170話 ゼーレフックの実
お待たせしました!
なんとか、一週間以内。きりがいいのか悪いのか。
取り合えず、種族が沢山。あと職業も沢山。
あとがきに書いておきます。
※163話に「召喚師は里にいる」という発言を撤回、錬金術師はいない、となっていたのを直しています。教えてくださってありがとうございました。
危ない…!(汗 本当に助かります。お手数をおかけしました。
五分ほど経った頃に、やっと笑い声が止んだ。
普通のお茶を飲みながら簡単に『今後』の話をすることになったんだけど、その前に…と、代表者の中の一人が息を吐いた。
その人は苦笑しながら短く刈り込まれた頭を掻きながら、頭を下げる。
「いやぁ、すまなかった。今年はアンデッドが湧く年だと分かっていたから、どうにもな。ここ十三年間は物騒なことやら胸糞悪い事件が続いていたせいで、俺たちもピリピリしとったんだ。どれ、まずは自己紹介と行くか。俺は『外れエルフ』のケイパーだ」
そういうと笑いながら、短い方の耳を指す。
私達を見回して、ラクサのところで視線を止めた。
「そこの黒髪。細工師なら木の扱いは得意だな? 石材はどうだ」
「オレっちッスか? まぁ、木工細工もするッスけど……なんで細工師だと?」
「身につけてる装飾は手製のもんだし、職業なんざ大体指やら手をみりゃわかる。俺は『特級大工師』だ。お前さんさえ良けりゃ、俺の木工細工と石材細工の技術を教えてやる。リアン坊の頼みだからな」
どうだ、と子供みたいな顔で笑うケイパーさんに戸惑うラクサは、困った顔で首を振った。
ケイパーさんが嫌だとかそういう訳ではない、とキチンと前置きした上でキッパリと
「オレっちは今『護衛中』なんで。護衛対象を放ってあれこれ好き勝手するなんて考えられないっスね」
そう肩をすくめた。
ケイパーさんはなるほどな、と頷いてリアンへ視線を向ける。
「で、その辺はどうなんだ。リアン坊」
「ラクサ、この集落で僕らの護衛は必要ない。ここでは最長で一ヶ月ほど滞在することになっているから、その間はケイパー殿の工房で世話になるといい。この集落にある建物や石素材を使ったものはほぼすべて彼が一人で作ったものだ。『特級』の大工師に教えてもらえることなんてほぼ無いし、彼の細工技術は凄い。細工に関係する技術も多く有しているんだ。世話になって損はないと思うが―――…確か、宝石加工も出来ましたよね?」
「おお。出来るぞ。まぁ、素人に毛が生えた程度だがな、研磨とカットならできるぜ」
確か、とブツブツ言いながらポケットに手を入れて何かを取り出した。
小さな革袋をポンッとラクサに向かって投げたので慌てて受け取ると、開けるよう言われる。
気になったから見てもいいか聞けばケイパーさんは嬉しそうに頷いた。
許可を貰ったので堂々と革袋の中身をラクサが持っていたハンカチの上に広げたんだけど、指輪やペンダントになる前の綺麗にカットされた宝石がジャラジャラ出てくる。
「……は」
「うっわ、凄いキラキラが沢山ある。色も形もこんなにあると圧巻だね」
「本当にそうね。宝石自体は高品質が三割って所かしら。よく見ると中品質や低品質のものも多いわね。でも、その品質ですらカットで高品質並みの輝きになるなんて」
「優秀な細工師の手で加工された宝石は、魔力保有量が増えると聞くが、なるほど……こういうことだったのか。俺たち貴族に見せられる宝石の類いは高品質や最高品質のものが多いから実感がわかなかったが」
