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何をやってるんだ君たちは

 翌日。二人(?)の旧き支配者ダンジョンマスターによってもたらされた騒動も一段落し、その解決の際の約束の通り、俺とスレイ、それにペンドラゴンはマクシミリアン将軍指揮下の軍部を訪れていた。


 案内されたのは演習場で、既に整列するマクシミリアン将軍の屈強な部下たちの姿があった。


「ふわぁ……」


「寝不足か? あまりだらしのないところを見せてくれるな」


 欠伸が出てしまった俺を、隣に立っているアルトレイアが咎める。


 ペンドラゴンはマクシミリアン将軍と一緒に準備に向かって、俺とスレイはアルトレイアと……


「何で僕まで……」


 一緒に、というよりも首根っこ掴まれて連れてこられたリオンと合流した。


「そう言うな。リオンが何かと理由を付けて中々こちらに寄りつかないから、皆寂しがっていたんだぞ」


 そういえばリオンも昔からアルトレイアの婚約者という立場で訓練受けたことがあるとかいう話は聞いたような気がしたな……正直あまりいい思い出でもなさそうだったが。


「よー王子! お嬢に振られたんだって? だらしねーなー」


 どこからか、からかうような声が飛んだ。


 声のした方向に振り向くと、そこにいたのは傷だらけの軍服を胸元開けてラフに着こなした男だった。


「あはは、まあアルトレイアが幸せならそれでいいと思うよ。うん」


「他人事だなおい」


 そしてそれに呼応してぞろぞろと周りに人が集まって来た。


「ていってもさぁ。皆だってアルトレイアを貰ってくれとか言われたら困るでしょ正直」


「まーなー。お嬢は俺らにとって女とかそう言うのと違うし」


「隙が無さすぎるんだよなー、王子に関わらず俺らも色々小言言われること多いし。いや、うん、帰って来てくれて嬉しいけどな」


「綺麗だとは思いますが……そのせいで抜けないと言いますか」


「……お前たち」


 アルトレイアの身体がぷるぷると震える。


「ハッ! お前ら何もわかってねえな」


「だれだおめえ」


「あー彼は、シオン。アルトレイアの好きな人」


「へーこいつが」


「な、シオン! 何す……」


「アルトレイアは俺に言わせれば可愛いしエロいからな」


「何を言っているんだお前は!」


「バカな! あのお嬢どうした。ちょっと可愛いぞ」


「ハハハ、今さら後悔しても遅いからな! 精々自慢してやる」


「上等だ。お前ら! こいつのこと思いきり可愛がってやろうぜ!」


「……何やってんだこいつら」


 俺とマクシミリアン将軍の部下たちの語らいを横目に、スレイが呟いた。




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