245話 実習初日の夜と朝食
チョット遅刻(´・ω・`)
いや、大体間に合わないんですが、通勤通学時間には間に合ったはず!!!!
声が聞こえた気がして、パッと瞼が持ち上がった。
真っ暗な明りのないテントの中でしばらく目が馴染むまで少し待つ。
それまでの間、耳に意識を集中すると何だか甲高い音のようなものが聞こえてくるのに気づいた。気のせいかな? って思うくらい、か細くて高い音だ。
(キーンって耳の奥で聞こえてくる気がするんだけど)
徐々に真っ暗だった視界に明暗が付き始めて朧げにモノの形が確認できるようになってきた。ただ、テントの中を隅々まで見るのは無理だと思ったから、動くモノがないか暫くじっと観察をしてみる。
結局動いてるモノは全く見えないのに音は聞こえ続けていて、首を傾げて上半身を起こす。
風もないし妙な臭いもしない。
キーンという音以外に何も異変がなくて外に行くべきか迷っていると名前を呼ばれた。
「ライム、どうした?」
「ディル……ごめん、起こしちゃった?」
「大丈夫だ。様子見がてら用を足しに行くつもりだったからな。もしかして、音で起きたのか」
「ディルにも聞こえるってことでいいの? このキーンっていう何とも言えない変な音」
「これは【ジガザンテ】の飛行音だ」
「じが……? 飛行音ってことは、鳥か虫の類いってこと?」
小声で尋ねると首が一度縦に振られた。
そうなんだ、と外が見える窓部分を見つめていると寝るといいと静かに言われたので、大人しく横になる。
音が、ほとんど聞こえなくなっていたからだ。
正体が分からないって結構不安だ。ある程度一般的なモンスターについては調べたし、いるって聞いていたモンスターや魔物に関しては何となく覚えてる程度だ。名前と種類、討伐部位とか、弱点とかね。
これはベルも一緒に聞いていたんだけど、どうしても好きな採取系の知識ばっかり頭に残るんだよね。
ベルは私とは反対に採取系は殆ど記憶にないって言ってたけど。
うーん、と考え込む私を見たディルがそっと口を開く。
「巨大な吸血虫っていえばわかりやすいか?」
「え。吸血虫って、あの小っちゃい夏に血を吸いに来る【パルザンテ】のことだよね?」
大きさは5mmくらいで、ちょっとの風で飛ばされるくらい軽い虫だ。
見つけたら即潰すし、そもそも近づいてこないように虫除け効果のある草を燃やしたり、窓下や入り口付近に虫よけ効果が強い植物を植えたりもする。
「そう、アイツだ。昔はよく刺されたな。そういえば、ライムと暮らすようになってから刺される頻度が格段に落ちた気がする。あの時、何かやってたのか?」
「お風呂に入る時と洗濯の時に虫除けオイルを垂らしてたよ。あと、部屋には虫除けの香を焚いてたし、服の保管する時も虫除けポプリと一緒に入れてた」
実は、オイルの抽出は錬金術を使わなくても出来たから、冬の間暇な時間に作っていた。
虫除け効果のある草花は乾燥させても問題なかったし、時間を止められて沢山入れられる香草専用の袋があったからそれに集めていたんだよね。
(虫除けオイルって需要があるからって結構いい値段で買ってくれてたっけ。正直、あれがないと小麦が買えなかったってことが何度かあったなぁ。自分で使う分は取ってあったけど、今作ってみると錬金術で作る方が量も品質もいいんだよね)
魔石のついた杖で調合していれば、と悔やむ気持ちがない訳じゃないけど、ただの棒での調合があったから魔力の使い方は上手になったんだと思う。
