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136話 陽の日〈後〉

ストックなんて、出来なかった。


 新キャラがでましたー。

ありがちな口調ではありますが、わかりやすいかな?と。

こういう感じのキャラは今までいなかった上に書いたことがないのでちょっと新鮮です。



※新キャラの名前を変更しています R2/11/5


メンス・ピッパリー → ラクサ・ピッパリー





 昼間の酒場は中々に賑やかだ。



 昼時はランチを出している店も多く、陽のある時間帯では一番の稼ぎ時でもあるらしい。

私が入った事のある酒場は『緑の酒瓶』だけだ。


 一番街にある『緑の酒瓶』よりお客さんの年齢は若い。

だからか店内全体に活気があるみたいだ。



(賑わってるって言うのは共通だけど、年齢層が違うと雰囲気もちょっと変わるんだなぁ。あっちは賑やかって感じだけどこっちは……うーん、騒がしい感じ)



私たちが店内に入ると直ぐに従業員の女の子が寄ってきて、「何人ですかぁ」と声を掛けてくる。



「四人です。少々話し合いをしたいのですが適した席はありますか」



 女の子は丁寧な物言いのリアンに一瞬驚いた顔をする。

パッと視線でリアンの全身を見て、後ろに立つ私やベルの服装を見て何かに気付いたらしい。



「分かりましたぁ。ご案内いたしまぁす」



 ニコッと可愛らしく微笑んだ。

鮮やかな色合いのスカートとフリルの付いたエプロンをふわりと翻し、器用にテーブルの合間を歩いていく。


 その後ろを追いかけながら、向かう先には衝立がいくつか並べられていた。

テーブルの間を移動する度にその席に座っていた冒険者や騎士が私たちを見て、ひそひそと囁き合っている。

言葉自体に嫌な感じや悪意はないけど、工房名や錬金術師という単語がそこかしこから聞こえてきて非常に落ち着かない。


 ベルもリアンもまったく気にしていないみたいだったけれど、注目を浴びているのは嫌でも理解できた。



(髪の色が珍しいから見られるのには慣れてると思っていたけど、これ、思った以上に過ごし難いっていうか)



落ち着きなく周囲に視線を向ける私に気付いたらしいベルが小声で、「キョロキョロしていると悪目立ちしますわよ」と注意してくれたので、何とか前だけを向いて足を動かす。


 ドキドキしている私を他所に、従業員の女の子は一番奥まった所にある衝立を少しだけずらしてリアンを見た。



「こちらでいかがですかぁ?」


「―――……有難うございます。こちら、使わせていただきますね」



 ニコッとほほ笑んで最初にベルを中に招き入れた。

次に声を掛けてきた男性、私、リアンの順にテーブル席に着く。

隣のテーブルが見えない様に衝立で覆われたその空間は、今の私たちにとっては丁度いい。

窓や入り口のドアから光が届かない位置にあるせいか少し薄暗いのがまた雰囲気がある。


 リアンが従業員に「注文は声を掛けますから、その時にお願いします」と話し、足音と気配が遠ざかるのを確認したリアンは浮かべていた笑みを綺麗さっぱり消した。

男の左右を固めるようにベルとリアンが座っているので私は空いた席へ。


 ちゃんと拭かれたテーブルではあったけれど所々に傷が目立っていて、不思議に思っているとリアンが口を開いた。



「で?」



たった一言だったけれど、空気が一瞬で張り詰め冷え込んでいくのが分かった。


 少し顔色が良くなっていた青年が引きつった顔で私を見るけど、彼を見た記憶がない。

戸惑っている私を見てベルが小さく溜め息をつき―――……ひたり と短剣を首筋に添える。



「まずは何処の誰なのか話して下さらないかしら」



出来るわよね、と囁くような声とは裏腹に殺気が酷い。

真っ青になった彼は慌て口を開いた。



「あ、怪しいモノじゃないっスよ!? ホント! お、オレっちはラクサ・ピッパリー。アンタらの工房の横に店を構えてるんで、信用できないなら商会に確認して欲しい……って、なんスかその顔」


「……隣に店なんてあったか?」


「私、ずっと空き家だと思ってたわ」


「ちょ!? オレっち何かしたッスか?! 精神的にボコボコなんスけど!!」



涙目になっているラクサ・ピッパリーという彼の首からはいつの間にか短剣が外されていた。


 ただ、まだ武器を握ってはいるので警戒はしているようだ。

私といえば……駄目なんだろうけど『どこの』『だれ』なのかが分かって気が緩んできている。



(元々最初から警戒というか、危ない人には見えなかったし)



