206話 雨の中の支援
なにか、手に入れましたwww
収獲したものについては、次の話に持ち越します。
何て楽しい。
急停止した所為で私たちは、馬車の中で体勢を崩した。
聞こえてきた音から車輪部分が濡れた土で滑ったんだろうなと思った。
だって、感覚的に横滑りした感じが凄かったし、泥水を盛大に跳ね上げる様な音が馬車の中に響いて凄かったから。
(でも、運よく崖下には落ちなかったみたい。これだけで十分っていうか……落ちるの想定して頑丈な馬車にして貰ってはいたけど、耐えられるかどうかは別の問題だし)
良かった、と思わず零れた。
停止した馬車の中でノロノロと体を起こしていると、ラクサは既に体勢を立て直して馬車後方から周囲の様子を窺っていた。
「崖と反対の岩壁側に馬車が振られたお陰で無事だったみたいッスね。オレっちが見てくるんで、動かないで欲しいッス。必要であれば呼ぶんで―――…そういや御者は戦えるんスか?」
「護身術程度だ。ラクサ、僕も降りる。状況を把握したい」
「助かるッス」
短い会話の後二人が降りた。
走っているんだろうけど泥が跳ねる音も聞こえない。
大丈夫なのかな、と思っていると――…空気が冷え切っているのに気づいた。
(息が、白い……? さっきまで全然何でもなかったのに)
嫌な予感がして肌が粟立つ感覚にがザワザワと私から余裕を奪っていく。
ぎゅっと自分を抱きしめるように小さくなっているとベルの声と体温を感じた。
顔を上げると私を守ろうとしてくれていたらしいベルが背後からギュッと抱きしめてくれていた。
「ライム? どうしたの、なんだか様子がおかしいけど」
「ベルは、寒くないの? 急に温度が下がってるのに」
「寒い……って。言われてみると少し肌寒いかもしれないわね。でも、外は雨だし風もある。夜の山って気温が下がりがちだから良くあることだと思うけど」
そっか、と返事を返して疑問は飲み込んだ。
代わりに護ってくれてありがとう、とお礼を口にする。
(ベルは、気付いてない。現に吐く息が白いし、首の後ろがゾワゾワするのに……何で?)
気のせいだと言われたら納得できてしまう程度だ。
でも、無視は出来なくて私はそっと深呼吸を繰り返す。
沈黙が訪れた馬車の中は静かなんだけど、全員が外へ意識を集中しているのが分かる。
絶え間なく吹き付ける風と雨で微かに揺れていて不安を煽った。
その時だった。
雨音の中に響く微かな足音に気付いた瞬間、馬車の出入り口から光が射したのは。
「武器を持って外に出ろ。魔石ランプは最大光量にしてくれ。ディルは浄化の炎を頼む。ライムは支援を。ただし絶対に前に出るな、サフルはライムの護衛と前衛が崩れそうになった場合アイテムを運んでくれ――― いいか? ライムは絶対に、動くな」
リアンの声だった。
念を押すような、反論を許さない声に戸惑いつつ頷く。
余裕がなくなった時の声色だ。
外で想定外の何かが起きてるんだろう。
「あ、ちょっと待って。ディル、これ食べて行って。無駄になってもいいから、皆も」
リアンにも渡して、と飛び出しそうになってるベルにいくつかのアイテムを持たせ、静かに移動しようとしていたディルの手を引く。
渡したのは氷石糖だ。品質も効果もいい一級品。
ベルに渡したのは丸薬。
サフルは傍にいてくれるとの事だったので、アイテムを渡す機会はあるだろうと判断。
ニウスとファラーシャには馬車にいるよう言い聞かせていたので二人は大丈夫だろう。
魔石ランプも一つ置いてきた。
