表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/239

歌姫の帰還

マクシミリアン将軍の視点

短いですね

 フィオレティシア様が消えた。


 そう内々に報告を受け、私は幻影の迷宮へと向かった。


 嫌な予感が止まらない。フィオレティシア様に、真実の一部・・を告げたことは過ちであったのだろうか。しかし、それでも……ファントムロードがいるのがいるのであれば大丈夫のはずだ、とそう考えていた。


 しかし、この幻影の迷宮を調べていくうちに違和感を覚えていた。最初は時代の変化かとも思っていたが次第にその違和感は大きくなっていった。


(何が起こっている……?)


 幻影の迷宮の秩序が乱れている……これも少し違う。無秩序を秩序とし、人には理解できないような価値観で以て再統制されていくような。そう、まるで首をすげかえた国家を見ているようなそんな心地だ。


「!」


 一瞬、耳に入ったものの危機を察知してすぐさま耳を塞いだ。


 危機察知。指揮官のスキルの一つで、自らに不利な攻撃や罠を自動オートで察知して回避行動をとる。


 気を抜いていたつもりはない。が、正体を見極めてからでは遅い現象というのも存在するため、欠かすことは出来ない。


(音……いや、これは歌声?)


 事実、正解だったようだ。一瞬だけ耳に入ったものの、頭を揺らされているように響いてたまらない。


(引きずり込まれる……!)


 自らの意思を放棄してしまいそうになる。虚無の彼方へと誘われるように、心の中が暗く暗く冷たくなっていくような……


 私は…………自らの顔面に拳を叩きこんだ。


「ふぅ」


 よし。耳栓を取りだして、気合を入れる。


「長居は出来ないな」


 視界の隅に入ったのは、この迷宮に入り込んでいた学園の生徒たち。皆、目に光を失い、奥へ奥へと向かっていた。


 やはり、この歌声は迷宮の奥から? それに、こんなことが出来るのは……しかし、そんなことを誰が許している?


「何をやっているのだ…………ファントムロード」


 私は誰にも聞かれていないことを確認しながら悪態を吐いた。


シオンがへたれていたせいで想定以上の最悪の事態に

次回、とうとう歌姫の呪いの真実が明らかに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