まず、リアンの外面用みたいな胡散臭さがない。

次に、ベルが工房以外で見せる貴族っぽい独特の傲慢さもない。


 黄色みがかった肌と黒い髪、そして金色の瞳からはある種の必死さみたいなものが伺えた。



(あと、私じゃなくって『アトリエ・ノートル』の錬金術師に話があるって言ってたもんね。隣に住んでるのって……何やってる人だっけ。聞いたような気がするんだけど)



次から次にいろんなことが起こるのですっかり忘れていたけど、私たちの工房があるあの場所も二番街だ。


 色んな職業の人が集まる場所。

中心街や人が多い二番街の市場からは遠いけど、お客さんも最近増えてきている。



(周りにいろんなお店があればお客さんももっと増えるのかな)



あまり増えすぎると生産が追い付かないから困る。


 ただ、作ったものが望まれて買われていくのは嬉しいし、使った感想を店で嬉しそうに報告してくれる冒険者や騎士の人を見るのは、作成者として何とも言えない満足感と充実感が得られる。

 そんなことを考えていると、ラクサ・ピッパリーが本題を口にした。



「オレっちが声を掛けたのは……これを置いて貰えないか商談したかったからッス」



商談、という単語でリアンの目つきが変わる。


 コトッと置かれた小さなソレは、金属製の小箱だった。

縦七センチ、横は四センチ…高さは二センチほどの小さく薄い箱。

鈍色に光るソレの表面は磨かれ鏡のよう。

側面には細かく複雑な模様が刻まれていて、綺麗だった。



「これは、こう……上と下の部品を組み合わせてるンで、左右にズラすと中に小さなモノを入れられるようになってるんス」


「それで?」



テーブルの上に乗せられた見事なソレを眺める私とは真逆で、リアンは興味の欠片もないような顔で続きを促した。


 それをうけて金の瞳が自信を無くしたようにウロウロと彷徨うように揺れる。



「い、いや……そのオレっちの故郷ではこれをよく薬入れとして使ってたんスよ。年寄りばっかだったんで、年寄りの暇つぶしとして木工細工として冬とかに沢山作ってて……そ、それで木より丈夫な金属で作れば冒険者とかが丸薬やちょっとした薬を入れるのにいいんじゃないかって思いついて……そ、そのまま田舎をでて、口利きしてもらって店を何とか開いたん……ス、ケド」



 そこまで話して彼はガッとテーブルに両手をついて頭を勢い良く下げた。

ゴトッと音を立ててテーブルが動いたので慌ててテーブルを押さえたけど、音は消えない。

衝立の向こう側が気になって振り返っては見たけど相変わらず賑やかなままだったのでホッとした。



「お願いしますッ!! これをアンタ達の店に置かせて欲しいんス!!」


「委託販売ということか。僕らの工房は販売スペースが限られているんですよ」



 ニッコリ、と笑うリアンに頭を下げた彼が絶望に満ちた顔になった。

リアンはその様子をじっと見てから懐から一枚の紙を取り出し、道具入れからペンとインク瓶を取り出す。


 ついでに、とメモ帳を広げたので私とベルは完全に気を緩めた。

ベルは興味が失せたのかお腹が空いたわね、と小さく呟いて何を食べるか悩み始める。

何が食べたい?と聞かれて自分の口元が思いっきり引きつるのが分かった。



「いや、あの……放っておいていいの?」


「かまわないわ。どうせリアンにカモられるだけですもの」



 ふんっと鼻で嗤ってワインを頼もうと目を輝かせたベルは何処までもお嬢様だ。

けれど、心配なら見ていればいいんじゃない?と小声で付け足してくれる辺りは、私の知っているベルで……なんだかんだで隣人だという彼を気にしているのが分かる。



「参考までにコレをどのくらいの値段で売るつもりなのかお聞きしても? 委託料は一つ辺りどのくらいが妥当だと考えているのか、一ヶ月でどの程度納品できるのか、細工はこれ以外にどのようなものが彫れるのか……最低でもその辺りを明確にしなくては商人には相手にされませんよ」


「へ……あ、え…? 店には置けないんじゃないん、スか?」


「誰が『置けない』等と口にしたのですか?」


「いや、だって場所が限られてるって……」


「事実です。僕らは学生ですし、錬金術を学ぶ傍らで材料採取や調合、販売を行っていますから……あまり余計なことに時間は割けませんし、販売場所に関しても初めからある程度の規模が決まっています。ラクサさん、でしたか。貴方はその調子で他の道具屋などに交渉したのでは? いくら首都であるモルダスの二番街に店を構えてると言っても、販売計画がしっかり提示できなければ多くの商人は相手にしません。貴方自身の腕が分かりませんし、性格や人柄、功績や評判も分かりませんからね」