外は土砂降りの雨で、崖下から吹き上げる風と空から私たちを押し潰すように吹く風で凄いことになっている。
馬はリッターホース。
しっかり訓練されているお陰で落ち着いていて、じっと前方を警戒しているようだった。
その横にはがっちりとした体格の男性ともう1人、二十代後半の男性が武器を構えている。
「リアン様はどうぞお戻りください……ッ!」
「戦況次第で、引き返すことも考慮しておいてくれ。その判断は僕が下す」
すかさず胸に手を当てて頭を下げた御者さんの横をリアンは走り抜けた。
いつの間にか先頭を走るのはベルになっている。
(風が強すぎて、音が殆ど聞こえない上に暗い中の雨。目で見るのは難しそう)
こうなる前に、雨が降り始めた時点で、私たちは雨用の服に着替えていた。
万が一で行動していてよかったとしみじみ思いつつ、足を動かす。
服のお陰で目は開けられるけど、雨具越しに叩きつけられる大粒の雨に思わず顔をしかめた。
悪天候にも程がある、と思っていると前方から聞こえて来たのは笛の音。
甲高く悪天候でもよく聞こえるソレは『強敵』の合図。
「敵は変異グール! 素体はヴァルトベア。半分腐ってる上に、魔石は背の中央ッ」
ラクサの怒声にも似た声とバチバチッという黄色い閃光に息を飲む。
飄々としているラクサに余裕がない事は直ぐにわかった。
直ぐにベルが声を張り上げる。
まだ、ギリギリ聞こえる声量だった。
「ッ……私が前に出るわ! ラクサとリアンは補助、ディルは浄化の炎を急いで! サフル、回復ポーションなら短く二回、魔力回復なら短く三回吹く。状態異常は長く一回吹く」
言うや否や、ベルの走る速度がグッと上がった。
ベルの腰にぶら下がっている小型の魔石ランプが遠くでチラチラと輝くのを眺めながら、私は唇を噛む。
「サフル。くれぐれも、ライムを頼む。余裕のない戦いになるから、変異グールに気付かれないギリギリで待機。ライムは絶対にサフルから離れないように。もし狙われたら君は直ぐに馬車に戻って『警備結界』を張れ。僕らは隙をついて戻るから状況に応じて解除を」
「――…リアン達も気を付けてね。絶対に食べられちゃ駄目だよ、治らないからっ」
「分かってる」
短い言葉と共にリアンも走り出す。
手に持っているのは殺傷力が高い茨鞭。
特殊な鉄鋼で作られ、魔力伝導率に優れていて軽く、頑丈。
その鞭には更に強力な毒を仕込んでいるから、小さな傷からでも毒は回ると言っていた。
素材として使える箇所が少なくなるからあまり使いたくないって言っていたのを思い出して、パンっと自分の頬を叩く。
しっかりしなくちゃいけない。
大事な仲間を失わないように、考えなくちゃ。
(心配だけど、直ぐに対処できるようにしなきゃ。武器は持ってても無駄、だろうね。みんなが苦戦する相手に私がどうにかできるとは思えないし……爆弾も駄目。崖自体は色々丈夫になってるみたいだけど、万が一ってあるし)
ポーチから体力回復薬と万能薬を取り出してサフルに渡しておく。
勿論多めに。どうなるのかなんて分からないから、万一の為のオーツバーも多めに渡した。
「同時に複数使うこともあるかもしれないから先に渡しておく。サフルも無理は絶対にしないで――…長引くと体力が落ちるし、オーツバーなら回復薬で流し込んでも大丈夫だから集中力が切れそうだったり、諦めそうになってたら口に突っ込んで。甘いの食べると元気出るから」
「かしこまりました。私はもう少し近づいて様子を見ます」
