第99階 友達の友達
聖獣達の国の魔王職に就く
グクマッツ魔王は
実は転生者の1人で
地球では神ククルカンとして
生きた人物でもあった
私は1人玉座に残された
しかし話は纏まらず
魔王様と戦闘に至る
「余のウロボロスに
魔法は効かぬぞ!!!」
私はニヤッと小さく
笑みを溢れ落とした
...............................
「ハツミを試す.....?
私でさえ軽くあしらわれるのに無謀ね」
マテハは驚いた表情を隠さなかった
「...魔王だからな、ノリでいけば
魔界の天皇に成ります!!!
どうぞ!どうぞ!って
感じにはなるんだけどさぁ
グク兄は魔王になりきるの
大好きだからなぁ〜」
ゼムさんが鼻を鳴らす
「グクは色んな者達と交流して
過去の遺憾なんてすり減っている、
さっきも話したろ?」
ネクさんが"木っ端微塵"のページを開く
「全世界崩壊」
マユナは唇を強く噛み締める様に呟いた
「正直、魔界の住人にとっては
関係無いけれども
生きている温もりを宿す
君達4人には....あ、5人かな?には
また起こる可能性が無いとは
言い切れない」
ネクさんは"比較的低い"のページを開く
「それに、あの黒い甲冑の奴に
魔物の国を襲った2人の女!
あいつら臭うんだよなぁ!」
「ゼムの鼻はこれでも良く効く
それに現存する地球に
それらに関する情報が断片的に
残っている可能性がある
何せ人間の強い"意思"までは
発展した人間の御業でも
滅ぼせる筈もないのさ
だけど私はハツミは何かしら
強く絡みついた糸の中に
いるような気もするんだ、
これは私の推測だから
気にはしなくていい」
「....そうだね、ハツミは
"何か"知っているよ
それでもそれは私達の
得にならないから語らないんだと
私は思うぜ?」
マスカリアは小さく微笑んだ
「君達の魔法も人間の御業に
非常に良く似ている
御業以上の御業だけど」
ネクさんは笑みを灯して答えた
「集然ね?....確かに便利過ぎるわ
これ一つで何だって出来ちゃう
食事に洗濯、着替えにお風呂...
隕石を豪雨の様に落とす事も可能ね」
マテハはにこっと無邪気に笑う
「裏を返せば、君達以上の事を
あのアオナはこなせてしまうという
事も含んでい......!!!!」
ネクさんが大きな力に気付く
コクっとゼムさんも頷く
フォアローゼズと命君、
ターキッシュちゃんにシンガちゃん
そしてカドゥにケリュも頷いた
................................
「あー、そういえば貴方は
魔王を名乗る神様だったわね?」
べギィ!!!
ボギャ!!!
「......余のウロボロスが
こうもあっさりと....
魔法を無効化する金属を
新たに創って搭載させたというのに」
「あら?全知全能ね?
久しぶりね.....神の能力は、
でも、それ範囲狭いと思わない?」
「範囲が狭い...だと?...
余は十分だと思っていたが
そうか効力範囲外の世界から
攻撃しているんだな?」
「御名答!でもね
別に貴方が全能の世界で
戦っても問題は無いのよ、
単純に効率的で楽なのよ」
「そこにいる様でそこにいないか、
何ともいえんな....
まぁでもよくも余のウロボロスを
数万体もスクラップにしてくれたな?」
「捨てに行くの面倒かしら?」
「構わないでくれ、
余はいつもゴミ捨て当番だからな
それにしても異様だな」
周囲には押し潰され小さく圧縮された
メタル化されたヘビ型のサイボーグ
ウロボロスの残骸
「何がよ?」
「その細腕で
力でねじ伏せるなんてな」
「少女だからかしら?」
魔王には敵意が感じられない
あれば"全神斬離"の為に
吸収しようかと思っていたけれど
「全く、正体が掴めない以上
やりにくいな...」
「二刀流?」
にこっと笑う魔王
「二刀流なんてかっこいい事
言わないでくれ
余は単に二本使うだけだ
それに左右対象の完全一致でないと
一振りには劣るのでね」
「予備と隙を叩く気ね....」
「君は二刀流なんだね?」
「面倒だけどね、自身のクセとか
考えてバランス整えるの」
私は笑みをこぼしていた......
カラン....カラン.........
「..........!」
「剣が無くなれば
戦闘不能でしょう?」
地に転がる魔王の二本の剣
「.........恐れ入りました」
「うわああああああああああ!!」
「悔しいのは分かりますが私達が
入ってくるなり泣かれても迷惑です」
「冷たい事言わないで
聞いてよ、フラカン!
かっこよくキメるつもりだったのに
剣を握る前に落とされてしまって」
メガネがキリッと光る
「そう....ですか」
レイピアの持つ部分を
綺麗な細い指先が静かに撫でる
「魔王グリモワールと渡り合った
.....グク兄でもそれだけの差が」
「でも、そうかもしれないよ
魔王の一角であるこの魔界で
666を名乗る事を咎められない
皇帝蛇大公を弄んだ
黒い甲冑を退けたんだから
少し重い現実と受け止めれば
問題ないじゃないか
魔界の天皇とはそういうものだよ、
星王や龍王はどうだったかい?」
「ミコン、お前はそれで
納得出来るのかよ」
「ゼム、龍髭によって
魔界は一度死んでいる
星王でも共闘せん限りな」
「わーってるよ!!
でもグク兄!相当強いんだぜ
それがそのよ....」
「負けて悔しいの?
でも私達には剣も魔もある
納得出来ないなら
言葉で無くて力に変えろと
私は師に教えて貰った」
マユナはシンガちゃんの
頬をふにふにしていた
「....ふぅー、悪いな
そうだな、強くなれば良いんだな
俺がもっとそしてグク兄を
鍛えなおしてやる」
「馬鹿言うな!ゼム!
僕はお前に負けた訳じゃないぞ?
次期魔界の天皇に負けたんだ!
取り乱してカッコ悪い所を見せた、
強くなるきっかけをくれてありがとう
そして合格だ
ミリカンテアの勇者とその御一行よ
良くぞ、僕の聖獣達の国"シセエ"に
お越し下さいました
好きなだけ、歓迎致す
....ダチのダチはダチだぜ!
なぁーっ!!!ぜムゥ!!!」
ワンっ!!!と尾を振りながら
ゼムさんは答えていた
「ダチじゃないけど、でも
特別だ、恋でもねぇけど」
ゼムさんがグクさんに
すりすりされながら困っていた
「相変わらずだなぁ
みんなで友達になっちまおうぜ!
ここにいるやつら全員で!
折角会えたんだ、いついなくなるか
分からねぇ....面倒クセェんだ、
仲間ハズレなんて、だって
死ぬんだぜ?」
俺は断じて死なん!!!と
ゼムさんは強く吠えていた
「ねぇ、フラカンさん
人懐っこいのが....」
私もつられて笑みを貰った
「えぇそうですよ
グクマッツ魔王で御座いますよ」
嬉しそうにフラカンさんが
満面の笑みを浮かべていたからだ