「道理で。痒くないことが快適だって、あん時にすげぇ実感した。んで、【パルザンテ】の大きくなった奴が【ジガザンテ】って呼ばれているんだ。軽いから仕留めるのは骨が折れる。ただ、虫除け効果のあるアイテムを持っていれば絶対に近寄ってこないし、虫除け香に10分も当たれば一日は効果があって俺も知ってからはそういう対策をしているんだ」
「吸血虫って鼻がいいのかな?」
「ん。それもあるし、単に獲物が人間以外に沢山いるというのもあるだろうな。ただ、気をつけたいのは複数に吸血されると毒を受けたり、体中の血液を吸い取られて死ぬことも珍しくないって所だ。地域によっては【ジガザンテ】を育てて死体の血抜きをさせているところもあるらしいし、気をつけてほしい。俺も当然気を配ってはいるが……今は、無臭になるアイテムを使っているだろう? だから、腰あたりに虫除けポマンダーをぶら下げておくほうがいいかもしれない。ほら、採取してたのはポマンダーの効果が及ぶ範囲だっただろう」
「……そ、そっかぁ」
「虫程度の矮小な存在にライムの貴重な体液を持って行かれるのは正直俺も腹立たしい。だから虫除けポマンダーは多めに常備しておくようにしてくれよ」
ぎゅ、と手を握られて寝るように言われて、少し迷った。
魔物もモンスターも結界の中には入れない、そして自分たちも出られないとダメ押しされたので大人しく寝袋へ潜る。見に行って確認するより体力回復優先だよね。
嬉しそうにニコニコと笑うディルは大きくなっても昔のままで、よく寝床に枕を持ってきてたなぁなんてことまで思い出した。
「――…ん、そうだね。錬金術ではまず使わないけど……体液って結構色んな物に使ったりもするらしいし、取り扱いは気を付ける。召喚術ってやっぱり生贄とかいるんでしょ?」
「生贄? あー、かなり外道というか、あとのないやつはそっちに手を出すこともあるらしい。ただ、人を捧げた場合は即座に死刑だからな。犯罪奴隷を捧げることも禁止されているくらいだし、あまり積極的にする人間はいないんじゃないか? 授業でも再三言われる上に、貴族なら爵位の剥奪や降格があるから手は出さない。強制的に犯罪奴隷ルートだ」
「ひぇ。そ、そうなんだ……知らなかった」
もぞっと寝袋を引っ張り上げた所で、ディルが嬉しそうに笑う。
小さな頃とは違う大きな手がポンポンとお腹の上を優しく叩いて、なんだか可笑しくなってきた。
「昔は私の役目だったのにね」
「……そうだな。眠れない時は頼む」
「うん。雷の日と土砂降りの日でしょ? あと、風が凄く強い日」
「ん。死ぬ奴らが多かったからな。冬になったら一緒に寝てくれ。寒いのは嫌だ」
「わかった。あ、ルヴ達も一緒に寝袋に入れよう。絶対あったかい」
「……あのちっこいやつか」
「成長速いからそこそこ大きくなってると思うけど、フカフカで気持ちいいと思う。ロボスも気持ちいいし、二匹ともいい子だよ」
その内一緒に採取に行こうと思ってるんだ、と言えば穏やかな声。
お腹の上にあった手は再び私の手を包み込んでいた。
「―――……おやすみ」
「ん、おやすみ」
二度目の就寝の挨拶をして目を閉じる。
その後見た夢は小屋くらいの大きさに成長したルヴとロボスのお腹で丸まってみんな一緒にお昼寝する夢だった。
◆◇◆
翌朝、太陽が昇る前に私は起床していつもの様に朝食の準備に取り掛かる。
一緒にベルとサフルが起きてきたので、エル達は一度仮眠の為に戻って貰った。
三人は交互に休みながら見張りをするってことだったし、夜は長いから眠気覚まし用に作った【キシキシミントティー】と【カチカチビスケット】を渡していたんだけど美味しかったとお礼を言われた。
