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エピローグ:予約特典DLC-ヒロイン大集合パジャマパーティ

一応軽い人物紹介と行きたかったんですがやっぱり人物多いとあれですかね

『私ではやはりどうしても限界があるので、マリアの方でも女子生徒の方と交流を深めてみてください』


 と、いうわけでクロード様の命によりパジャマパーティ緊急開催です! 私ことマリア・メルギタナスはただ今女子寮にお邪魔しております。


「それでこれはどういう集まりなのだ?」


 と、アルトレイア・マクシミリアンさん。やれやれです。細かいこたぁいいんですよ。こういうのは。


「とっとと寝たいんですが」


「そうですね。冒険者にとっては身体を作っておくというのも仕事の一つになります。どうして私達を集めたのかは分かりませんが魔物でなく睡魔に負けたんだ、なんて笑い話にもなりません」


 心底面倒くさそうなアイリシア・B・ココレットさんに、理を織り交ぜながらミスティ・サイファーさんが援護をします。他人をあまり寄せ付けない様子と言いますか何だか似た者同士のお二人の様ですが、精神年齢、というのでしょうか? その辺りはミスティさんの方が高いような気がします。


「ふふふ……そうは言いますがね皆さん。皆さんは入学試験を終えたばかりの、顔見知り程度の間からというわけでして。これからパーティを組むに辺り、お互いのことをもっと知る必要がある、と。そう思うわけです」


 まあアイリシアさんとミスティさん……それにアルトレイアさんとフィオレティシアさん、でしたか。は以前からのお知合いのように見受けられますがそれでも不十分です。もっとお互いの背中を預け合えるようなそんな関係を目指しましょう。


「それで……これ?」


 リリエット・イディムさん。イリューシオン様のお姉さま。一方的ではありますが見知ったお方。


 こうして言葉を交わせるようになるとは、何とも感慨深いものがあります。


「とは言っても何を話せばいいと? さすがにこの場面で作戦会議などするべきでないというのは分かるぞ」


「決まっているじゃあないですか恋バナというやつですよ恋バナ。皆さん今日出会った殿方たちと一つ二つでは足りない因縁があったりするんでしょう?」


 そうですねぇイリューシオン様は出会ったころはそれはそれはもう可愛かったんです。喋れはしませんがそれでも何かを伝えようとしてるみたいにあうあうーって必死に手を伸ばそうとして来たり。


 でもまあもう少し素直になってもいいと思うんですよね。まあちょくちょくナマイキな傾向があったんですけれど成長して私の身長を追い越すくらいになってからでしょうか? 何故か立場を逆転させて私の保護者気取りになっているような感すらあります。 


 いえ、よいのですがね。私のご主人様ですし。ただ、あんなに可愛かったのになぁ……と昔が懐かしくなります。


「……ねえ。そのイリューシオンって誰?」


 しまった! 声に出ていましたか。


「わ、私のご主人様です。そのお方の命で男子寮の御世話をさせていただいております」


「ふーん。何ていうかあれね。何となくシオンみたいねそいつ」


 セーフ! かなり危ういですがセーフです!


「シオン・イディム……だったか。リリィとは兄妹、になるのか?」


 アルトレイアさんとリリエットさんはいつの間にかお互いに愛称で呼ぶ間柄になったみたいです。


「ま、そんなところね。いつの間にか勝手にここに入ること決めてたりね。全く勝手なんだから」


「そうだな。リオンも大体そんなところだよ。男というのは大体そんなところなのかもしれないな」


 リオン・アルフィレドさんでしょうか。どのような方で、アルトレイアさんとどのような間柄なのでしょうか。


「……故あって我が家で預かっている子息でな」


「アルフィレド、というのはそうですか……あの方が例の」


 フィオレティシアさんが納得する様に頷きます。


 そういえばアルフィレド王国、ですか。聞いた覚えがあると思うのですが、最近はその評判をとんと聞きませんね。何かあったのでしょうか?


