76話 採取旅10日目 特急馬車~首都モルダス
やっと帰還しました!
長かったなー……(遠い目)
次からは後処理と調合やら仕分けやらなんか色々です。
最初は往復で13日はかかる計算だった。
それが色々とあって、予定より三日も早く工房に帰ることになった。
出発した時には奴隷の子が新しく加わるとか考えもしなかったな、とぼんやり遠ざかっていく景色を見送る。
小さな凹凸や小石の上を通る度に体が少しだけふわっと浮いて、お尻から着地するのを何度も繰り返していた。
「乗合馬車もこんなに揺れるのかなっ? なんか昨日乗った時よりガタゴトしてない?!」
不規則に揺れるから舌を噛まないように注意しつつ声を張り上げる。
いや、ガタゴト音が凄くて話すのも大きな声出さなきゃ難しいんだよね。
これに乗ったままご飯食べるとかかなり無理。
この中でご飯食べたら、うっかり食べ物と一緒に舌噛み切っても可笑しくないもん。
ガタゴト揺れる馬車はスピードとそれに伴う衝撃に備えて殊更頑丈になっているらしい。
馬車には座席がついているものと、そうでないものがあるんだって。
座席がついているのは主に貴族や王族用で乗合馬車や一般的な馬車に座席はない。
そもそも運ぶ物が人間だけとは限らないしね。
色々な物を乗せて運ぶ都合上座席がついてない方が有効に使えるんだってさ。
国が定期的に出している乗合馬車や特急馬車はどれも頑丈にできてて、人でもモノでも問題なく運べるようにしっかり作られているそうだ。
馬車の素材は【スチールバオム】を使っているんだって。
【スチールバオム】っていうのは、魔力を吸いすぎて魔物化した木の総称らしい。
イマイチよくわかんないんだけど、すっごく固い木材ってことで馬車だけじゃなくて建物や建造物を建てる時に好んで使われるとか。
滑らかに整えられた木目を何気なくコンコンと小さく叩く私に、呆れたような声がかけられた。
「昨日より速度を出しているから当然だろう。荷物もトランクと積み荷が三つ、乗車人数も六人しかいないんだ。これで遅ければ特急馬車とは言えない」
「でも、この速さなら盗賊やモンスターは早々襲ってきませんね」
馬鹿にしたようなリアンの声の後にミントの柔らかい声。
言われて気付いたけど、モンスターどころか動物や人、馬車ですら道を譲っている。
不思議に思って疑問を口にすればベルが教えてくれた。
特急馬車は特例で王族や貴族の馬車を追い抜かしてもいいことになってるらしい。
だから急ぐ時は、お金に物を言わせて特急馬車を貸し切り街道を爆走するのが一番早いそうだ。
(お金に物を言わせるって貴族のベルが言うと何だかなーって感じになるな。ミントも苦笑してるし)
あと、特急馬車を操縦する人には細かい決まりがあるらしいんだよね。
普通の馬車と違ってかなりの速度が出るから当然といえば当然だけど。
一般的に広く知れ渡っているのは、特急馬車を運行する際にはその場に停留している全ての乗合馬車に出発時刻と目的地を伝えるという決まり。
これは、馬車同士の事故を減らすために取り決められたみたい。
乗合馬車は色々な所で停車し、必ず各休憩地点で停止するから行商人や個人の馬車にも特急馬車の事を伝えられるから考えられた制度なんだそうで。
制度ができる前はしょっちゅうとは言わないまでも結構な頻度でトラブルが起こっていたとか。
馬車を利用しない人たちは、特急馬車を見かけると街道から少し離れることで自衛している。
だからパーティーメンバーで情報収集を担う人は特急馬車の予定まで確認するのが常識なんだって。
(私は絶対に情報収集役出来ないな……任されることもなさそうだけど)
うぬぬ、と腕を組んでいるとベルの視線が後方へ向けられたのが見えた。
馬車の後方――…奥まった場所で、荷物の番をしているのは奴隷の子だ。
