237話 用意したもの。心構え。
よし、期間内!!(一週間更新が目安ですww)
次回からいよいよ始まります!
がんばるぞぉ……(間に合うように)
コトンと、最後のアイテムが作業台に並んだ。
ずらりと並ぶのは今回持って行くアイテムで、使い方を説明することと今まで伝え聞いた情報なんかを最終確認する為に集合して貰ったんだけど……レイが凄く言いにくそうに私たちを見ているのが気になる。
回復薬や新しい錬金アイテムに興味を持っているエル達とは違って一歩離れた所にいるから目立つんだよね。
「レイ、何か気になることでもあった? これがあると助かる、みたいな意見でもいいんだけど」
「消臭アイテムはこれだけなのか? 石鹸やトリーシャ液があると噂で聞いたんだが」
「それなら作ったものは少し前に騎士団に売ったわよ。実習が終わったら店でも取り扱うつもりだけれど、在庫はないわ」
「販売はするんだな?」
食い気味に口を開いたレイにベルは、探る様な視線を向ける。
不信感たっぷりって感じ。
腕を組んで、やれやれと息を吐いた。
「ええ。そのつもり。でも、高いわよ。素材も調合で作る物があるし魔力をかなり使うから、それを補う回復薬分も計算に入れているの」
「……わかった。俺たちも学院で実習後にどうしても汗をかくし、武器や防具の手入れはしているがどうしても臭いはつく。愛しい人に汗臭いまま会うのは避けたくて、体を洗って服を着替えていたんだが今回は気軽に汗も流せないだろう? 同じエリアにいるから何時出会うともしれない。そうなると、その、色々気になって」
どんどん声が小さくなるレイと眉尻がつり上がるベル。
あ、これ不味いぞと思った私は無理やり体を二人の間にねじ込んだ。
落ち着いてという代わりに両手をベルに向けて待ったをかけるんだけど、舌打ちをしてクルッと背を向けた。
(ベルって割と口悪いよねぇ)
感心しつつフワリと広がった真っ赤な髪に苦笑しつつ、レイに向き直った。
目があったんだけど視線を逸らし、ばつが悪そうな顔をしている。
「えっと、今回消臭アイテムを作ったのは……獣とかに臭いで場所がバレない様にしようって思ったから。警備用結界って、流石に臭いまでは消せないでしょ? だから少しでも、って思ったんだよね。まぁ、野営地の周りには獣除けと虫除けを設置するし、結界の周りに透明な【音罠】を張るつもりだから何かが近づいてきたら多分、分かると思う。警備結界の中でも音は聞こえるから、音が鳴ったら確認して敵の数や姿を確認する予定なんだけど……居場所が臭いでバレたら困るから敵が来たら消臭アイテムを全身にかけるんだ。予め服や防具、武器にも臭い消しはかけておくつもり。特に食事の後はね」
私の話を聞いたレイが私達に頭を下げた。
勢いのいい動きに驚く間にレイはゆっくり顔をあげる。
「俺も意識を切り替えるべき、だな。悪かった。命の危険があるというのは覚えているし、理解しているんだが……どうにも気になって」
「他の工房の事?」
「ああ。強いモンスターに囲まれる可能性が高いんだろう? 警備結界は購入できたと聞いた。ただ他の回復アイテムは少ないと……だからその、俺が持っていた回復アイテムは彼女に譲ったんだ。教会出身の彼女は自由にできる金が少ないと教えてくれた。だから個人的に購入することもできなかっただろうし、同じ錬金術師をしている君たちの所で購入はしにくい。これらの事情は無理に聞き出したが、合わせてこれまで学業が忙しくて冒険者や依頼を受けて金を貯めることができなかったことも話してくれた」
それと消臭アイテムに何の関係があるんだろうと首を傾げるとレイは続けて教えてくれた。
盾を武器として使うことも覚えた、と。
「不意打ちだとほぼ確実にダメージが入る。特に盾は魔力を纏わせることで硬度を上げられる。俺は元々貴族だったから、他の騎士より多少魔力が多いんだ。足音を消すことは勿論、身に着ける鎧もできるだけ音が鳴らない様工夫しているし、そういう動作もできるように訓練している。だから、臭いがないと安心して死角からの攻撃ができると思った。後付けのように聞こえるかもしれないが、俺も死にたくはない。回復する頻度が減るように攻撃をして先に倒せばいいと思ったんだ」
