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魔皇の魔法とハツミリア  作者: 道草 遊者
魔界観光編
104/263

第103階 父の戦術

残酷シーンあり

聖獣達の国に別れを告げて

私達は悪魔達の国へ向かっていた

その道中、非常に強い死の臭いが

感じられ厳戒態勢で私1人で

先に悪魔達の国に降り立った


「ぐわ!!!」


「ひぎぅ!!!」


私は傷付き倒れる

悪魔と思われる者達への

刃を退けながら国の

中心部へ向かった


道中殺したのは人に人、人だった


「あらぁ?お嬢ちゃんも

悪魔の1人?」


私は一際目立つ王城の

玉座の間に足を踏み入れていた


「えぇ...そうね、フトゥールム」

そいつは浮かんでいた

青く輝く水晶の様な色で

染まっていたフードを深く被り

小さな三日月の様に口元を緩めた


「そ、2人というか

龍髭と呼ばれる

黒髭海賊団を探しているの

知っていたら教える事ね」

襲いかかろうとしていた

強靭な悪魔達が吹き飛んでいた


魔王(ドン)...ヴィートよ永遠に」

ガクッと悪魔達は項垂れた


「エドワードとティーチは

見つかったのかい?」


「!!!」

まさか探している...?


「今手当たり次第当たっていますわ

お母さ.....!!!!!?」


「へ.....?」

ズパッと割れるお母さまと

呼ばれた全身鎧の構えた刀


私はフトゥールムに

蹴りを加えて吹っ飛ばし


お母さまと呼ばれそうになった

全身鎧の首元に剣の刃先を突き付けた


「貴方何かしら?無礼ね」

威厳と威圧、

そして怒りの篭った声が発せられる


「エドワードとティーチ

いえ、黒髭海賊団は

次期魔界の天皇軍に滅ぼされたわ

とてもとても弱かったそうよ」


全身鎧の女のもう一つの刀が抜かれ

私に刃が向かってくる


「素手...?」

吹き飛ばされた

フトゥールムが驚いている

私が斬撃を左手で

無傷で受け止めたからだった


「...ふふふ、今も拷問を

受け続けているわ、

兄弟の悲鳴の旋律は

とても素晴らしいものよ?」


「ゴフッ...ハァッ!!!」

私は蹴り飛ばした

握っていた刀を握る力が失われ

地面に転がる様に叩きつけられ

のたうち回っていた


「龍髭に関わらないなら

生かしてやってもと思ったけれど

ダメね、あんたら人を殺し過ぎよ

あんた達がこれ以上生きても

利益が失われるだけだわ

....フトゥールム、貴女の負けよ?」


「...私はセクス・フトゥールム...

殺したければ殺せ」


「.....次もお願いね?

死体提供、ふふふふふ」


「「ぎゃあああああああああああ」」

黒髭海賊団を思い慕っていた人々は

業火で焼かれる様に切り裂いた

血が炎の様に吹き出

悪魔達でさえ、目を逸らしていた


そう、いたの、物凄い悪魔が

私っていうね


......


「ねぇ、お父さん!

どうしてそんなに苦しめて殺すの?」


「....ハツミ、この魔物はな

強い、もしだ、俺がいつもの様に

真っ正面から戦ったとしよう

俺の剣をすり抜けてハツミを狙う

力量がある魔物だからだ」


「うん?」


「ハツミ、きっと分かる

何が一番大事か?自分に問うんだ

その時にあえて鬼に成る時も

たまには必要って事だ」


父は笑う

「それも戦術のうちだ」


.......


赤い鮮血が床と戯れていた

踊った肉片が疲れて床に項垂れていた


「必要なのはこの先よ

お前らを殺す事によって

お前らに殺される予定だった

者達が生きた

生かすべきを生かし

殺すべくを殺す...

それは大いなる人の世の発展に

必要不可欠な事

それを知らなかった

愚かな先代を生きた王達は

生かし続けた

人は皆生きる権利を持つと謳った

夢物語に

ねぇ?夢幻?」


「ぐ....」

フードに隠れた顔が

苦痛に歪んでいるのは分かる

心の痛みで

私の剣は彼女の首元に添えられている


「死体提供ならまた来なさい

...私を殺すつもりなら

他のフトゥールムの様になるわ!」


「...どうして!?殺さない!!」


「どうしてって...

偉大な王と称えられた

貴女方を殺すと私は討たれる....わ

人の為に王となった者達を殺すのは

悪行よ、さぁ、逃げて?」


彼女は唇を強く噛み締め

去っていった


「...我が名はルチアーノ

不躾ですまないが悪魔の国を

あいつらから救って下さったので

お礼がしたい、貴女様は

私共の味方でしょうか?」


「そろそろ、貴方方でも知っている

あの方が到着するわ、

さぁさっさと綺麗にするよ?

私への報酬はあとからね?

ルチアーノさん?」

全身を黒で包み漆黒に溶け込む様な

悪魔のルチアーノさんは

困惑した様子だった


「そうね...お客人が来ているもの

早く綺麗にしなさい!

ルチアーノ!!!」


ルチアーノさんは

クルリと振り返り頭を深々と下げた

「直ちに、魔王(ドン)・ヴィート」


そこにいた少女は

金髪碧眼に

黒スーツを身に纏っていた


「我が国へようこそ

あなた、とてもお強いのね!

闘将軍と自国で恐れられる

ルチアーノが覚悟を決めてって

進言した時は色んな意味で

ゾクッゾクッしたわ」


「.....うん、

私はアオナよ

女王であるアカナ・エカルラートの

実妹」


「あら、アカナ・エカルラート様は

存じ上げていませんわ....

あぁ、ミリカンテアの和泉国に

確か....そうですわ!

そうですそうです!」


「思い出してくれたのなら嬉しいわ」


「私はヴィート・シチリア

この悪魔の国である

ラピンコイスヤの悪魔達の王で

ございます、それで、アオナ様?」


「何?」


「報酬は何が宜しいでしょう?

ルチアーノとお話しされて

おりましたよね?」


「.....神の抜け殻みたいなの

あるでしょう?」


「!!!!」

ヴィートさんの顔が凍り付く

「....あとで聞くわ」



魔王(ドン)・ヴィート!

魔物の国のネクロノミコンです」

ルチアーノさんが何やら

部下より報告を受けていたのを

チラッと確認していた


「...ミコン様が!?」


「何でも、魔界の天皇候補が

見つかったとかで魔界の魔王達の

国に訪れているとかで」

ヴィートさんは困惑していたけれど

表情を戻した


「...綺麗になったみたいね」


「はい、勿論でございます」

ルチアーノさんの取り巻きが答える


「ルチアーノ、呼んで下さる?」


「かしこまりました

ネクロノミコン様御一行を呼べ」

ルチアーノさんの声が

異様に快活に響いた

....不敵な笑みを残して


「ハハ!!」

部下達は綺麗に深々と頭を下げた

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