「実力試験を受ければ、すぐに宝石加工技術が一定水準以上だと満場一致で判断される腕前だ。勿論、外へ採取に行く時はラクサに『護衛』として同行してもらう。だが、それ以外の時間はケイパー殿の元で技術指導をしてもらえないかと予め頼んであった。勿論、ケイパー殿が『教えてもいい』と判断したら、というのが前提だったんだが……お眼鏡にはかなったようだし悪い話じゃないだろう?」
判断は自分でしてくれ、といったリアンにラクサは少し迷ってケイパーさんに深く頭を下げ、技術を教えてほしいと頼んでいた。
元々宝石加工や細工をしてみたいって言ってたから、嬉しそうだ。
次に、声を出したのは布を顔に巻き付けていた人だった。
「次は、あの……私が。私は、カルンと申します。その、技術らしい技術はないのですが覚えていてくださると、その、嬉しいです」
宜しくお願いします、と丁寧に頭を下げるその人は綺麗な黒緑色のツノの痕があった。
折れているけれど切断面は磨かれたように綺麗だ。
「ご謙遜を。カルン殿は『陸の賢者』でしょう? この辺りでしか採れない独自の果物や野菜を作られ、王族にも一目置かれるような存在だ」
「ねぇ、リアン。あの『陸の賢者』ってなに?」
聞いたことのない単語は多分、職業か何かなんだろう。
ベル達を見ると全員驚いた顔でカルンさんを見ていた。
「取得の難しい資格だ。青の大国・緑の大国で農業に関する国家資格を複数有し、生産だけでなく、加工技術も取得した者にしか与えられない。この資格を持っているのは片手で数えるほどだな」
すごい、と拍手すると顔を赤くして背中を向けてしまった。
次に名乗ったのは、綺麗な女の人だった。
「次はアタシね。アタシはトロルイド族のビトニーっていうんだけど、顔見てわかるでしょ。アタシもこの人たちと同じ。生まれた時から体半分に赤紫の痣があった所為でほぼ家から出られなかったのよね。トロルイドについては知ってる?」
ビトニーさんは私達を見回して首を傾げる。
さらさらの長い深緑色の髪が肩から滑り落ちた。
知らなかったので首を横に振ると嬉しそうに微笑まれたんだけど、他の皆は知っているらしい。
「トロールと間違われるんだけど、違う種族よ。アレは魔物。妖精族に分類されていて、そうね……大概は大柄で筋肉質よ。女も身長が高くて、まあ体格もいい方ね。私も背が高いでしょ? 体格が良くて、肌が灰色や茶色なら高確率でトロルイドね。シロやベージュの肌色もいるけど少ないわ」
そう話すビトニーさんの肌のベースはベージュだった。
なるほど、と頷いたのを見て彼女は目を細める。
「で、基本的に温厚で親切。大雑把って言われてるんだけど、火傷以外の赤・赤紫の肌を持つものは醜いって言われてて『同族』とみなされないのよね。だから、アタシは生まれた時から『紫泥』って呼ばれてたわ。今思うと黙って耐えるなんてタダの馬鹿よね」
「色んな習慣、というか価値観っていうんでしたっけ? そういうのがあるんですね、世界には。肌の色だとか痣だとかって自分で選べないのに不思議なこと考えるなぁ」
最初に考えたのは誰だろう、と首を傾げるとビトニーさんは驚いたように目を見開いて小さくクスクス笑った。
「気に入ったわ。貴女、ライム……ちゃんだっけ?」
「ライム・シトラールです」
「気分がいいし、アタシの仕事も見に来る? アナタたちを歓迎するって意味も込めて一着分の布をあげちゃう。この集落に若い子ってあまりいないから、デザインが愉しくないのよねぇ。みーんな同じような顔ぶれだしぃ……アタシは『特級布師』なの。糸や布に関する全てに精通しているわ。服は好みだから、趣味が合うようなら服も作ってあげる。この集落にいる間だけ、だから縫えて一人一着ね」
楽しみに待ってるわ、と片目をつむったビトニーさん。
なんだか私の目の前にいる五人の人は皆、一般的には持ちえない特殊な能力や知識があるらしい。
