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198話 そっとついてくるもの

ギリギリでもセーフはセーフ!

一本でもニンジンというように、セーフは、セーフです!!!

 



 朝、いつもより少し遅くに目覚めた私は慌てて階段を下りた。



 一階の台所に行く前に食事をする為の大きいテーブルがあるんだけど、そこに見慣れないものを発見した。

 黒い布が巻かれた黒い刀身の短剣だ。



「誰か片付け忘れたのかな、これ」



 はて、と首を傾げつつその隣に置いてあるものにも目を向ける。

薄く伸ばされた金属は装飾の一部と言うこと以外分からなくて、思わず首を傾げた。

コッチには細い針に紐をつけただけの武器らしきもの。


(珍しい武器だし、ラクサのかな。ベルは大きい武器が好きだし、リアンは鞭だもんね)


 針の先端が濃い紫色なのがちょっと気になるけど、私には朝食の準備という仕事がある。

ごそごそとポーチの中を探りながらテーブルの上の品物を眺めていると、何の前触れもなくドアが開かれて思わず飛び上がった。



「うっわ、びっくりした! おはよう」


「ソレに触ってないっスよね……ッ?!」


「へ? あ、うん。勿論。武器に触られるの嫌な人も多いって聞いたことあるから、触ってないよ。調理前に指を怪我するのも嫌だし」



 玄関から真っすぐに駆け寄って肩を掴んだラクサに驚く。

ギョッとしている私の手を確認してから深い息を吐いていた。


「良かったッス。此処に出しっぱなしにしてたオレっちも悪いんスけどね。焦った」


「この袋に入れておきましょう。うっかり怪我でもしたら大変です」



 いつの間にか室内にいたカルンさんが、ラクサに分厚く真っ黒な袋を渡す。

礼を言って慎重に短剣などを袋にしまい込んだ後、パッと笑顔を浮かべた。



「あと少しでディル達も来ると思うんで、オレっちも手伝うッスよ」


「ディル達って……え。皆、外にいたの?」



 起きるには随分早いんじゃ、と外を見る。

人工の太陽が顔を出したばかりだ。

 時間で言うと6時くらいかな。

いつもは5時くらいに起きるから一時間の寝坊。



「もしかして結構お腹空かせて帰ってくる?」


「そうッスね。運動した後なんで腹は減ってるッスよ」


「んんん、じゃあ………キッシュにしようかな。スープは野菜とお肉をミルクで煮たミルクスープ。パンは香草入りのバタルを塗っておくから、出来上がるまでスープと一緒に食べてて。サラダは直ぐに出来るから、サラダお願いしてもいい?」


「勿論っス。朝から豪華っスよねぇ」



 ニッと笑うラクサにサラダをまかせて、私はキッシュに使う野菜を切っていく。

時短の為に調合釜で作る予定だ。


 完成したら焼き色を付ける為にオーブンで少し焼くだけでいいし、キッシュもずっしり系の具にすれば割とお腹いっぱいになるはず。



(足りなかったら、作り置きしてたパンをスープに浸してチーズたっぷりかけて出しちゃえ。商店でチーズも安く売ってたし買い込まなきゃ)



 主な具は腹持ちのいいゴロ芋やくず肉を叩いたもの。

あとは、半端な野菜なんかを組み合わせて合計三種類の具を作る。

具を作ったら計量した小麦粉等を調合釜にばっさばっさと投入し、魔力を注ぎながら練り上げるだけだ。


 食べ物系の調合は慣れているし、魔力が増えたお陰で絶好調。

赤と緑、黄色をバランスよく混ぜた具は中々見栄えもいいと思う。


 塩胡椒を利かせたもの、ショウユなどを使ったもの、マトマの酸味を生かしたものの三種類に加えてウッカリ甘いキッシュも作ってしまった。



「……つ、作り過ぎた」



 魔力を注ぐのが早かったこともあるし、腕力がついてきたのも良かったらしい。

出来上がる傍から、ラクサといつの間にかサフルが片付けなどをしてくれたのもあってかなりのスピードで朝食が出来上がっていく。



「キッシュができたから、スープだね」



 スープはキッシュを作りながらラクサに野菜を切って炒めて貰っていたので、早かった。

必要な味付けをして魔力を注ぎながら加熱すれば完成だ。時間はたったの五分。


 テーブルセッティングは既にサフルが終えていたので、ずらりと大量のキッシュがテーブルに並んだ。香草バタルを塗ったパンもあるし、スープはスープ用の深い鍋に入れて二ヵ所に設置済みだ。