「―――で、今回の実習後に余った分を訓練後に使おうってことね?」
「う。その通りだ」
「いいわ。そういう事なら―――私もまだ作っていなかったから実習に間に合うように試作してあげる。ただ、足音や物音を消す訓練について明日、朝から昼まで詳しく教えて頂戴。消臭アイテムの材料費は持つから、アイテムはタダでいいわ。とりあえず、トリーシャ液と石鹸でいいわね?」
「あ、ああ!」
嬉しそうなレイをスルーして、ベルはコツコツと自分の作業机にある爆弾を指さした。
エル達はコチラの会話を聞いていたみたいで目が合うと、手を合わせて謝られる。
イオの顔が怖い。
「聞いて。まず、アイテムの使い方を説明するわ。これは【殺虫弾】というアイテム。虫特化の爆弾よ。硬い外殻を持つ虫も殺せるように【虫限定:腐蝕】の効果があるの。範囲は、そうね……通常販売されている炸裂弾の2倍。出来るだけ遠くに投げて頂戴。綺麗に消し炭になるわ。吹っ飛ぶと死骸がこっちに飛んでくるかもしれないから、炎で燃やすことにしたの」
次に、と大量の爆弾を紹介するベル。
騎士科の三人の顔が引き攣っていったのは見間違いではないと思う。リアンもそっと目を逸らしていたくらいだし。
ベルの説明が終わると、リアンが薬について話を始めた。
「ベルに倣って危険度の高いものから説明しておこう。毒薬は基本的に僕が持つ。薬は僕とライムが多くを請け負うが、回復アイテムはある程度余裕を持てるよう各自に渡しておく。使った分は帰還後に集計するが金はとらないつもりだ。ただし、僕らで使う場合はと忠告しておく。他のグループの人間に使うことは許さない。回復薬を無料にしたのは、騎士科の三人に死なれると戦況が厳しくなるからだ。特に盾を持つレイには多めに渡す。足りないとライムが判断すれば、どんどん回復薬を使う。君が死ぬと戦闘バランスが崩れるからな」
「あ、ああ。それは助かるが……」
「小さな傷でも命とりになりかねないから、切り傷や擦り傷、何かに刺されたなどそういった場合は迷わず僕に言うように。鑑定をして適切な薬を渡す。幸い【虫刺され軟膏】を用意しているから刺されたりかぶれた場合はすぐに言ってくれ。虫に関する怪我や傷に優れた効果を発揮するからな。虫毒も同時に解毒できるぞ」
「あの、その薬は今後店で販売しますか? するなら是非買いたいのですが」
口を挟んだのは意外にもイオだった。
真っ直ぐに、そして真剣な目でリアンを見据える。
「数はかなり少なくなるが販売予定だ。これより量は少ないが、値段も抑える。一つあれば暫く持つだろうし一つや二つなら優先的に売ってもいいぞ」
ただし、転売は禁止だと言えば三人が頷いた。
こっそりリアンにレイが融通したことを怒っているか? と聞けば首を横に振って肩を竦める。
「工房生に『無料で』渡したなら問題ない。販売金額より高い値段で売りつけた訳じゃないからな」
「そっか。自分で購入したアイテムを渡しただけだからいいのか。多分私が作った物をミントに渡してるのとおんなじだよね? ミントも色々くれるから違うかもだけど」
「ほぼ同じだ。工房も赤字から回復しているし、今後も新しい商品を限定で売り出していく。赤字にはならないが、稼げるだけ稼いで卒業時にある程度貯めたい。卒業時に工房生は使用した工房の家賃などを引いた額が手元に残るからな。これはマイナスでも問題ないようだが、独り立ちした時の資金は多い方が良いだろう―――特に、僕と君は」
貴族ではないから、とは言われなかったけれど察することくらいは出来たので素直に同意。
ベルはベルで大変だと思うけど、少なくともお金には困らないと思う。
その後、用意した食料の紹介や当日着ていく服を預かった。
実習は明後日だ。
明日から暫く店は休むと伝えてあるので一日フリーだ。
でも、この時間は体を休ませる為と打ち合わせの為に工房に泊ってもらうことにした。