続いて、顔を隠していた最後の一人がゆっくりと顔を上げた。
特に変なトコロがない普通のお婆さんにしかみえない。
「センカと呼んどくれ。エルフとレパリーレン・オプファーのハーフさ。欠陥品だがね」
欠陥品って何だろうと首を傾げる私を見たセンカさんは、種族の特徴がないことと容姿が優れていない点を見ればわかるだろうと自嘲する。
「どちらも容姿が比較的整った種族だ。その上、エルフの耳もレパリーレン・オプファーの角もない。醜いとされる短い耳に顔に出来た無数のイボと醜い痣だ。歯も欠け歯だしねぇ」
欠け歯っていうのは八重歯のことらしい。
普通にチャームポイントなんじゃないのかな、と思って口にすると彼女は目を見開いて、そしてクシャりと顔をしかめた。
「―――……小娘、あんたの身内に『オランジェ』と名のつく錬金術師は」
唐突にそんなことを聞かれたので驚きつつ、祖母だと伝える。
すると、センカさんは息を飲んで、深く息を吐いた。
「リアン坊。そっちの赤毛の小娘とその双色の子は、家に泊まんな」
「理由を教えて頂けるかしら」
今まで静観していたベルが口を開く。
センカさんはベルを見ることもなく長く節くれだった細指でリアンを指さす。
「リアン坊の頼みだからね。錬金術師の先輩として、錬金術師未満のガキどもにあれこれ教えるのも悪くはない―――……約束もあるしねぇ」
「僕がこの集落で療養している時期に、センカ様はいなかったから錬金術師がいるとは思わなかったんだ。僕が集落を出て半年後くらいに漸く戻ってきたと集落長から話を聞いて、手紙での交流を続けていた。勉強の添削などをしてくれていたのもセンカ様だ」
ムッとしたベルを押しとどめながら、リアンが詳しい事情を話す。
知識が豊富で腕も確かだ、と言われると正直色々聞けるのは有難いから、頭を下げる。
ベルも同じように考えたらしくため息を吐いて小さな声で「よろしく頼みますわ」と言っていた。
センカさんは私達の反応を見て、小さく頷く。
どうやら私たちは彼女の家に厄介になれるようだ。
「あの、サフルも一緒でいいですか」
「かまわんよ。あの程度の奴隷ならどうとでもなる」
「ありがとうございます。サフルー、一緒にいられるよ!」
おーい、と手を振るとサフルは嬉しそうに返事を返し、深々とセンカさんに頭を下げた。
ベルは『機嫌を害しました』って感じの顔から何かを考える様に形のいい眉をひそめている。
これで五人中四人の自己紹介が一通り済んだので、真ん中に座っていた人へ視線を向ける。
集落長だと思われる彼はつるりとした顎を触りながら口を開いた。
口元が少し笑っていて目は興味深そうに私たちを観察しているらしい。
(今までの感じだと、ずっと私たちの反応を見てたんだろうなぁ)
「儂はコボルフのミルルク・シスだ。コボルフに生まれたが手先が不器用で、実家をたたき出された。魔力だけは規格外にたんまりあるから『特級魔術師』の資格を取ったが、まぁ、そっちの双色の嬢ちゃんがいうように静かに暮らしたかったからな、この集落をつくった」
渋いお腹に響くような低温の声に自然と背筋が伸びる。
背筋を伸ばしたり、座り直した私たちを見たミルルクさんは、身振り手振りをつけて『何故、自白剤を飲ませたのか』話してくれた。
「自白剤を使うようになったのは、リアン坊がくる少し前からだ。質の悪い奴隷商と元冒険者の盗賊が住み着き、女子供を使ってこの集落の人間を誘い出して、無理やり奴隷にし始めたんだ。最初こそ、素行の悪い連中や修行中だが腕の振るわない弟子をかどわかしていたんだがな……味を占めたのか、逃げてきた見目のいい者や腕の立つ者にも手を出し始めた」
「あー、ってことはその時集落にいたやつに自白剤を使ったんッスね」
