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第九話 ある少年の深謀

すみません。各話繋がりないというの、嘘つきました。第六話の後日談です。


 さとる 0歳


「おぎゃー」


「やだ、もー超可愛い! さすが朱美の子よね!」


「ありがとう、莉穂ちゃん」


「ちょ、俺の子でもあるんだけど!?」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 1歳


「りーちゃ!」


「きゃー、私の名前呼んだわよー! 超感動!」


「ふふ、覚ったら莉穂ちゃん大好きだものね」


「いや、おかしくない!? 何で初めての呼びかけがパパでもママでもないの!?」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 2歳


「りーちゃん、だーこ」


「はいはい、抱っこね。はいおいでー」


「あら、覚ったら普段抱っこ嫌がるのに」


「それよりパパが……って、なんで威嚇するの!?」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 3歳


「りほちゃん、これあげるー」


「あら、ありがとー。これ私? 上手に描けたのねー」


「まあ、一生懸命描いてると思ったら莉穂ちゃんにプレゼントする為だったのね」


「俺のことは描いてくれたこともないのに!」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 4歳


「りほちゃん、今日は一緒にねんねしよ?」


「もちろんよ、一緒にねんねしましょ」


「あらあら覚ったら甘えっ子ねー」


「俺とは一緒に寝るの拒否するのに!」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 5歳


「りほちゃん、大きくなったら僕と結婚して!」


「あらまあ、光栄だわー」


「覚、本当に莉穂ちゃん大好きね」


「いや、莉穂はママと同じ年なんだよ、覚!?」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 6歳


「莉穂ちゃん、僕莉穂ちゃんの名前漢字で書けるようになったんだよ」


「あら、すごいじゃない」


「覚、頑張って覚えたのよねー?」


「ちょっと待って、苗字おかしいよ? 俺らの苗字と同じになってるよ!?」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 7歳


「学校のどの女の子よりも莉穂ちゃんが一番きれいでかわいいよ」


「やだもう、お世辞なんて覚えちゃって。将来有望ね!」


「やだ、莉穂ちゃん、本当のことじゃない」


「いや、朱美、そこは大人としてもう、ちょっと、こう……」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 8歳


「莉穂ちゃん、将来結婚式するなら教会と神社とお寺とホテル、何がいい?」


「えー、予定はないけどねー。やっぱりウエディングドレスは綺麗よね」


「莉穂ちゃんなら何を着ても似合うに決まってるわ」


「覚、その具体的なラインナップは何……」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 9歳


「莉穂ちゃん、新婚旅行はどこがいいかな? 国内? ヨーロッパ? アジア? 中東?」


「んー、予定はないけどなー。温泉でゆっくりと、もいいわねー」


「温泉、いいわねー。今度みんなで行きましょうか」


「……年々具体的になっていく覚のプランが怖い……」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 10歳


「莉穂ちゃん、後8年だね? もうしばらく待っててね」


「え? ああ、高校卒業? そうねー、あっという間だわね」


「ふふ、楽しみね、覚」


「え、朱美、意味わかってる……?」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 11歳


「莉穂ちゃん、指輪は何がいい? ダイヤ? ルビー? サファイヤ?」


「えー、石に特に拘りはないけど、あんまり装飾過多なのは嫌かしら」


「やっぱりそこはダイヤじゃないかしら」


「あ、朱美……」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 12歳


「莉穂ちゃん、そろそろ真剣に将来のこと考えなくちゃだよね」


「そうねー。中学受験する? もし留学とか希望なら協力するからね」


「ふふ、将来は大事よねー」


「……将来の意味が違ってないかい?」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 13歳


「莉穂ちゃん、同じくらいの年頃の女子を見ていると、本当に莉穂ちゃんの素晴らしさがしみじみ実感できるよ」


「やだもう、ますます口がうまくなっちゃって!」


「やだ莉穂ちゃん、覚は本当のことしか言わないわ」


「本気で言ってることが問題なんだよ、はあ……」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 14歳


「莉穂ちゃん、莉穂ちゃんは何て綺麗で完璧な女性なんだろう。いつ誰に攫われるんじゃないかって、僕は心配で夜も眠れないよ」


「もー、誰も攫ったりなんかしないわよー。そこまでビップじゃないもの。でも上は目指すわよ、弁護士として!」


「すごいわ、莉穂ちゃん。さらに上を目指すのね」


「ねえ、年々なんか会話がかみ合わなくなってきてるの、みんなスルーなの? 気がついてないの?」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 15歳


「莉穂ちゃん、後3年だよ。僕、もう待ちきれない気持ちでいっぱいだよ」


「そっかー。志望大学は決まったの? まあこの成績ならどこでもいけそうねー」


「あらあら、楽しみねー」


「朱美、その楽しみは何の楽しみなんだい!?」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 16歳


「莉穂ちゃん、僕株はじめたんだ。勉強は今までたくさんしてきたし、いい結果出てきてるよ」


「株かー。無茶はしないでね」


「覚、資金作り始めたんだもんねー」


「ねえ、それは何の資金なのかな、何の……っ」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 17歳


「莉穂ちゃん、株で順調に貯まっていってるよ。これで、式や旅行や指輪の用意も問題ないし、大学行ながらでも生活も出来るよ。問題クリアだね」


「そこまでうまく運用出来てるのね、すごいわ! 安心して卒業旅行にも行けるわね」


「ふふ、覚ったら全部自分で計画立てて実現させるんだから、よっぽど待ち遠しかったのね」


「…………(遠い目)」



★★★★★★★★★★★★★★★★


 覚 18歳


「莉穂ちゃん、ようやくこれで僕も法的に婚姻を結べる年齢になったよ。だから、僕と結婚してください」


「………………ん?」


「おめでとう! 覚、莉穂ちゃん! 私も嬉しいわ!」


「……覚、お前には負けたよ。だから莉穂、…………ご愁傷様」



★★★★★★★★★★★★★★★★



 

 その後、二人がどうなったかは…………、また別のお話。

この話の続きは本当にありません。

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