私が買ったクッションの上で申し訳なさそうに、でもちょっとホッとした様子で座っている。
お尻にお肉なさそうだから衝撃ダイレクトに響きそうだしクッション渡して正解だった。
「そういえば、ライム。命名はしませんの?」
「めい……? なにそれ」
「奴隷に名前を付けることはしないのか、と聞いたのですわ。呼び名を付けないことも多いですけど、あった方が便利なのではなくて? よほどの役立たずでなければ店番を任せたり、採取に連れて行ったりするつもりなら付けた方がいいと思いますわよ」
「え。名前って付けるものなの? 元々の名前があるんじゃ」
ギョッとして振り向けば奴隷の子は気まずそうに視線を彷徨わせている。
驚いて視線をベルに戻したんだけど、肩を竦めて首を振った。
「名前がある奴隷もいればそうでない奴隷もいますの。名前のない奴隷は市場の三分の一を占めているとも言われておりますわ。名前を持つという事は奴隷自身にとっても大切なことだと昔、奴隷商から聞いたことがあるのです。命名破棄という制度もあるくらい名前は重要視されて―――……まぁ、命名破棄制度が適用されるのは貴族や王族が奴隷に落ちる際ですから関係ないといえば関係ありませんわね、その奴隷に関しては」
「鑑定した際に名前は表示されなかったから、ソレに名前はない。ライム、君がつけないなら僕かベルが適当につけるが」
「リアン、扱いが雑すぎない? あー、じゃあちょっと考えてみる。気に入らなかったら、ベルとリアンに考えて貰ってね。えーと。どーしよっかな……呼びやすくて間違えなさそうな名前がいいよね」
「ライム、貴女の名づけの基準も結構酷いですわよ」
呆れたようなベルの言葉は聞こえなかったことにして、私は揺れる馬車の中でひたすら頭を働かせた。
色々考えて、ふと思い浮かんだのがおばーちゃんから聞いた“幻の薬草”の名前だ。
絶滅したと言われてるんだけど、世界のどこかにはあると思うのよねーとおばーちゃんはよく言っていたなぁ。
幻の薬草は、暗闇で芽吹き灰色の花を咲かせ、光に当てると黄金色へ変化するらしい。
とてもいい匂いで薬効成分がかなり高いことから遥か昔に乱獲され絶滅したと伝わっている。
「嫌だったらいいんだけど“サフル”でどうかな。名前」
名前をひらめいたのは命名すると決めてから三十分は経っていたと思う。
その間ずーっと唸っていた私に皆呆れたような感心したような顔をしていたけれど、やることもないので特に怒られたりはしなかった。
「サフィウルっていう幻の薬草があるって昔聞いたことがあったんだけど、暗闇で芽吹いて灰色の花をつけるんだって。光に当てると黄金色に変わって、薬効成分も高くて、いい匂いなんだって聞いたことがあって……君の髪も目も綺麗な灰色でしょ? だからどうかなーって思ったんだけど。あ! もっとこう、魔物を一撃で倒せそうな強そうな感じがいいかな? 将来ムッキムッキの魔物とか片手で捻り倒せるみたいな雰囲気がいいとかさ」
「―――……ッいいえ! あの、嬉しいです。その……名前」
「じゃあ、君は今日からサフルだね。よろしく」
名前が決まった記念に握手しようか! と手を差し出せば、例の奴隷ポーズをされた。
何でだ。
そんなに嫌なのか、握手。
「ら、ライム……大丈夫です! その、奴隷と握手するような主人はかなりというかそうそういないだけですから。ええと、サフルも顔を上げて下さい。ライムが困っていますよ」
「は、はいっ! 申し訳ありませんご主人さまッ」
「ライムでいいってば。契約してるの私だけじゃなくてベルやリアンもなんだし。それにこれから一緒に生活するんだからさ、最初から気を張ってたら疲れちゃうって。契約した訳だし、もっと気軽にしてくれると嬉しいんだけど」
別に敬って貰える位偉い訳でもないし、と笑ってみたんだけど何故かサフルはがくがくと震え始めた。