「妥当なところだな。そいつらは奴隷だったんだろう」
「子供は奴隷だったが、女は盗賊の一味だった。まぁ、子供の方は戻って来られない様に術をかけたんだが、盗賊たちに処分されたようだ」
集落から連れ出され、奴隷に落とされた最初の人間は既に売られた後だったみたい。
でも、気付くきっかけになった人たちは奴隷になる前に助けられたそうだ。
よかった、と息を吐く私を見て彼は目を細めた。
「それから『外』からくる人間には薬を使って自白させるようにしている。再び戻ってくる場合もそうなんだが、リアン坊は集落を出てからも定期的に外の情報を手紙で知らせてくれておるし、渡したブローチの色が変わっておらんから問題ないと判断した。それは儂らに対して敵意や害意を抱くものに反応する」
なるほどね、とベルやラクサが小声で返事をするのを聞きながら、ディルの腕に嵌められた腕輪に視線を向けた。
詳しい説明はされてないけれど、魔力とかを封じる腕輪だと思う。
「その召喚師には魔力制限をかけた。この集落にいる間は召喚できん。召喚師はおらんが、多少なら儂も契約しとるからな……召喚師は脅威じゃ。この集落では珍しいものも多いからの」
どれ、と言いながら懐から人数分の小さなブローチ。
リアンがつけているモノより小ぶりだったけれど、見事な品だった。
「滞在中はそれをつけるように。集落の人間に『安全』であることを示す目印のような物で、外せるのは儂だけだ」
はい、と渡されたブローチを胸に付けた所でミルルクさんはディルを指さす。
ディルは嫌そうに眉をひそめているけれど、黙っている。
「その小僧は儂のところへ。召喚師以外に魔術師としての才能もあるようだし、問題なかろう。ふふん、久々に該当者が来たわい。最近の者は、剣だなんだと物理でねじ伏せることしか考えん単純すぎる輩ばかりでなぁ」
やれやれ、と息を吐いて首を横に振る。
黙って話を聞いていたディルだったけど言葉が途切れたタイミングで口を開く。
「俺はライムといる」
「知識はいらん、とな?」
「いらんとは言っていない。召喚術師としてやるべきことは分かっているんだ、俺はライムの傍で護衛をする。学科が違うとなかなか会えないし、同じ屋根の下で暮らすのがこの旅での目標でもあり望みでもあったからな」
「……ディル、あんた割とヤバイこと言ってるのわかってる?」
「ミルルクさんで良いっすか? ディルのこと宜しく頼むッス」
ニコッとほほ笑んだラクサがポンとディルの肩を叩く。
引きつった顔で頷いた集落長の彼が小声で「早まったかもしれん」と他の四人に話しているのが聞こえた気がしたけど、誰も何も言わなかった。
しばらく沈黙が続きそうだったので、木の実について聞いてみることにした。
やっぱり気になるしね。
「私、入り口の木の所で待っている時にこれが落ちてきたんですけど、食べられますか?」
ポーチから取り出して目の前に置くと彼らは酷く驚いて、どういう状況で見つけたのかと聞いてくる。
持ってきてはいけないものだったのかな、と不安になりながら見つけた時の状況を話す。
話し終わって反応を待っていると実の数を数え始めた。
「全部で……六本か。一本ずつ食べるといい。ただし、その前に魔力を流すのを忘れるな」
「魔力を流すんですか? これ」
「その実は【ゼーレフックの実】というが、魂をひっかける実と呼ばれておる。ほれ、繋がっていない方の先がフックのようになっとるだろう。この集落の入り口にあるご神木がゼーレの木なんじゃが、いつ実をつけるのかが全くわかっとらん。研究者も滞在しとるんだが意志のようなものがあるのかもしれないと言っておった」
「木に意志、ですの?」