学院自体も実習の三日前には準備休として休みを設けているらしい。
三人は明日、金策の為に軽い訓練を兼ねて騎士団の仕事を手伝う手筈になっていると言っていた。これはエルとイオの策。
「一通り話したと思うけれど、最後にコレについてライムから話があるわ」
そう言って広げたのは騎士から報酬として受け取った第二区間の地図。
多くの文字が書き込まれたそれは私にとって宝の地図だ。
初めて行くとは言っても、地図が読めない訳じゃないからおおよその場所は頭に叩き込んである。
「これ、採取ポイントなの。こっちがモンスターの縄張り。ここ以外にも巣を作っていたり、ウロウロしてたりすることはあるみたいだけど、私は数を稼ぎたいからまず採取をしたいんだ。採取の間は魔物除けをするけど、移動の合間でエル達とディルが獲物を見つけやすいように、魔物やモンスターの目撃例が多い所で人がいないか探りつつ戦闘って形になることもあると思う」
戦闘を後回しにしたいのは、戦闘をすると薬草や希少な素材が生えている場所が荒れる可能性が高いから。
それなら初日にでも粗方群生地を回って、採取をしてしまいたい。特に希少な物、第二区間でしか採れない素材重視で。
「群生地と泉の場所を見て、野営はこの辺りだと嬉しいなぁって」
指さしたのは第二区間の一番端っこ。
リンカの森は警備が厳しくなる第二区間から強力な警備結界で範囲を限定している。
ので、実質、一番端にあたる部分の外から攻撃されることがないのだ。
「泉からは一番遠いから単純に水を飲みに来るモンスターや魔物と鉢合わせする可能性が少ないと思うんだ。それに、危険が多い第二区間で態々端っこまで隈なく素材を採取する人って少ないみたいなんだよね……ほら、群生地、比較的外側にあるでしょ? 皆、駐在所が近くにある所で野営したがるし、利便性を考えて泉の近くで野営するんだと思う。だから、魔物もモンスターも水は勿論だけど人間や彼らが持ち込む食料目当てにこの辺りに集まるんだと思う」
水の採取は、最終日でいい。樽や水袋はたくさん用意してる。
樽はトランクにギリギリ収まる大きさを山ほど買った。まぁ、倉庫に収まる範囲じゃないと困るから、その辺は考えてるけどね。
私の話を聞いていたエルが、顎に手を当てて口を開いた。
「俺もそれでいいと思う。獣系は臭い、虫は熱や呼吸に反応する。それに加えて、多くの人間が来るんだ。それも集団で」
「そう、だよね。冒険者とかも入れる人は限られているみたいだし、沢山人間が押し寄せたらモンスターとかどういう行動をするのかも少し気になるんだ。採取地荒れないといいなぁ」
「だな。ただ、魔獣やモンスターの類いはこちらに来るより対策不足の人間から襲うと思うぞ。俺たちは人数こそ少ないが、魔物にも『危機意識』はある。魔力の高い人間は『厄介』だからな……強い個体なら特別な理由がない限り弱い方に向かうんだ―――他の工房も狙われるだろうが、警備結界がある上に大所帯だ。それなら、貴族騎士や他の錬金術師から潰すだろうな。死体は食うだろうから、腹が満たされている間は襲い掛かってこない」
淡々と話すエルの横でイオとレイが頷く。
続けたのはイオだった。
「今回は期間がありますが三泊四日と限定されている上に比較的短い。なので、いち早く一定の功績を上げてしまえば問題ないかと。僕らも数を片付けるか魔物を数体、モンスターの群れをいくつか潰せば大丈夫です。ディルさんは、契約でしたか?」
「ああ。騎士と協力して契約することも許可されているので弱った所を捕える方法でも構わない、というよりこの方法が一番効率が良い。連携が出来ているということで召喚師側にも騎士側にも上乗せで得点が入る―――講師が話していたから間違いない。そもそも、召喚師が騎士と組んでも上手くいかないことが多いからな。俺個人としては、『契約』はしなくてもいいと言われているが、して損はない。アイテムは元々買う予定だったしな」