目は限界までカッと見開かれてるし、歯がカチカチカチカチと音を立てて、少し血の巡りが良くなってきていた顔から血の気が見事に引いている。
「……ッそ、それは命令、でしょうか……?」
血反吐を吐くような声に私は慌ててベルとリアンに視線を向けた。
私の視線を受けて心底呆れたような表情を受かべた二人が揃ってため息を吐いた。
「ライム。今のはどう考えても貴女が悪いですわよ。この世界のどこに主人を呼び捨てで呼ぶ奴隷がいると思っていますの? 普通、奴隷が主人に対してその様な無礼な行為をしたらその場で拷問されるか縊り殺されますわよ」
「は……?」
「おい、サフル。面倒だから、ライムを含め僕らのことは様付けで呼べ。ライムの非常識な言動や世迷言は聞き流すか、僕かベルのどちらかに確認しろ」
「ねぇ、ちょっと」
「ライム煩いですわ」
「ライム少し黙っていろ」
「えええっ?! だって二人の『初心者向け!奴隷のご主人様講座』でそんなこと一言も言ってなかったじゃん! メモにもないよ!」
ほら見て! と、自分なりに聞いた奴隷の扱いをメモした紙を見せると二人にめんどくさそうにあしらわれる。
ミントとディルに視線を向けると二人は何故か気まずそうに私から目を逸らした。
てっきり私に加勢してくれると思っていたので驚いて固まる私に、ディルが言いにくそうに口を開く。
「一般的に奴隷が主人を蔑称や呼び捨てで呼ぶことはない。それどころか、呼び捨てや蔑称で呼んだ場合は各部位につけられた奴隷紋が発動して苦痛を与えるようになっていると聞いた。つまり『名前で呼べ』という指示を下すことは『至らなさと主人に対する不敬は苦痛をもって詫びろ』と言っているようなものなんだ」
「ひィえ……ッ!? って、違う! 違うからねっ、ほんとそーゆーんじゃなくって、もう呼ばなくていい! 金輪際というか一生私の名前なんか呼ばなくていいからっ」
「は、はい……恩情に感謝いたします」
「う。うん………なんかほんとごめん」
微妙な空気になった私たちをじっと眺めていたディルがポツリと呟く。
ガタゴトと揺れながらも決して小さくない物音を立てている馬車内でその声は意外と大きく響いた。
「――……ライムは俺が借金奴隷に落ちたと聞けば飼ってくれるだろうか」
風や景色の中を特急馬車が進む。
ディルは今の発言が聞こえていたとは思っていなかったらしく、動きを止めた私たちを見て不思議そうに首を傾げていた。
「どうした? まさか、馬車に酔ったのか。酔い止めの薬は俺も持って……―――」
ごそごそと懐を探りながら私の目の前に移動してきたディルの上半身が揺れた。
「どうしたはこっちの言葉よ! なにを血迷ったことほざいてんのアンタ!?」
ディルの後ろにはいつの間にか拳を握って瞳孔ががっつり開いたベルの姿。
凄い揺れだけど、仁王立ちできるって流石お嬢様だ。
「本音がつい」
「余計に性質が悪いわッ!! この変態召喚師ッ」
「変態という言葉はリアンに言ってやれ。俺より厄介そうだろ、性的趣向とかどう考えても。どう考えても相手を辱めて喜ぶタイプだぞ」
「おい、ちょっと待て。どうしてそこで僕の名前が挙がる!? というか、勝手に僕を変態に仕立て上げるのは止めろ! 今までの発言を鑑みても常軌を逸してるのはディルの方だろう!?」
「ふん。俺はライムの傍にいたいだけだ。その為なら手段は問わん」
「いいから黙んなさいこの変態ども」
一気に賑やかになった馬車の中で呆然と三人のやりとりを眺めていると、そっと両耳に仄かに温かい温度。
驚いて振り返るとミントが困ったような顔で笑っている。
この時、耳を塞いだのは『会話を聞く必要がないと判断したから』だと後で教えて貰った。
(この三人が楽しそうにじゃれるのは慣れてきてるからいいけど、なんか論点ズレてない?)