「うん。笛を吹く余裕がない事もあるだろうし。あ、小型の魔石ランプはサフルが付けて。私は大きいの持っておくから。大きな灯は動かない私が持ってた方が目印になるでしょ?」
「―――…ですが、目立ってしまいます」
狙われたら、と心配してくれるのは伝わって来たけれどこれは譲れなかった。
首を横に振って心配ないと伝える。
「警備結界は凄く頑丈だって聞いてるし、あの集落の人達が作ってくれたものだよ? 私がいる所まで避難すれば結界を展開できるようにするってアイテム渡すついでに伝えて。逃げる距離は短い方がいい。敵がどのくらいの速度で動くかも分からないし、魔力量は私が一番多い筈だし、戦闘に参加しないから私の魔力は減らない。最悪、御者みたいなことはできると思う」
実は、何かできることはないかと思って集落で馬の乗り方を教えてもらっていた。
付け焼刃だけど、よく訓練されている馬なら問題なく操れるだろうとも言われてる。
「で、サフル。これ飲んでくれる?」
取り出したのは小さな瓶。
三口分くらいの液体が入っているのを渡せば、彼は直ぐに口にした。
「効果聞いてから飲もうよ……」
「ライム様が下さったものです。毒でもなんでも構いません――…あれ。視界が」
「それ【視力強化薬】って言うらしいの。私達じゃ作れないんだけど、センカさんから餞別だって貰ってて……今、凄く視界、悪いから」
リアンとベルは既に三つずつ貰っているので飲んだ方がいいと思えば飲むだろう。
続いて、サフルに二つ、薬を渡す。
ディルとラクサ用だ。
「薬を届ける時に聞いてみて。必要だって言ったら渡して欲しい。瓶は出来るだけ回収してくれると嬉しいけど、無理しちゃだめだよ」
私は直接戦う訳じゃないから安全だ。
安全だからこそ、周りを見なくちゃいけないと前方を睨みつける。
見えるのは巨体。
雨が酷くてよくは見えないけど、皆が一生懸命戦っているのだけは分かった。
それぞれ小型の魔石ランプをつけているからでもある。
(ディルの詠唱が終われば、また戦況が変わるんだろうな)
気をつけなくちゃいけないのはその辺りだろう。
戦況が変わると動きが変わる。
怪我をしやすいのはそういう時だとケイパーさんや集落の人達に聞いた。
聞こえるのは雨にかき消される皆の怒声にも似た声。
ハラハラしているとぐるりと周囲を囲むように白い炎が円形に広がって、地面を揺らすような咆哮が響く。
(威力が……弱い。そっか、風の所為で!)
ハッとして周囲を見るけれど私にできることはなさそうだ。
念の為中級の魔力回復薬を取り出す。
戦い始めてまだそれほど時間は経っていないのにも関わらず、サフルは既に三回もポーションを届けている。
今の所怪我らしい怪我はないが疲労が凄いと聞いた。
「熊は少しずつ後退してるみたいだけど弱ってるって考えない方がいい、よね」
グールは死体を食べるモンスターの総称だというのは覚えている。
ベル達が『危険』って言っていたから。
その中には食べたものの才能や特性を奪えるタイプもいるらしい。
今回のはまだ『半分』しか腐っていないから素体がグールとして馴染んでいない状態、だろうっていうのがリアンの見解らしい。サフルが聞いて来てくれた。
熊が下がった分近づくよう言われたので慎重に前へ進む。
サフルがいる位置まで、と言われているので足を進めながら一向に弱まらない雨風にムッとする。
少しくらい、こっちの味方してよね! なんて誰に言うでもなく八つ当たりみたいに考えた。
馬車は待機。