「今度、実習とか演習の時に【カチカチビスケット】を買いたいんだけど、あれ店で売るのか? 警戒はしてても、やっぱ口寂しい時があってさ。食ってる時ゴリゴリ音はするけど妙に癖になるんだよなぁ。ナッツが香ばしくってゴリゴリ齧りながら食うの最高だった」
「確かに美味かったが、あの清涼感のある紅茶はかなりいいな。頭がすっきりする。ビスケットをつけて食べても美味しかった。あの茶葉、いくらくらいするのか聞いてもいいか? 出来れば朝に一杯飲みたいんだ」
「僕も両方好きでしたよ。どちらも寝ずの番には丁度いいですし、しっかり寝た後に食べると体が軽くて」
「気に入って貰えてよかったよ。とりあえず、ベルが起きてきてくれたし、サフルもいるから三人は寝てきて。朝食が出来るまで大体一時間かな」
かなり早い時間に移動を始めることになっているので仮眠時間は短いけれど、夜行性のモンスターや魔物の動きが鈍くなり、朝型の生き物が活動するまでのわずかな時間に距離を稼ごうということになった。
あと、トランク。
これも持って行くことにしたので、荷物を一度全部収納しなくちゃいけないんだよね。
おやすみ、と三人に手を振ると大人しくテントへ。
私は早速朝食の仕込みだ。
ベルとサフルは警戒をしつつ、必要最低限の道具以外を片付けていく。
薪を足しながら今日の予定を頭の中で整理しているとベルが数枚の布を持って戻ってきた。
これは体を拭くのに使ったタオルだ。洗って干してあったんだけどしっかり乾いたらしい。
トランクの上に重ねていくベルが口を開いた。
「私達が先に食べてしまって、私とサフル、リアンと三人で音罠の回収と警戒をするのよね? リアンもそろそろ起きてくるし、先に回収してもいいかしら」
「私はそれでも構わないと思うけど……ご飯の間は警備結界使うんだよね?」
「ええ。警備結界がない場合は罠をそのままにしておく方が安全だけど、使うアイテムによっては臨機応変に動かないとただの時間の無駄になるのよね。時間に追われると注意力も散漫になるし、余裕がないと戦闘にも影響が出るもの」
「分かる、かも。悪い事って続くもんね」
しみじみ頷きながらもスープの準備をする。
朝は魔力を使ってパパッと腹持ちのいいスープを作る。
ゴロ芋のクリームスープ、パン、塩漬け肉とマトマの目玉焼きにする予定。
「ベルは辛い方が良い? その方が良いならベルの分だけ分けて作るけど」
「そんなことできるの!?」
できるよーと返して、必要な野菜を刻んでいく。
ゴロ芋に関しては皮を剥いて小分けにしてあるものを結構な数用意しているから時間はかからないし、マタネギなんかのよく使う野菜も同じように下処理を済ませてあるから追加の食材を切り刻み、スパイスや香草を取り出す。
比較的早く荷物をまとめ終えたベル達はリアンを起こし、音罠の回収へ向かった。
結構な量の切込みがあったから多少時間がかかったとしても問題はなし。
戻ってきたベル達は顔を顰めていたけれど、何があったのかは教えてくれなかったんだよね。
リアンは音罠の収納、サフルは食事の準備を手伝ってもらう。
ベルには飲み物の準備を頼んだ。
ハーブティーのブレンドも上手なんだよね。いくつかの香草とか茶葉を渡したので、料理の味とかを何となく伝えておいたから、食事に合うお茶を入れてくれると思う。
「サフルはパンを縦に二つに切っておいてほしい。切れたらバタルを塗ってね。私、スープと目玉焼きの方急いで作るからパパッと食べちゃお!」
「はいっ」
「私も楽しみにしてるわね。あ、パンは多めでお願い」
楽しげな二人の声を聞きつつ、鍋にゴロ芋とミルク、マタネギのみじん切りにしたもの、少量のルブロを入れる。高級品だけどコクが違うんだよね。朝はほんの少し贅沢していいものを食べたい。この後大変だろうし。