「そういや、錬金術師が今回作ったアイテムを購入するだけで良いんだったか? けどまぁ、どっちでもいいって言うんなら両方やっておこうぜ。弱らせたところをディルが契約ってことでいいか。錬金術師は採取した素材でアイテムを作るんだよな? 第二区間で取得できる素材だけで何が作れるんだ? これだけは採取したいって物はあるか?」
そう言われて私は首を傾げた。
取得できるアイテムリストを思い浮かべて、唸る。
初級回復薬なんかは作れるけど、それなら第一区間でも作れるから却下。
何ができるだろう、と考えてレシピを開く。
「うーん。いくつかの特効薬、薬の素材、装飾品……色々あるけど、どれも微妙に素材が足りないんだ。それも動物系の素材だから、モンスターや魔物を倒さないと駄目。魔物のレベルが高くなると調合も難しくなるよ」
「流石は『評価』を兼ねて行われるだけある。出来ればいくつか必要な素材を絞ったうえで戦うのがいいかもしれない。その方が効率的だ」
「あと、泉の底に貝がいたから、取りたいんだよね。浅い所にいるかな。あと、泉にモンスターとか魔物はいる?」
「水棲モンスターや魔物はいると思うぞ。どういうのが出るのかは知らないし結界もどうなってるのか。確認はしておくけどよ」
「そっかぁ………じゃあ道具で捕るかないね」
仕方ない、と言えばエルが諦めないのかよと苦笑した。
宝珠貝は美味しいらしいし、食べてみたいことをあわせて伝えると、みんな納得してくれた。
方法は、と聞かれたので住んでいた場所で使っていた道具を取り出す。
これを使えば大丈夫だと思うんだよね。ちょっと慣れるまで大変かもだけど。
「割れない硝子を下にして浮かべるんだ。これで海底とか水底を見ながら、貝を挟んで引き上げるの。一個ずつしか取れないけど、潜らなくていいから安全なんだ」
「随分と変わった道具ね。長い棒の先に金属製の棘が四つ?」
「うん。おばーちゃんの故郷にこういう漁法があったみたい。特別に作ってもらったって言ってたんだけど、三本あるから皆やってみる? 【水覗き】は二つしかないけどね」
水覗き、っていうのは四角い箱に硝子が張られた道具のこと。
面白そうだな、と言われてついでに釣りの道具も持って行く?と聞けばレイが食いついた。
どうやら魚釣りはしたことがあるらしい。
「貴族だった頃に目をかけてくれた叔父がいたんだ。入り婿だったから肩身は狭かったんだろうが、博識な人で……交流を止められてからも文通はしていた。幼少期に釣りにつれて行ってもらって、よく領地で釣りをしたんだ。懐かしい」
「釣り道具もあるよ」
「! それなら俺は釣りがしたいんだが」
食材確保にもなるし、とエルやイオが頷く。ベル達も異論はないらしい。
私達が湖で釣りと貝の確保をする間、警戒は引き受けてくれるそうだ。
ディルに至っては水棲モンスターや魔物はまだ持っていないから捕まえるのも良さそうだと笑っている。
それから、エルとイオたちから『出現する、もしくはしたことのある魔物・モンスター』について聞いた。
傾向と対策について話をして、最後に錬金科で感じたことや先生からの忠告についても。
話を全て聞き終えた四人の反応が意外にも薄くてただ頷いていた。
「もう少し驚くと思ったんだけど」
「あー、俺たち騎士科は貴族騎士と庶民騎士に分かれてたんだけどなぁ……今回の実習で庶民騎士の中でも貴族騎士と組みたいって奴が出て来たり、貴族騎士も庶民と組む方がいいって言って来たり……まぁ、色々と酷い状態なんだ。幸い、と言うか工房組と組んでる俺らは仲間割れはしてない。騎士同士で組むよりはるかに有利だし、そもそも、騎士科以外の生徒と組んだ時点で評価段階が違うんだ。ただ、騎士科同士で組むと最低ラインからのスタートになる。その為には多くの魔物やモンスターの討伐がカギになるからな………ま、俺らも嫉妬やらなんかで絡まれることもあったけど目前に迫ってくると俺らに構ってる時間もなくなってる筈だぜ。指導者が誰もいない状態で魔物やモンスターと対峙する必要があるし、第一区間は比較的安全だが、モンスターの取り合いになる。第二区間は危険で対処できなければ死ぬんだから」
エルがそう言えば、レイが言葉を続けた。