ミントに耳を塞がれながら愉しそうな三人を見て私は小さく息を吐いた。
私も良くはわからなかったけどサフルの耳を塞いだ。
よく見ると片耳も黒く変色していたんだけど、反対側の耳は真っ赤になってた。
なにかの病気だったら困るから後でミントに聞いてみよう。
奴隷って難しい。
認識を改めつつ私はそっと息を吐いた。
(まぁ、リアンやベルの言う常識やら暗黙の了解とやらの方が厄介だけどね)
結局この三人はお昼休憩に入るまでずっと賑やかに話をしていた。
馬車が止まった時には三人とも何処かぐったりしていたので驚いたけど、結構な声量で話してたから無理もない。
ミントが珍しく呆れたような表情で腰に手を当てて三人に何か言っていたのが妙に印象に残った。
◇◆◇
昼食を手早くとって、念の為にとリアンから配られた酔い止めを飲む。
午前中走り通しだったランニングホースは午後になっても疲れを感じさせなかった。
なんでも、種族の特性上“全力で走る”ことが何より好きなようで、喜々として速度を上げている。
ちらっと御者の人を馬車についた小窓から見るとすっごくいい笑顔だったのでこの人も速い馬車を運転することを心から楽しんでいるんだろうなー。
隣の見習いっぽい子は白目剥きかかってるけど。
「このペースなら間違いなく夜までには着けそうだ―――……今後の動きだが、モルダスに着いたらミントとディルは教会と学生寮に戻って構わない。朝の八時頃に教会へ行って今回の護衛料を支払わせてもらう。その後は、学院の総合受付に報告をしに行く」
「その後の予定は無いんだよね? 無いなら調合したいんだけど」
「予定らしい予定は無いが、明日中に店を開く為の話し合いをしたいと思っている。新しくサフルという人手も加わったことだし、店に出すにしても裏方にするにしても準備には時間もかかる。早急に決めて損はない」
「私は構いませんわよ。ああ、そういえば商会へは寄らなくていいんですの?」
「―――……ライムがいいなら君が見つけたものについて話したいのだが」
リアンが言いにくそうに私を見たので洞穴で見つけた綺麗なクラスターの事だとわかったので頷いた。
(いくらで買い取る気なのかわかんないけど、お金になりそうなものはさっさと現金化したい。お金大事だし。というか、高そうなものをいつまでも持ってるの怖いんだよね。まぁ、大金持ち歩くのも怖いけど)
何処かホッとしたように息を吐いたリアンにベルが不思議そうに首を傾げる。
詳しい説明は後で、とリアンに言われて一応納得したらしく馬車の外へ視線を戻した。
ミントとディルは緊急事態が起こらない限りは休憩していてくれと言うリアンの言葉に従って、楽な姿勢で目を閉じている。
「そういえば、エルとイオの演習はどうなったんだろうね。戻って来るまで一カ月って言ってたから……」
「順調にいけばあと二週間程度で戻ってくる筈ですわよ。まぁ、それより早く戻って来るとは思いますけど」
難しい表情を浮かべたベルが零した言葉に思わず背筋が伸びた。
ギョッとしてベルを見ると綺麗な赤い瞳が細められて何処かをじっと見つめている。
「早く戻って来るってどうして? 何かあったの?」
「詳しいことはわかりませんし、真偽のほども分かりませんけれど……合流地点で噂を聞きましたの」
「噂って……え、もしかして」