不思議そうなベルにミルルクさんは頷いた。
彼に言われた通り一本ずつ外してそれぞれの前に置き、サフルを呼んでサフルにも渡す。
食べるのは説明を聞いてから、と決めていたので大人しく耳を傾ける。
「どうやら『集落』に害がない、もしくは歓迎できるような人物の頭上に実を落とすらしい。潜り込んだ奴隷の話をしただろう、あれらには当然のように何もなく、此処に住んでいる住人は全て実を受け取っている」
「へぇ、不思議ですねー。もしかして目とか付いてるのかな」
ボソッと思わず呟けば隣にいたベルがうっかり想像してしまったらしい。
「やめてちょうだい、不気味じゃない!」
ああ、もうっと憤慨するベルに謝りつつ自分もうっかり想像して、うわぁと項垂れる。
確かに不気味かもしれない。
「木に目があるって考えると気持ち悪いッスね」
「普通は木に目なんてついていないからな」
「ライム、怖いなら俺が一緒に寝るぞ」
ラクサやリアンも顔をしかめているんだけど、ディルだけはとても嬉しそうだった。
取り敢えずいらない、と断ってからミルルクさんを見る。
彼は残念なものを見る様な視線をディルに向けていたが、小さく咳払いをして再開した。
「この実の中には種があることは知っておるな。リアン坊が鑑定している前提で話すが、魔力を流すことで種の性質が変わる。理由はわからんが、皮を剥く前でなければ意味がないから今流してしまうんだな。種は解毒薬や毒になることは知られておるだろうが、お薦めは装飾品じゃ。種の性質が変わることもあるが元々持っておる解毒の効果が身に着けるだけで作用するようになる。傷口に種の部分を押し当て魔力を流せば解毒薬として何度でも使えるぞ」
「べ、便利ッ! 何度も使えるなら装飾品のほうがお得ですよねっ」
「別称で『実る宝石』とも言われるほど美しく宝石として扱われるほどだからなぁ。込める魔力の量や質で品質が変わるのも面白いところじゃ。奴隷は主人の魔力を合わせるとより強い結びつきと特殊な加護を授かれる、ときいたことがある」
「あら、それなら私達で魔力を込めてみません? 主人は三人ですし」
「そうだね。リアンも良い?」
「構わない。サフル、先に君のを済ませてしまおう。こちらへ」
はい、と素直に靴を脱ぎ上がってきたサフルは四方に頭を下げて、そっと実を差し出した。
サフルも魔力を注がなくてはいけないんだけど、魔力を注ぐのって結構コツがいる。
大丈夫?と聞けば頷いてくれたのでホッとして魔力を流した。
目安は調和薬を作る時の量。
サフルはありったけ注がなくちゃいけないみたいだけど。
魔力を流すと茶色く硬かった皮が柔らかく、不思議な色に染まった。
「青と赤―――…虹色? これ、もしかしてライムの魔力?」
「恐らくそうだろう。源色の魔力は全てを備え、すべてが無い。美しい種が欲しいならほんの少し魔力を流すといいかもしれん」
「ライム、俺の実にも頼みたい」
「オレっちも頼むッス! こんなに貴重な素材を確保できる機会は早々ないンでッ」
うん、と頷けばリアンやベルにも頼まれた。
全員の実に魔力を注ぐと、各々の魔力色と虹色を足した色に染まる。
どうやら皮の色は種の色と同じらしい。
「もしライムさえよければ、ライムのには全員で魔力を注いでみない?」
「混ざり合って黒になる、という可能性もあるが」
「黒は黒でカッコいいよね。どうなるか分からないし、失敗したら解毒薬とか毒薬にしちゃえば役には立つしやってみよう!」
ベルの実験感覚の提案に乗ると五人の代表者たちも興味があったらしい。
どれどれ、と私たちを取り囲むようにゼーレフックの実を覗き込んだ。
ここまで読んで下さってありがとうございます!