皆が逃げる判断をしたら私が前に出て結界の中に入れて熊だけ閉めだせばいい。
「最悪誰かが怪我したら、前の方に走ってって結界張ろう」
そうしよう、と決意してサフルの後ろにつく。
多少近づいたけど、視界が悪いお陰でうすぼんやり大きな影と小型魔石ランプの光が時々チラチラ見える。
足元に目を向けると乾いた土は水溜まりがいくつもあるし、粘度を帯びて更に滑りやすくなっていた。
(……足場も天気も悪いってことは、ベルはやりにくいよね)
砂を足元に撒ければ少しは滑りにくいだろうと思ったけど、砂は持ち歩いてない。
ポーチに入らないにしても、トランクには入れておいた方がいいかもしれないと思った。
「サフル。今どういう状況?」
「ディル様とラクサ様が雷や風といった魔術などを使って隙を作り、リアン様が反撃しようとしたら拘束、ベル様が腐っていない方の足を重点的に攻撃しています。体力や魔力は消費しているようですが、安定しているようですね――…ライム様。回復薬と魔力回復薬を頂けますか。ベル様が丸薬を使い切りました」
「わかった。じゃあこれ持って行って。一応、氷石糖も持って行ってね。効果が切れるとマズそうだから」
「体勢を崩した瞬間に身軽なラクサ様が魔石を回収するそうです」
行ってまいります、と返事をしてサフルが遠ざかる。
小さくなっていく背中を眺めながら私は息を吐いた。
待つだけの方がきつい。
ふっと視線をつい先ほど皆が戦っていた所の岩壁周辺へ向けたんだけど、そこで影のような物が動いていることに気付いた。
黒い塊が揺れている。
サフルがいないのもあって、どうするか少し迷った。
けど、新しい敵だったら困るのでゆっくり警戒しながら近づいてみることに。
危なそうなら警備結界を張ろう、と決めた。私が倒せるとは思ってない。
掌に汗が滲んでいるのが分かって、何度か握り直す。
一度回復アイテムはポーチに戻した。
代わりに武器を手に取った所でサフルが戻ってきたんだけど手には武器が握られている。
「遅くなり申し訳ありません。今が好機とのことで私も戦闘に加わることになりました。お傍を離れ―――…? ライム様、何故武器を?」
「途中まで一緒に来てくれる? なんでもなければ安全な所まで下がるから」
不思議そうにしながらも力強く頷いてくれたサフルと共に見つけた影に近づく。
あそこに、と見つけたものを報告するとサフルが首を傾げる。
「何かありますね。私の眼には動いているように見えないのですが」
「気のせいかもしれないけど、もし敵だったら皆が危ないから確認だけでもしたい」
動いた影は皆の背後に位置しているから、もし敵だったら挟まれてしまう。
ベル達の方も急ぐだろうから、と速足で近づく。
1メートルほどまで近づくと黒い塊が『何』なのかわかった。
「ボーデンヴォルフの、死骸?」
ファウングより一回り大きいボーデンヴォルフは一頭。
喉笛を噛みつかれ、腹を切り裂かれた状態で横たわっていた。
最後まで険しい顔で敵だったモノを睨みつけていたことが分かって、毒物用の手袋に付け替える。
「ライム様、あまり近づかれるのは」
「うん。目を閉じるだけ。埋めてあげたい、けど戦いが終わってからだね」
そっと開いたままの眼を閉じてやる。
雨で濡れてぺしょっとした毛皮が何とももの悲しい。
弱いモノは食べられるのが常だとしても、それでもあまりいい気持ちはしないよなと立ち上がりかけた時、大きな狼の下敷きになっているなにかに気付いた。
(なんだろう。何か敷いてる?)