 これでよし、と息を吐いた所で外に出ていた皆が戻ってきた。

センカさんも外にいたみたいで何だか惜しいことをした気分。

センカさんって色んな素材に詳しいから一緒に外に出るの楽しいんだよね。



「……私、明日もっと早く起きる」


「いや、ライムはもっと寝ておいた方が良いっスよ。何だかんだで調合やらなんやら毎日働き過ぎっス。ほら、座った座った! あとはオレっち達がするんで。茶はサフルが淹れたいって言ってたんスよね。ほら、従者って茶ぁ淹れるの得意じゃないっスか。よく知らないけど」


「あー、確かにそんなイメージあるよね」


「でしょ」



 ってことで、と私をいつも座る席へ誘導した後自分も席に着くラクサ。

ちゃっかり食べたいものが乗った皿を移動させている辺りは流石と言うかなんというか。

戻ってきた皆は、それぞれお腹が空いたとそれぞれ好きな席へ。


 私の横に座ったのはディルとベルだ。

リアンは私の正面、ラクサはその横だったんだけど、リアンが少し難しい顔をしているのが気になった。


 で、大量に作った食事は全て無くなって絶句することになったんだけど、ミルルクさんとディルが凄い量食べてたんだよね。

 隣では満足そうに食後のお茶を飲んでる。



「ディルって、昔からそうだけどお腹壊さないよね。凄い量食べてるのにさ」


「胃腸は元より体自体それほど弱くないんだ。弱かったら生き残ってないし、召喚師は魔力回復の為に普通の人間より食う輩が多い。死にかけのジジイでもすげぇ食うのは見てわかっただろ。大抵のものは食えるな」


 ポカン、と口を開けた私にディルはクシャッと笑った。

昔みたいな笑顔と話し方にジワジワと湧き上がるのは実感。



「もっと早く前みたいに話してくれればよかったのに! 再会してからずーっと気取った話し方だったから、どう反応しようか時々考えてたんだよ。これでも」


「のわりに、緊張はしてなかったよな。まぁ、人目の多い所じゃ面倒くせぇ話し方しなきゃならないのは変わらないから、気を抜ける所は抜くことにする。こうやって話せるのは俺にとっていい息抜きにもなるし、なにより懐かしくて嬉しい」



 嫌じゃないだろ? と聞かれて頷けばディルも嬉しそうに笑ってグッとお茶を飲んだ。

大人っぽくなったし、髪の色も変わったけどディルは麓の子供と変わらない話し方だったんだよね。

 暫く楽しく話していたんだけど、皆それぞれ仕事もあるし、とちらほら工房や農場へ向かうことになった。


 私たちは温泉を拠点にしたいと話して了承を得られたので、このまま調合をしたり採取に励むことに。

調合釜もあるし、といつの間にか運び込まれていた大きな調合釜二つを見る。

 一度に二人しか調合出来ないけど、話し合いをして一つは一人で、もう一つは共同調合の練習として二人で使う。



「あ。そうだ。この辺ってスライムいるかな? いるならスライムの核集めたいなぁなんて」


「スライムでしたら温泉の周りに現れますよ。この周辺には比較的多いですし、こう言ったモノが取れますから採取ついでに倒すのもいいかもしれません。商店街に行けば、スライムの核を売っています。子供の小遣い稼ぎとして、買い取ってるので」


