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久々の全員集合

 リリエットを連れ、踵を返して王都へと向かう。


「変な感じよね。離れてからそんなに経ってないのに、随分と待ち遠しいっていうかね」


 そうだな。何だかんだでずっと一緒にいた仲だったし。俺は順番とはいえ皆と会いに行ってたわけだがリリエットたちはそれに輪をかけて、そういう感傷があるだろう。


 王都について、とりあえず王城に向かう。皆そこにいるはずだ。


「お久しぶりです。我が主」


 俺たちをまず出迎えたのはクロードだった。


 その姿はマスコット羊モードでもなく、さりとて悪魔のそれとも違う……?


 ああそうだ。角が無いんだ。擬態?


「そうですね。悪魔が堂々と市井を渡り歩くわけにもいきませんから」


「そっか。大丈夫、なんだよな」


「ええ」


 そっか。それなら大丈夫だな……なんて安心はしない。クロード割と無茶するし。


 主として、気を配っておくとしよう。俺が言えた義理かとか言わない。


「シオン、久しぶりだね」


「おーシオン、おひさー」


 アスタとおっちゃんもどうやら無事着いたようだ。


「やっほーみんな、ひっさしぶりー」


「ひゃ!? り、リリエット、いきなり人の胸を揉みしだくのはやめろ」


 リリエットもリリエットで交流を深めているようだ。


「イリューシオン様、お久しぶりです!」


 と、元気に声を掛けてきたのはマリアだった。


「マリア、何だか久しぶりだな」


「ええ。何だかお久しぶりですね」


 何だろうなこの会話は。とお互いに笑い合う。


「さて、それでは私はそろそろ失礼いたします。大方はこの王都の方々が上手く取り計らってくれているようなのですが、やはり私自身がやっておきたい部分もありますので」


「あ、クロード様、私も」


 マリアも追随しようとしたところでクロードは首を横に振る。


「マリア、あなたも主役の一人なのですから。素直に祝わせてください」


 やれやれ、とクロードは悪戯な笑みを浮かべる。


「クロード様……あの! これからもご指導ご鞭撻のほどを、どうか!」


「……よい心がけですねマリア。ええ、もちろんですとも」


 クロードは一瞬、呆気にとられながらも笑顔を浮かべ、去って行った。




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