「まあ軽薄な男と言って差し支えはないものの、別に悪人ではないから気にすることはない」


 そうですね。イリューシオン様はどこか特に気が合うのかよく一緒にいるようです。


「それにしてもリオンは一体どういうつもりで……父は知っているのだろうか」


 リオンさん……アルトレイアさんに心配かけているようですね。そういうのはいけないと思います。


「はは、まあそこまで心配はしていないのだがな。だが、まあ……時折様子を見て貰えますか? マリア殿」


「はい!」


 さて次は……誰の話題がいいのでしょうね。スレイさんの話をしてみましょうか。


 どうにもイリューシオン様は何か知っているようなのですが教えて下さらないんですよね。そもそもどうして知っているのか。私はイリューシオン様とはそれこそ生まれた時から一緒にいたくらいなのにあのスレイさんのことは全く知りませんし。


 声すら聞いたことないんですよね。全く喋らず、鎧を脱いだ姿を見かけたこともありませんし。それに、実は深夜までダンジョンに潜っているらしくて部屋に帰ってくるのもかなり遅い時間で。もう不良さんです。


「ふ、不良さん……ですか?」


 フィオレティシアさんが恐る恐る、という感じで聞いてきます。そうですねぇ王女さんとしては関わったことの無い人種の方ですよね。


 イリューシオン様はそう悪い人じゃない、というんですが他者との接触を全くと言っていいほど断っているようですし。


 まあ現状、全く分からない人なのでこれ以上のお話の広げようもありませんね。


 次は、アスタ・ココレットさん。そういえばアイリシアさんの


「知りません」


 しかしアイリシアさんは妙に強い口調で言い切りました。


「む? しかしあのクロードとの遭遇の際、確かに兄さんと口走って……」


「知りません。私に兄はいません」


 どうしたのでしょうか? 素っ気ないのはいつも通りといえばいつも通りなのですが、今のアイリシアさんはそれにもまして……何というか壁を作っているようです。


「そのアスタ、という方がどうなっても私の知ったことではないですよ。だから、気にしないことです。その人と私とは、何の関係もありません」

うーん……どうしたことでしょうねこの頑なな態度は。


 アイリシアさんの冷たい態度と、アスタさんの温かいお人柄。魔力で変質しているのか髪と瞳の色も違いますが、よく顔立ちを凝らして見ると似ているんですよね。だから、兄妹というのは間違いないと思うのですが……。


 それとは打って変わって似ていないのはミスティさんとエドヴァルドさんですか。


「そうですね。私と父は血縁関係はありません。ただ、預けられたそうです。私のことを」


 エドヴァルドさんですか……何というかお酒臭いんですよねいつも。


「あははは……すみません。色々とご迷惑おかけして」

 ミスティさんは苦笑いしながら謝ります。エドヴァルドさんのことは本当に身内の様に思っている、のでしょうね。


 エドヴァルド・W・サイファー。クロード様でも警戒を以て当たる相手。何でこの迷宮都市にいるのか分かりませんが、油断しない方がいい、のでしょうね。イリューシオン様の為に。


 それにしても、ミスティさん、ですか。似た雰囲気をどこかで見かけた様な気が……


「そういえば皆さん、この学園に現れる怪人の話を知っていますか?」


「……ファントムロード、のことか?」


 ミスティさんの突然の問いかけに、アルトレイアさんの答え。私はびくっとしてしまいました。


 まさか、皆さんからその名前を聞くことになるとは……


「ファントムロード様、ですか……」


「知っているのですか? フィオレティシア陛下」


「は、はい。それなりに……」


「興味ありません」


「レイアは知ってるの? その、ファントムロードのこと?」


「ああ……父がな。この学園の卒業生らしく、その当時、彼の存在に遭遇したことがあるらしい」


「……アルトレイアさんのお父さんが。ということは、そのくらいの年齢、と見ていいのでしょうか?」


 どうしてでしょうか? アイリシアさんと同じように興味が無いのかと思っていたのですが、ミスティさんが思いの外、食いついています。


「分からんな。何もわからないらしい。卒業までの年月、ファントムロードに幾度となく挑んでいったらしいがその正体をつかめなかったとか」


「……そう、ですか」


「ま、あれはどうにも無類の女好きらしくてな。女であれば多少は難易度は変わるかもしれんがな」


 アルトレイアさんが話をしているのは恐らく、先代の。イリューシオン様の御父上のことでしょう。


 イリューシオン様は果たしてどうなるのでしょうか。浮名を流すのもファントムロードの嗜みとかそんなお話も聞きますがそれは天使的にノーです。


 でも、たいせつな方が少しでも増えればいいな、なんてそんなことを考えながら、ファントムロード談議に花を咲かせる皆さんを見つめました。


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