「カルンさんそれ買い占めても?」


「かまいませんよ。水が多いので不足することはほぼありませんから」



 リアンを見るとよくやった、と言わんばかりに頷いていた。

スライムの核ってお店の商品に使うものが多いから、あるならあるだけ買い取りたいんだよね。高くないといいな、と呟くとカルンさんが一つ当たりの値段を口にして、思わず目を見開く。



「安っ! え、そんなに安くていいんですか?」


「はい。希少なものではないですから」



 定期的に送りましょうか? という言葉を頂いたけど、申し訳ないのである程度の数になったら買わせて貰いたいと話をした。

 これで残量を気にせずに調合出来る、と息を吐くと黙って聞いていたセンカさんが懐から一枚の用紙を取り出す。



「スライムの核で思い出したんだがね、これをやるよ。清酒のレシピを教えてくれた礼だ。素材と取れる場所についても書いてある。上手く使うといい」



 受け取った羊皮紙には『ふるるの素』というアイテム名と必要な素材が書いてあった。

代替の素材も書いてあるし、至れり尽くせり。

センカさんに慌ててお礼を言った。



「それをくれてやる代わりにキッシュを適当に二人分詰めとくれ。夜はそれで済ませる。ここまで来るのは面倒でね―――ビトニーも立て込んでるようだし」


「なら、パイもつけますね。作り置きで申し訳ないんですけど、ミートパイと野菜のパイがあるので」


「そりゃいい。明日の夜に顔を出すから、ココにあるものを作りな。ある程度の素材は運んである。三人とも必ず全種類一度は調合することが条件だ。苦手だのなんだの言ってられなくなるから今のうちにやれることをやりな。リアン坊は慎重になり過ぎてタイミングが微妙にずれる、ベルは魔力の注ぎ方が雑、ライムは連続調合にもっと慣れるべきだ。飽き始めると雑になる」


「う。はい」



 わかりました、と返事を返しつついくつかのキッシュをバスケットに詰めて、トランクから作り置きのパイを取り出して潰れない様に丁寧に包む。

センカさんはバスケットをもって機嫌よく出て行った。


 続いて近づいてきたのはカルンさんだ。



「もしよければ、ですが……その、カレー味のパイを作っていただきたいです。勿論材料は私が持ちますし、対価として野菜や果物、ミルクなども多めにお渡しします。その、作業の休憩中や夜食に食べたいと思いまして……時間経過を無効にできるアイテムを私も持っているので其処に入るだけ詰め込んでおきたいといいますか」


「カレー味のパイですか……作ったことはないですけど、作れると思います。いくつか味の種類と中身を変えて作りますね。数はどのくらいあれば足りますか?」


「では、全部で30程お願いします」



 分かりました、と返事をしつつ50作って置くことを決める。

休憩中に食べて貰うってことは結構な数がいる筈だし、カルンさんって意外と食べるからね。

うん。


 メモ用紙に『帰るまでに用意するもの』をメモしていく。

パイの注文の他に、ミルルクさんからコメ料理が食べたいと言われたので炊き込みご飯を作って渡すことに。カルンさんと同じように時間停止の魔術をかけて保存しておくんだって。


 満足そうなカルンさんはサフルと、ミルルクさんはディルと一緒に出て行った。

ケイパーさんはラクサに何かを渡し、機嫌良さそうに扉を閉める。



「ライム、随分な量の調理を引き受けたみたいだけど大丈夫なの?」


「うん。まとめて作って、夕食に出せばいいし、作り置きしておけば馬車の中とかでも摘めるでしょ? 戻ってからは調合三昧になるだろうから材料が豊富な所で大量に作って置けば後で楽だもん」


「下拵えは私も手伝うわ。リアンは先に回復薬の調合をしたら?」


「それなんだが、先に採取だな。周辺に素材があることは分かっているんだ。護衛は一人でも多い方がいい。ラクサがいる内に採取は済ませてしまいたいと思うんだが、ラクサの予定はどうだ? 何か作業があるようなら僕らだけで行ってくるが」



