第104階 アールグレイがほのかに香る
悪魔達の国
"ラピンコイスヤ"に襲い掛かった
セクス・フトゥールム軍は
私も助力し退けられた
そんな中、ネクさん達が到着する
「.....馬鹿者!
魔獣の国の第一、第二王女も
一緒ではないのーーーー!!!!!」
ルチアーノさんは舌をペロッと出して
悪戯大成功と仲間の悪魔達と
ハイタッチをしていた
「はぁ....」
ヴィートさんは小さな溜息を吐いた
とても顔が赤い
驚きの余りに叫んでしまったのだから
とても恥ずかしそうに悔しがっている
「....遠路遥々、長旅御苦労であった
私が悪魔達を治める
魔王ヴィート・シチリア
そして、我が国を救って下さった
アオナ・エカルラート様です」
ヴィートさんは顔がまだほのかに赤い
「おねぇちゃん」
ターキッシュちゃんが呟く
「お久しぶりでございます
魔王ヴィート・シチリア様
此度の件は次期魔界の天皇たる
御方であらせられます
アオナ・エカルラート様を
紹介させて.......?」
ネクさんが言葉を詰まらす
ヴィートさんは目を
ギンギンに開いて驚いていた
ルチアーノが不敵に笑みを浮かべる
「ル、ル、ル、ル、ルチアーノ!!!!!!」
「魔王!愛の囁きは
あとにしてくれないか?
今は公衆の面前である」
真面目な表情で
たっぷりと揶揄われ
ヴィートさんは顔が
再度真っ赤に染めていく
「......悪魔軍は魔王様に
情報を隠蔽されるのが蔓延
されておられるのか?」
ネクさんがむすっとしていた
「君こそ...なんだ?
ふ、笑わせてくれる
魔界の天皇様はこの魔界で
最も気高く強い
人の少女に務まるの.....?」
悪魔達はゾワっと震えた
私はお話しを早く進める為に
ほんのちょっとだけ魔力を
開放してみたのだった
「.....滅多な事は口にしない方がいい
それと御一行は妹達なのでな」
「.....アオナ様が、次期魔界の天皇と
いう事なのですね!」
そう言ったヴィートさんの横で
ルチアーノの顔が震えていた
カタカタと動きながら
ニコッと微笑む私を覗く様にして
確認している
「....妹達に何か言いたいの?
喧嘩なら買うわよ?」
私はルチアーノさんにニコッと
微笑みを送ってあげた
「ひぃ!」
ドサっと尻餅をついたルチアーノ
「....気持ちは分かる
だが恥ずかしい事じゃない
悪魔軍の闘将軍殿!
だけど魔界では正しい
次期魔界の天皇候補様は
異常なまでに強いからだ」
静かにルチアーノさんに
語り掛けるネクさん
「それにしても!ヴィートさん!
こんなに可愛らしい方が悪魔達の王様なんて
上手くやって行けそうだわ!」
私はヴィートさんをまじまじと見つめた
「はい、私もです!....そうですわ!!
紅茶で御茶会でも致しません事?
魔王グリモワール様より譲り受けた
茶葉がございますの!」
私達女子達と命君はヴィート様に
催促されて魔王城で
一番の客間に案内された
ネクさんはルチアーノさんに
別の部屋に連れられていた
すすすす....
エプロンに着こなした
少女悪魔達が紅茶を注ぐ
「ヴィーちゃん、カフェ店員さんの
衣装すっごく気に入って!
それで直属の仲間?には
着せているんだよねー」
とはターキッシュちゃん
「スーツの様に清楚でシンプルで
洗礼された動きがとても素敵ですわ
それでいて親しみやすい...
パーフェクトですわ.....
それでは皆様"アールグレイ"を
御楽しみ下さい、それと皆様!
お友達になって頂けませんか!」
「良いよ〜!」
「こちらこそ!」
「もちろん!」
「はいは〜い!」
フォアローゼズは
それぞれに返事をしていた
「ボクも良いのかな?」
「あら、可愛いらしいですね!
良いですよ!お名前は?」
「命だよ」
「よろしくですわ....?
私はヴィーと呼んで下さる?
皆様もどうぞ!」
気付いた...流石に魔王ね
「それに致しましても
ターキッシュはいつも御召し物が
とても可愛いですわね!」
「うふふ!...お母様が
オーダーメイドしてくれるの
私の為に作ってくれるから
沢山お話聞いてくれて!」
「私達が特注させて頂いた
スーツもオーダーメイド
でしたわよね!」
「うん!クロヒフキオオトカゲの
伸縮自在の皮を加工して編んで作った
火にも強く変幻自在の戦いに
対応出来るようにだったよね!」
「そうですわ!
とても重宝しております!
火への抵抗力が高いのは勿論の事
動きを阻害する効果も無く
更には気持ち程度に水と氷も軽減する
ファミリーの正装ですの」
ヴィーさんは凄く嬉しそう
「イムも作りたいって
最近良く話すの!ねぇー!」
「へへへ」
イムが照れてる
「...私も作りたい
ブランドとか作って売りたい
モンスター狩りまくって!」
マユナはやる気だった
「凄く素敵ですね!」
ヴィーさんもキラキラしてる
「...それ、私も乗った!」
マテハが食い付いてくる
「ブランド...?」
マスカリアが首を傾げる
「例えば、マス姉の
マスカットって意味だよ」
イムが説明する...
「おぉー、そうなのか?
なんか面白そうだなぁ」
まぁいいか!
「ブランド名決めてるんだ〜」
「えぇ!?マユ姉!教えてよ!」
イムが身を乗り出す
「ヴィットリア・セグレートって
名付けるつもり!
何処でもいつでも身に付けられて
どんな危機からでも救ってくれる様な
洗礼されたシンプルさを
目指したい!」
マユナはきっとずっと
興味があったんだなと
「「へぇー良いなぁ」」
イムとターキッシュちゃんが
特に聞き入っていた
「おぉ!そしたら私は
カラフルなのが楽しいと思うなぁ」
マス姉も名前!ブランド名考えなよ
イムに言われてそうすると笑っていた
「...私もマユナに負けない様に
考えておくよ」
「うん、お姉ちゃん」
双子の姉妹は笑い合っていた