二人とも真剣な顔をしている。
「庶民騎士で仲のいい奴らには声をかけて、第二区間で上手くやる為の情報はある程度教えている。情報を蔑ろにしなければ、警備結界を買うか何かしら工夫をするだろう。警備結界には『貸し出し』もある。それを利用するだけでも生き残る可能性は高いが、魔具の工面について調べるのも全て自己責任だ。聞かれれば答えるがそこまで親切にする必要はない。ある程度のことを自分でしないと騎士になった時に困るのは守るべき国民だからな」
騎士科も大変なんだ、と初めて知る事実に目を見開いているとディルは小さく息を吐いて続けた。
「召喚科は基本的に家柄で相手を判断し貴族騎士の家に護衛を持ち掛ける。あくまで指名スタイルだな。召喚科の生徒が少ないこともあるし、召喚師は家の力も大きいから警備結界は勿論他の魔道具も充実している。ただ、騎士は召使のような状態になるが生きて帰れる可能性は五分五分だぞ。中には、庶民騎士や敵対する貴族騎士に声をかけて『餌』にすることもある。庶民騎士は家のしがらみがない分気を付けるべきだな。貴族騎士は大人しく死ぬか実力を身に付けるかの二択だが―――― 俺の場合は元々、実力も家柄も上級生や教員が文句付けられない程大きいから、問題はない。次期当主だし将来を考慮すると突っかかってくるような馬鹿はいない。突っかかってきたら潰すだけだしな。家ごと」
「……流石、大貴族ね。私の家も騎士の中で大貴族と呼ばれているけれど、召喚系の貴族は職種内のパワーバランスが厳格だと聞いているわ」
「戦争や魔物などが押し寄せた際に指揮を執るのが各職種の大貴族だからな。その分実力も必要とされるが権力も多く与えられている。俺に盾突く、と言うより下の人間があれこれ揉めているのは知っているがこちらに影響はないだろう。俺たちの工房には騎士科の大貴族に部類されるベルもいるからな。多方面に喧嘩を売る馬鹿はいない」
なんか、凄まじいねと言えば貴族の二人は『権力は便利だが使いどころを間違えると後で面倒だ』と締めくくった。
この二人の共通点は『社交』があまり好きではないってことだと思う。
話し合いで翌日、訓練や回復薬の充実、他にも出来る全てのことをした。
作戦会議もそうだけど『実習』がある日に、一緒に学院に向かおうということになったので工房で寝泊まりして貰った。細かい打ち合わせとかもだけど、ギリギリまでスムーズにできるようにってギルドで受けた依頼をこなす傍ら、食事の時間には必ず戻ってきて、あれこれ熱心に手伝ってくれたのは予想外。
しかも、サフルに聞きながら店の前の掃除や草むしりも進んでしていたのにはびっくり。
一番驚いたのは、ご飯の度にエル達が毎回感激しながらご飯を食べていたことだ。レイなんて泣きかけてた。色々節約してたって聞いたけど……食生活を聞いて良く生きてたなぁって思ったのは私だけじゃなかったらしい。
ここまで読んで下さって有難うございます!
色々ありましたが今後も連載は続けてまいりますので、お付き合い、また一緒に楽しんで下さると嬉しいです!!!
何をだそうかなー!!どんなことが起きるかなー!!と他人事のように楽しんでます(考えて!)
毎回誤字脱字の報告、ありがとうございます。いつも本当にお世話になって。
評価、感想、ブックなどにも支えられ、何とか目標の一つに辿り着きました。
今後も長い目で応援して下さると嬉しいです。
=アイテムなど=
【水覗き】
現代で言う箱メガネ。もしくはガラス箱。水の中を覗ける。
【貝突き銛】
長い棒の先端に丈夫な四本の金属製の棘がついたもの。海底にある貝を挟んで、引き上げる。
【ホウジュ貝】
綺麗な淡水の水でしか育たない貝。手のひら大。貝柱を食べる。
火を通すと味が濃くなって美味しい。痛みやすいので大体はオイル漬けか干し貝柱になる。
成長過程で小石や貝の殻などが入ると、貝柱を傷つけないように貝は特殊な液体を出し、無害化する。
これがパールと呼ばれる美しい宝石となる。
色は様々だが、乳白色・黄金色・黒色・ピンク系の四つに大きく分類される。