 紙のような物を渡されていたラクサにリアンが話を振るとラクサは快諾。

どうやらラクサも素材の採取を命じられたらしい。



「モンスターの体の一部なんス。雨の中で『燃える』鼠の皮を剥げって……10匹分。手伝ってくれると嬉しいッス。そいつらの毛って、火力をあげるのに使えるらしいんで錬金術で金属を作る時に薪にくべるといいとも言ってたんで悪い話じゃないと思うんスよね」


「乗ったわ! その鼠のサイズは?」


「たしか、尻尾を除いて一メートルから二メートルらしいッスね―――えー、温泉地に生息する【テルメ・ブラマウス】は、尻尾は爬虫類の如く、体毛は常に青く発熱し死ぬと火が消える。生け捕りにした状態で温泉水の中で皮を剥ぐことができれば最高の品質を保つ革兼可燃素材となる」



 らしいッス、と話すラクサの口元は引きつっていた。

何とも言えない沈黙の中でリアンがぽつりと呟く。



「……生きたまま皮を剥ぐのか」


「生きたまま皮剥いだことないんだけど、ベルは?」


「私もありませんわ」



 どうしようか、と悩んでいるとラクサが深く息を吐いた。

ケイパーさんから渡された用紙をテーブルに投げ出し、頭を抱える。



「趣味悪ぃ上にどうやって剥ぐんだっての。生け捕りがまず難しいッスよ。鼠って素速い上に、コレ、魔物っスよ? 魔物生きたまま皮剥げってか! ニンゲンの皮剥ぐ方が楽だろ」



 げんなりした顔で頭を抱えるラクサの肩を、ベルが満面の笑みを浮かべて叩く。

何か妙案が? と顔を上げた所で胸を張ったベルが言い切った。



「そういう拷問じみたのはまさしくリアンの出番よ! 鞭持ちだもの」

「なるほど。神に認められた変態武器使いッスもんね!」


「縛り上げるぞ、そこの二人」



 冷え切ったリアンの言葉にラクサは「冗談ッスよ!」なんて言っているけど、ベルの方は本気だったらしい。

鞭の代わりに鎖を使えない? なんて聞いてるし。



「生きたままの解体……慣れるまで失敗するかもだけど、最高品質で採取する方法が分かってるなら試したいよね。火力って金属系の調合で高ければ高いほどいいみたいだし」


「はぁ。ラクサ……この鼠だが体液に毒は?」


「ないみたいッスね。とりあえず、実験してからにしまショ」



 ふぅ、と息を吐いたラクサが何かを思い出したように真っ黒い袋をベルへ渡した。

 朝見た武器が入っているのは分かっていたので大人しく観察していると、ラクサは夕食のメニューを教えるみたいにサラッと告げた。



「昨日処理した暗殺者の武器ッス。ディルには三人、ベルには二人。ま、ベルの方に関しちゃ低ランクだったんで、これで打ち止めじゃないっスか? 依頼者についても吐かせたンすけど、手持ちの関係でこのランクが精々ってとこだったみたいなんで」



 小さめの羊皮紙に文字のような物が書かれているのが分かったけれど、深く見ない方が良いとリアンに腕を引かれ、慌てて目を逸らす。

 巻き込まれるぞ、と後で言われて聞かなかったことに。



「あら。助かるわ。コレ、報酬ね。金貨五枚で足りるかしら」


「え、五枚も貰えるんスか?! 護衛中だからてっきり、報酬に含まれてるものだと」


「暗殺者なんて、確実に実家絡みでこの旅とは関係ないでしょう。それに、暗殺者の処分だけじゃなく情報を引き出せる人間は希少なの。当然、対価は払うわ」


「っしゃ。あ、解体用の手袋は三人分受け取ってるんスけど」


「じゃあ私とベル、ラクサの三人だね。リアンは鼠を押さえてなきゃいけないだろうし」


「そう、よねぇ。冗談抜きに鼠を拘束しておけるような武器はある?」


「生け捕りとなると厳しい。茨鞭は毛皮に傷がつくので却下。長鞭なら、と思ったがアレは革製だからな。金属系のは茨鞭のような物が多いから手持ちでどうにかしようとしても難しい。無難に罠を仕掛ける、という方法は?」


