるわ、恐怖と共に」


私はヴィーさんに微笑みかけた

「異界の神々は次期魔界の天皇に

ひざまずいたのよ、ただそれだけの話」


「え!?それにちょっと待って!

水晶が震えている!!!?」


「逃げられる訳ないじゃない

私は持っているのよ.....

弱者の心を蝕み追い詰めた

悪人達が生み出した闇の技術を

私は体得しているのよ

それが悪人達に牙を剥かないって

ルールは誰が決めたのかしら?」


水晶は一際輝き出した

「(@¥/-&@):/&);&;/.,(?&;?&);!ッ...........」


...ふふふ、高度転移魔法ね

ワーーーーープ!ッ

ってところかしら?


「発動した魔法から

エネルギーを吸収している?

その剣が!?」


「再度発動するだけの構成力以上は

吸収しているつもりよ、神オドゥ?」


「おのれ.....神に死は無いぞ

虫ケラ!!!!」


「次元が違う......異界の神々よりも

遥かに強大な力.....くっ.......」


「ねぇ、私は臆してないわ

だから、魔界の天皇に足りたのよ

あの娘は私の友人なの

傷付けたら地獄を見るわよ?」

ヴィーさんに私は微笑んだ


「う....ぬぅ!!!???

なんだ!!!?ただの

虫ケラじゃない」


「アオナ様?....その魔力は.....一体」


水晶が笑みを浮かべた様な気がした

「七曜以上だな?」


「そうね、対象が弱過ぎるわ」


「......生きたのか、子等は....

そうか、私の宿願は地獄の果てに

叶ったのだな.....」


神オドゥはその魔力を

全て吸収されて消失していった

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