魔力で一気に溶かして加熱するので調理を済ませ中型の寸胴鍋を火にかける。
魔力を注ぎながらヘラで焦がさないように混ぜていくと、ふわっとルブロとミルクのいい香りが。コンソメも大量に作ったからケチらずに使えるのはやっぱりいいなぁと思いつつ、グルグルまぜまぜ。
ある程度までとろみが出て、完全に全ての具が溶けたら三人に味見をして貰った。
「美味しい……はぁ。野営でこんな美味しい物を食べられるとか、恵まれているどころじゃありませんわ。貴族でもこうはいきませんもの」
「美味しいです、ライム様!!」
「ゴロ芋のスープはこうすると飲みやすくていいな」
もっと食べたいわ、と言いながら紅茶を淹れる為のお湯を沸かすベルに苦笑する。
サフルは嬉しそうに片付けなどを並行してやってくれて、とても助かる。リアンは手を動かしつつ、慎重に音罠をしまっている。毒を仕込んでる関係上、私達じゃ音罠は片付けられないんだよね。
「さてと、もう一品作っちゃわなきゃね」
マタネギ、赤と黄色のピウマ、マトマ、マトマペースト、塩漬け肉、ヨワドリの卵、塩、コショウ、スパイスと香草を少し、ガーリック。そしてベル用に赤ピリリの実を用意する。
野菜は全てみじん切りにしてあるから、大きなフライパンにオリーブオイルをひいて、火加減に気をつけながらガーリックを炒め香りづけ。
大きめの角切りにした塩漬け肉を入れてマタネギと共に中火程度で炒め、火が通ったら残りの野菜やスパイスを入れて混ぜ炒めていく。
エル達の分を避けて、私達が食べる分の卵をくぼませた野菜ソースの上に落としたらコショウをぱらっとかけて蓋をし、弱火で加熱。
「カルンさんが生でも食べられる卵をくれてよかったぁ」
基本的に売られている卵は完全に火を通さなくちゃいけないんだけど、高級店なら生でも食べられる卵が買えるのだ。予約制だから高いんだけど生の卵が使えると料理の幅が広がるし、何より私、半熟の卵好きなんだよね。
ベルの分は一人分のフライパンに追加で赤ピリリの実を加えてあるから多分辛いと思う。
じっとフライパンへ視線と意識を集中させる。
焼き加減は聞こえる音で判断しなくちゃいけないからじっと耳を澄ませるしかないんだよね。程よくグツグツという音が聞こえてフライパンの柄から微かな振動が伝わってきたタイミングで火から下ろした。
そのままテーブルに持っていき、人数分のお皿に盛り付け。
パンはサフルが温めた物を持ってきてくれたので、大きいパンを入れるバスケットに入れて蓋を閉めておく。
スープを注ぎ、ぱらっとバジリコの粉末をかけたら完成だ。
スプーンなんかを揃えたタイミングでベルがお茶をカップに注いでいく。
サフルはディルを呼んできてくれたので、騎士科三人をのぞいた全員でご飯を食べることに。
「いただきますっ!」
そう手を合わせると全員が同じ姿勢で挨拶を口にしてそれぞれ好みのものにスプーンを伸ばす。
この挨拶はおばーちゃんが広めたもの、らしい。
特定の信仰宗教とかがなければ基本的にコレを言う人が殆どなんだって。言わない人もいるけどね。
「っはぁあ。これ、美味しいわ。本当に。うう、パンが進む」
「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ」
「朝から豪華だな」
猛然と、でも綺麗に食べる貴族二人と商家の息子を見ながら一つ目のパンに齧りつく。
カリッサクッと程よく焼かれたパンは歯触りも然ることながら、塗られたバタルの香りまで美味しい。
「あ、あのライム様。ディル様のスープがもう」