ごめんね、と謝ってから大きな体をよいしょと持ち上げると下から出てきたのは子供のボーデンヴォルフの死骸だった。全部で4匹。
「お母さんヴォルフが子供を守ろうとして戦ってたのか」
だから、最後まで険しい顔で敵を睨みつけていた。
やるせないな、と一匹一匹、頭を撫でて―――……気付く。
一番小さな個体の腹が僅かに上下している。
「ッ……生きてる! サフル、先にベル達に合流して。私、この仔ヴォルフ持って下がってる」
「で、ですが野生のヴォルフは」
「念の為、睡眠薬嗅がせてから治療するよ」
「牙を剥いたら私が処分します。ライム様の身の安全が一番大事です」
分かってる、と伝えればサフルは頷いてベル達の元へ。
リアンとベルの大声が響いたので多分、私が仔ヴォルフを保護したことを伝えたんだろうな。
そんなことを考えつつ、素早く仔ヴォルフの口に初級ポーションと万能薬を突っ込んで飲ませ、鼻っ面に睡眠薬を染み込ませたものを押し当てる。
最初に睡眠薬を、って考えはしたんだけど回復薬を飲まないかもしれないと思ったので後に回した。人みたいに口移しで薬はちょっとね。グールみたいなやつにやられたんだろうし。
飲ませながら皆の様子を窺ってみる。
あちらは今の所問題はなさそうなので、注意しながら対処を続ける。
「―――……あ。倒れた」
激しい雨と風でぼんやりしてるものの、巨体がぐらりと大きくよろけた。
数秒後、体中がビリビリと痺れるような衝撃。
微かな余韻と遅れてやってきた音にギュっと目を瞑る。
どうやら無事に勝てたらしい。
チラチラと浄化の炎が揺れているのを眺めて息を吐く。
「素材回収はベルに任せた方が良さそう、だね」
ポーチから古いシーツと温かいタオルを出して小さなヴォルフを包む。
体力がある程度回復したらしくすやすや眠っていた。
古いシーツで包んだのは親の血で汚れていたからだ。
「……怒られるんだろうなぁ」
ハハ、とコレからのことを考えると乾いた声が漏れた。
でも拾ってしまったものは仕方ないし、荷台を引いてくれるファウングの代わりにもなりそうなので頑張って説得してみようと思う。
(まずは餌付けから始めるか)
よし、と頷いてまだ手で抱えられるくらいの小さな生き物を抱きしめた。
血生臭いけど確かに温かくて暖房代わりにも良さそうだ。
防水布で更に仔ヴォルフを巻いて、口にほどけない様革ひもを結んでおく。
噛まれるのは嫌だ。
「うわ……凄い」
白く、大きな火柱が上がった。
綺麗な炎に見惚れているとディルがフラフラしながら戻ってくる。
結構無茶をしたらしい。
慌てて近づけば低く疲れ切った声で
「ライムの、飯が食いたい。腹減って死ぬ」
との事。
取り合えず、正面に回って濡れないようにおにぎりを差し出した。
あっという間に消えていくので立て続けに4つ渡すと少し落ち着いたみたい。
「……理由わかっちゃいるんスけど、この天気とさっきの状況と敵のグール見た後で良くメシ食えるッスね」
「デリカシーが死んでるからでしょ。さ、戻って少し休みましょう。流石に疲れたわ……あ、ディル後で私たちの服は綺麗にして頂戴。臭いがついてそうで嫌だわ」
「三十分休憩するか……少し体を温めたい」
満身創痍といった感じではあったけれど皆の声色は明るい。
リアンもホッとしたように息を吐いて、チラッと私が抱っこしている包みを見た。
「―――…ライムにも色々聞かなくてはいけないしな?」
あ、これ説教だ。
一時間コースの。
ここまで読んで下さって有難うございます!
ライムの役割がきまってからは書きやすいです。
一応、いつもより時間をかけて誤字などのチェックはしていますが……ど、どうなんだろう??(汗
見つけた場合は誤字報告かこっそり教えて下さると助かります!
読んで下さっている方、愉しんでるよーとおっしゃってくれる方、暇つぶしにはなるかな、と思って下さった方全てに感謝です。皆さんのお陰で楽しく書き続けていられます!
感想なども気軽にどうぞ。矛盾点なども教えて下されば出来る範囲で改善させていただきます!
=モンスターなど=
【ファウング】
犬や狼に近く、力も持久力もある。小型の荷台を引くのに適している。
性格は、個体差があるが従順で忠誠心がある。危険が迫ると吠えて知らせてくれるので、飼っている家は多い。
普通の犬よりよく食べるが、ある程度まで育てると自分で狩りをしてくるので農村地帯ではよく買われている。ただし犬や猫よりも高いが相応以上の働きをしてくれる。
家族として向かい入れる家も多い。
【ボーデンヴォルフ】
大地の狼。ファウングより一回り大きい。ファウングはボーデンヴォルフを家畜化したものという説がある。
毛色は焦げ茶~黒。個体により性格は異なる。仲間意識が強い。狩猟犬やパートナーとする冒険者も多い。
ファウングより力が強く素早いが、群れで生活するので単体でいることは殆どない。