「ええ。イズン湿地に厄介なモンスターが出て少なくない負傷者が出たという噂ですわ。丁度その方面から来た行商人がいたので詳しく聞こうと思ったのですけど、貴族から手紙を預かっているから、と。結局、その話をして直ぐにモルダスへ向かって走って行ったので引き留めることも出来なくて」
ごめんなさい、と申し訳なさそうなベルに私は慌てて首を振る。
エルとイオの実力は私もなんとなくだけど分かってるつもりだ。
一度、近いとはいえリンカの森へ行ったし、出てきたモンスターは弱かったけど行動派のエルと慎重派のイオは凄く息が合っていた。
イオが全体を見ながら状況を把握して、エルは敵の弱点や特徴を瞬時に見極めて敵の攻撃を受ける前に潰す戦い方が得意なんだって教えて貰ったっけ。
イオは勿論だけど行動派のエルも無鉄砲なわけじゃない。
必要な知識はしっかり蓄えてから実行する慎重さも持ち合わせているとこっそりイオが教えてくれた。
(解毒剤いっぱい渡したし、回復アイテムも少しは持ってるって言ってた。先生もついてるから滅多なことはないって……二人とも言ってたもんね。きっと、平気だよ)
一瞬だけど誰かを庇って怪我をするエルの姿を想像して慌てて、腕を擦った。
騎士の殉職率は低くない。
大きな戦争はないけど、新人や経験の浅い騎士は怪我をしやすくて状況によっては命を落とすことも珍しくないそうだ。
それでも、魔物やモンスターから家族や友達や国を護る為に武器を取る姿はカッコよくて、憧れの対象になるんだって。
(私にはちょっとわかんないや。だって、死んじゃったら全部終わりだし)
ぎゅっと膝の上に置いた自分の手を握り締めた所で呆れたような声が聞こえた。
顔を上げると眼鏡の位置を直してこちらを見もしないリアンが遠ざかっていく景色を無関心そうに眺めている。
「―――……恐らく、被害に遭ったのは貴族だな。でなければ手紙など託さない。その被害者の貴族も死んではいないだろう。死んでいたら行商人に急ぎの手紙を託さず何かしらの遺品を持たせる」
「そう、かな……?」
「あの場所で怖いのは毒だ。それを御する手段がある以上、心配するのは無駄だと思うが」
「あのねぇ、アンタはもう少し言い方ってものを…――」
「僕は事実を言っているだけだ。万一、怪我をして戻って来ても息さえしていればどうにでもなる。君も、僕も、ベルも錬金術師だ」
薬位作れるだろう?とそれっきりリアンは何も言わなかった。
私もベルも顔を見合わせて、直ぐに生温い視線を向ける。
白い肌がうっすら赤くなってるのが分かったから。
「貴方、照れ隠しが壊滅的に下手ですわね」
「顔赤いよ。リアン」
「う、煩い!! 放っておいてくれッ!」
順調に特急馬車は街道を駆け抜けていく。
モルダスの大きな門が見えたのはそれから数時間後のことだ。
半分ほど隠れたオレンジ色の太陽が首都モルダスを照らしていて、とても綺麗だった。
ここまで目を通してくださってありがとうございます!
例の如く誤字脱字変換ミスについては後で、はい、後で直しますんで……すいませんほんと。
=モンスター=
【スチールバオム】木の魔物であるバオムの一種。めっちゃ硬い。
バオムの中でも一二を争う硬さ。火にも強いが衝撃に弱い。木こりにとっては良い収入源。
樹木が魔力の影響を受けて魔物化することでバオムとなる。
バオムは木の魔物の総称で、性質によって呼び方が変わり、土地や吸った魔力によっても在り方を変える。見目は木そのものであったり、人や動物に寄生していたりする。
なお、アーブルは樹人を指す。
バオムと一緒にすると凄く怒る。激おこ。性別がないので性差もない。