新しい素材がこの集落では目白押し、の予定。
特殊職についても色々。こういった職業や種族については、今後も色々出てくると思います。
あまり深刻になり過ぎない感じでサラーっと行く予定です。
誤字脱字などチェックしていますが、見過ごしたり気が付かなかったり……多々あります。
upしてから読み直したりもするのですが、気付けないことの方が多いので……誤字報告は本当に助かっています。毎度毎度申し訳ないです。ほんと…
書き直しはサイレント。大幅な加筆や書き換えをする場合は、お知らせしますがちょっとした修正などはこっそり。ご了承いただけると幸いです。
更新速度があまり早くないのですが、それでも読んで下さったり評価・ブックしてくださってありがとうございます。やる気が…!滾る!!今なら気の塊を放出できそう。
感想やご意見があればお気軽に。出来るだけ変身させていただいています。矛盾点などもあるかと思いますが、教えて頂いて「あ、マズいこれ」となりましたら修正しております。
すこしでも読みやすく、愉しんで貰える様今後も頑張りますのでお付き合いくださると嬉しいです。
=種族=
【トロルイド】トロールとは似て非なる種族。妖精族。
大柄で筋肉質。基本的に温厚で親切。大雑把。
あまり美醜にはうるさくないが、肌の色が艶のある小麦色であることが美人とされる。
種族的に肌の色は灰色・茶色。シロやベージュも異種族と結婚すると低確率で遺伝するので問題ないが、火傷以外の赤・赤紫の肌の者は醜いとされ『同族』とみなされない。
農業・畜産を仕事にする者がおおく、13歳程度で親元を離れ、気に入った土地や農夫の元で働くことが多い。ただし、気に入っていた農夫などが亡くなると次の農夫や家族が気に入らなければあっさり別の場所へ。
【コボルフ】成人しても130~140センチ位の大地の民。
鍛冶を生業としている者たちと性質が似ていて、人間とも共生関係にある。
元々、コボルトとドワーフの混血だったが、純血より混血種が多くなっている。
基本的に性質なども変わらず、彼らは皆仲間だと思っているので間違っても怒らない。
ただ、自己紹介では「コボルトの○○」「ドワーフの○○」「コボルフの○○」と名乗る。名字のような感覚。
時折、慎重で手先が器用なのに力がない個体も。
好んで排除する種族ではないが無関心。手助けも見返りがないとしてもらえない。
(本来は世話好きなので、認めた相手には見返りなど要求しない)
上位種はハイ・コボルフ。
身長が160~170程度になり、力も強く、魔力も強くなる。
脚は遅め。
【エルフ】自然の中で暮らす民。森の人、森の民などとも。
森以外にも海・山などにもいる。魔術に長け、細身で耳が長い。
耳に関することを同族以外に指摘されると怒る(差別的な意味でつかわれるので)が褒められたり、事実を言われるくらいならば気に留めないことがおおい。
肌の色や見た目も色々だが、長命であることもあり基本的に温厚とされる。
まぁ、個人による。
ハイエルフという上位種もごくごく稀にいるが尊敬される存在。
【レパリーレン・オプファー】修繕する生贄。レパファーとも。純血は角がある。
手先が器用だったトゥイーニー(ハウスメイドとキッチンメイドの兼務をするメイド)が死んでも尚、屋敷などに縛られ解放されず、徐々に魔物となり、魔族へ転じた。
力は弱いが、戦争などでは重宝される種族。元々人間であり、掃除や調理をしていたことから火も水も効かない。鉄などの金属が弱点。
力がなく、弱い。
だが、同族には厳しく、一定の基準を満たさないものや規律に反したものには容赦がない。
死者なので、寿命がない。
ごく稀に醜く魔力の少ないものが生まれる。
ツノが折れている・歯が欠けている・鉤鼻・顔にイボや痣がある場合は疎まれる。
魔族へ転じた際に男も生まれるようになった。
優秀な者が多いが肉体労働には向かないという性質は受け継がれる。
=素材=
【ゼーレフックの実】
魂をひっかける実。フックの実とも。
三~九房までヘタで繋がっていて花のようにも見える。硬く薄い皮を剥くと薄ピンク色の実。
繋がっていない方の実の先端はフックのように丸まっている。
不思議なことに実をつけるタイミングが分からないが、とても美味しい。種は視の中に一つ。
一センチの楕円形。オパールのような遊色を持った不思議な種が取れる。
強力な毒であり解毒薬にもなる。半分にして装飾品にすることが多い。
実の味は、ピーチェとアリルを足して二で割ったような味。
程よく甘く、外がさっくり中はトロリ。皮を剥くまで匂いはしない。