「罠は大掛かりで掛かるかどうかわからないんで、難しいっす……とりあえず、武器についてはおやっさんに相談してみるか。悪いんスけど、三十分後くらいに移動って出来たりしないっスかね。早めに確保したいんス。雇い主にしていい頼み事じゃないとわかってはいるんスけど損はさせないんで」



 この通り、と頭を下げるラクサの肩を叩いて、台所へ。

準備に充てられる時間が短いから飲み物の準備だけでも済ませたい。


(温泉にいる上に燃えてるってことは気温高そうだし、冷たいレシナ水にしようかな。ディルが大きい氷作ってくれたし使っちゃおう)


 大量に作ってもらった氷をポーチから取り出して、丁度いい大きさに割って大瓶に。

ハチミツをいれて甘くしたものと、そうではないモノの二つを作っているとリアンが近づいてきた。



「どうだった? 費用とか」


「必要なものはケイパーさんが用意してくれているようだから、僕の武器次第と言った所だな。こちらから出すのは飲み物や途中で食べる物くらいだが、それらもほぼこの集落で貰った物で賄える。取れ高によっては大黒字だ」



 ベルは使えそうな武器やアイテムを戦略を立てながら準備。

リアンは費用や時間の管理、ベルとは違った視点で戦略を確認してくれる。

 私がやることは、ご飯や体調、環境なんかを考えて食べやすいメニューや飲み物を準備することくらい。

持っていく食べものや飲み物について話すと納得してくれたので、取り出しやすいよう目印をつけてポーチへ。


 リアンは私の持ち物を確認したらすぐにベルとラクサの元へ向かったので、私も追いかける。ベルから必要なものや、使うかもしれないアイテムについて聞いたら出発だ。



「え、なんか早くないっスか? もっと検討とか」


「貴重な素材が採れるんだもん、行くしか選択肢ないと思うけど。それに、魔物が相手だってわかってるし、ラクサもいるわけでしょ? 戦力も十分! ディルにも声かけたいけど魔術の事勉強するはずだから声はかけない方がいい、よね」



 もっと強くならなきゃな、って言ってたし……と心の中で呟く。

カルンさん達が心配しない様にテーブルに置き手紙を書いて、まずはケイパーさんのいる工房へ。

 リアンは「武器の代金がいくらになるか、だな」と呟いていたけど、ベルもラクサもあまり気にしていないみたい。



「ちなみに、いくらだったら想定内?」


「金貨10枚程度だな。武器を作る人間の腕が腕だ。一流の中でもかなり上のランクだぞ」



 10枚で収まればいいが、と遠い目をしているリアンの腕をポンポン、と叩いたのは言うまでもない。



「今回は私も素材欲しいし、ちょっと出そうか? なんか、知らない内に大金があるし」


「武器は各自で、と決めているだろう。気にしなくていい。元々多めに持ってきているからな―――……補充はスールスの街でする。宝石の売買は中々いい小遣い稼ぎになるんだ」



 そう言って笑ったリアンの顔はすっかり悪徳商人じみていて心配を返して欲しいと呟いた私は、蟻退治の時とは違ってかなり肩の力が抜けていた。

支援とか回復に回るって決めて、昨日ディルと沢山話をしたから気持ちに余裕があるんだよね。


 ベルはそれに気づいていたらしい。

そっと寄ってきて私に


「緊張しなさすぎるのもマズいけど、今の状態が一番いいわ。その余裕と視野の広さを保てば怪我もしない」と耳打ち。



 ベルに認めてもらうのって、結構嬉しいんだよね。

戦闘に関してはかなり厳しいから。





ちょっと尻切れトンボですが……(汗

次回予定外に戦闘描写入りそうです。

おかしい、知らない内に、、モンスター増えてる。


 誤字脱字変換ミスなど誤字報告で教えて下さると幸いです。

また、感想やコメントお気軽に!是非! 返信は100%となっております。

ブック・評価も大変ありがたいくモチベーションアップのよい燃料になっております!

うれしい…!

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