「ほんとだ。ディル、目玉焼きのお替りはないからスープで我慢してね。足りなければ塩漬け肉焼くけど」
「ん。肉欲しい」
「分かった。ちょっと待って、焼いてくる」
行儀悪いけど許してね、と一言断りを入れてからスープを持って移動。
切り分けた肉を鉄串に刺してスープを飲みながらいくつか炙ったんだけど、匂いに釣られたベルやリアンも食べたいと言っていたので結構な量を焼いた。勿論サフルの分もね。
追加のお肉を配ったら、私も食事に戻って塩漬け肉とマトマの目玉焼きを口にする。
野菜の旨味と甘みがマトマの酸味とガーリックの香りで一つにまとまって、鼻から抜ける。白く固まった卵の部分と真っ赤なマトマのソースをパンに乗せて食べると食べやすくて美味しい。
量を少なめにしていたのもあって、私が一番に食べ終わった。
食器やなんかを洗っているとサフルが代わると言ってきたけど、食事をゆっくり食べてほしいといえば渋々戻っていった。
「トランク使えるのは私だし、この後は森の中を移動しなくちゃいけないから皆の体力少しでも残しておきたいんだよね」
口をゆすぎ、臭いを消したら簡単に身支度を整えてベルとサフルがまとめてくれたものを収納していく。
一時間経ったところで騎士科の三人の分の食事を用意し、彼らが食べている間にテントの片付けを行う。
最初、騎士科の三人は片付けは自分たちの仕事だと言っていたんだけど、時間の節約と効率を考えるとこの形が一番だと全員で押し切った。
食事と身支度を済ませ、ディルが作ったトイレなどを土に戻した後、警備用結界を解く。
これから、二日目が始まる。
ここまで読んで下さって有難うございました!
おいしいものが、たべたい……!自分で作らないやつ。
気付いた方もいらっしゃるかと思いますが、『塩漬け肉とマトマの目玉焼き』は現代で言う「シャクシュカ」です。また、カチカチビスケットはビスコッティ。
食べてみたいなぁと思ったものがメニューになっております(爆
誤字脱字・誤変換などありましたら誤字報告で教えて下さると幸いです。
チェックはしているのですが、どうしても……こう、誤変換の神様に溺愛されているようでして。ハイ、すいません。
今後もじんわり続くと思いますがお付き合いいただけると嬉しいです。つぎはずっと書きたかったパートです!
=素材・魔物など=
【バジリコ】
バジル。強い香りの香草で、好き嫌いが多少でるが比較的好まれている。
乾燥した葉より生の方が香りが格段に良い上に、育てやすいことから栽培している家庭も多い。
【ピウマ】現代で言うパプリカとピーマン。
大きさはパプリカ程で色によって味が違う。
緑は少し苦みがあり、黄色はさっぱり、赤は甘め。
他にも橙色や変わり種で紫や白がある。
常温で数日保存できることや育てるのが楽なので家庭菜園で育てる人も多い。
【ガーリック】
にんにく。
【赤ピリリの実】
赤い唐辛子。辛い。
【パルザンテ】分類:害虫
直訳で小さな吸血虫。現代で言う蚊。体長は5mm程度で風に飛ばされるくらい軽い。
普段から生活の知恵として虫よけ効果のある草花を燃やしたり、植えたりして近づけないようにしている。
【ジガザンテ】分類:魔物
直訳で巨大な吸血虫。蚊を大きくしたもので、15~20センチほど。
高音の25歳以下の人間には聞こえる特殊な音を出して飛行する為、25歳以上の冒険者は必ず虫よけアイテムを身に着ける若しくは体に臭いをしみこませるようにしている。
軽く風に飛ばされやすく、特定の条件下で繁殖。血を吸うのはメスのみとされているが、ぱっと見て性別の判断などできないので基本的に倒すべき。
魔石は腹(吸血袋。血を貯めておく腹の部分をさす)にある。