アルトレイア合流
さて、あとはアルトレイアと合流してマクシミリアン将軍の指令をこなしがてら王都見学と行きたいところである。
「で、アルトレイアはどこにいるんだ?」
「そうだね中庭でお茶会してるはずかな」
「……そうなのか」
言っちゃ悪いがちょっとイメージに合わない気が。
「失礼ですよシオンさん。元々、アルトレイアさんはあのマクシミリアン将軍の娘さんということもありますが、凛々しくてスタイルもよくてとても人気があったんですから」
フィオレティシアが俺の知らないアルトレイアを語る。
「それに加えてアルトレイアさんも今や恋する女の子ですから。そのお相手の話を皆さん聞きたいんですよ」
「そうだねぇそれでその中の何割かは僕から話を聞き出そうとしたりするしね。全く、婚約破棄された間抜けな男のことなんて放っておいてほしいところなんだけれどねぇ」
リオンは軽口を叩くがその実、自分からアルトレイアの負担を和らげるために色々動いてるんだろう。
「いや、それは、その……やり過ぎではないだろうか」
懐かしい声が聞こえた。
「あら決してそんなことはございませんわ」
「そうです」
「い、いやそういうのはもう少し……」
「アルトレイア!」
少し困っているようだったのでアルトレイアに呼びかけて会話を遮る。
が、紅茶に手を掛けていたアルトレイアはブッと噴き出して、ゴホゴホと咳き込んだ。
「シ、シシシシシ、シオン!? 何故ここに」
動揺しすぎだろう何があった。赤面してるアルトレイアはいつもの凛とした雰囲気と違ってちょっと可愛い。
「まあ、あなたがシオン様」
「でもちょっと冴えない感じが……」
「うわぁ、アルトレイアさん、シオンさんと一緒にいられるとあんな顔をなさるのですわね。素敵ですわ」
「シオン! 何だ! 何か用があるんじゃないのか!」
「何だよ文句が無くちゃあ会いに来ちゃいけないのか? 寂しいこと言わないでくれないか」
「「「きゃーーー!!」」」
「シ オ ン」
やれやれ。からかっているつもりも二割くらいしかないんだがこのくらいにしておこう。
「……用があるってのは間違いじゃないさ。マクシミリアン将軍から頼み事されてさ」
「そうか」
すぐにキリリと顔を引き締めるアルトレイア。うん。何だかんだでやっぱり凛々しい。
それはそれでアルトレイアの魅力ではあるんだが、まあいいや。早く用件を済ませてアルトレイアと二人きりになって思いきり
「何を口に出しているんだお前は!」
「あれ口に出してたか?」
「……さてはわざとだな。わざとと捉えていいんだな」
「ハハハ」
さて、それじゃあ行こうか。