商人は基本的に利益最優先ですから、そう言い切ってリアンは笑う。

 口元は笑っているのに目は笑っていないので、端から見ていても結構怖い。



「貴方は細工師だと言いましたね。どのようなことができるのか、洗いざらい話していただけますか? 取引をするのはそれからです。お隣、というのは嘘や出まかせ……ではないようですし」



ただ、お互いに利害が一致しなければ取引はできませんが、と告げてリアンは笑顔を浮かべるのをやめた。


 無表情になったリアンが喉が渇いたな、とこぼしたので慌ててラクサさんが店員を呼んだ。




「と、とりあえず! オレっちが昼を奢るんでッ! 話だけでも聞いて欲しいッス!!」



彼はそう叫んでメニューを持ってきた従業員の女の子からメニュー表を奪い取り私たちの前に広げた。


 パッと表情を明るくした彼は妙な愛嬌があって、露店を開いたら色々売れそうなのにな、と首を傾げる。

直接お客さんとやり取りする必要がある露店だと、人当りや愛想がいい、親しみやすい人の所に行きたくなるのは皆同じらしく、人が集まるのはそう言った人がいる店だ。


 奢る、というのを聞いたリアンは遠慮なく高いワインを注文した。

食事はチーズとパン、野菜のスープ。

ベルも同じようなものを頼んだ。

この時点で高級ワインが二本。



「アンタは何喰うんスか?」



どうぞ、と言われてメニューに視線を走らせる。


 マトマとチーズのスープ、新メニューのピザを頼んだ。

昔、おばーちゃんが作ってたんだよね。

作り方は簡単で、丸く薄く広げたパン生地に具とソースとチーズを乗せて焼くだけ。

切り分けて食べればいいから楽なんだ。



「ピザ……? なんですの、それ」


「こっちではあんまり食べないの? 平たくしたパンに色んな具をのせて焼くんだけど」


「私は食べたことがないわね。リアンは?」


「聞いたことはあるが、食べたことはないな」



知らない、と首を振る二人を見て自分の注文を終えたラクサさんに視線を戻すと、彼は知っているらしく小さく頷いた。



「ラクサさんは知ってるんですね」


「ラクサでいいっスよ。オレっちは、まぁ貧民寄りの家だったんで、ピザはよく食べたっス。アレ、平たくして具を適当に乗せればいいから、皿がなくても食べられるし便利だったんスよ。具とパンを一緒に食べられるから時間も短縮できるし、枚数焼けるから具をゴロ芋とかにすれば腹にも溜まるンで」


「あ、そっか。まな板に乗せて出せるもんね」


「そうなんスよ。大家族でもデカいの一枚焼いて人数分に分けりゃ一気に食えるんで、母親も喜んでました。いやぁ、オランジェ様ってすげーっスよね」



懐かしいと言いながらカラカラと笑う彼に反応したのはリアンだ。

ベルも何故ピザの話題からおばーちゃんの名前が出てきたのか分からないらしい。

……私は、もう何となく分かってきたけどね。



「あれ、知らないんスか? このピザってのは、オランジェ様が貧しい村で広めたんスよ。ま、発祥こそ貧しい村だったんスけど、オランジェ様を家に招いた貴族にも同時期に伝わったんで、オレっちの国では国民食みたいになってるんス」



 首都にはいろんな国の人が集まるとは聞いていたから、食事の違いや生活の違いもあることは経験済みだ。

国と言わず地域でも結構違うしね。


 運ばれてきた料理を食べながら、何気ない会話をしていく内にラクサが自分達より2歳年上だということを知った。

食事を終えて飲み物だけがテーブルに乗った状況でリアンが口を開く。



「さて、食事も頂きましたし―――…貴方の事情について聞きましょうか」



ニコッとワインを飲んでほほ笑むリアンにラクサは顔を輝かせた。


 彼は道具入れからいくつかの商品を取り出して並べていく。

現物を見せるのが一番早いと思ったみたいだけど、リアンは何処までもリアンだった。



「コレが貴方の作ったものであるという証拠はないですからね……どうしたものか」


「そ、それならオレっちの店に来てくれれば分かるッス! 作りかけのもあるんでっ」


「なるほど。それなら僕も納得できますね」



微笑むリアンだけど、彼が【鑑定】出来るのを知っているのは私とベルだけだ。


 普通に考えたら相手が【鑑定】を持っているとは思わないだろうから、リアンの話していることはそれほど可笑しくはないんだけど。

ただ、リアンは食事を奢ってもらったからか、お隣さんだと分かったからか、ある程度親切にすることにしたみたい。



「――……自分の作った商品には目印やマークを付けておくといいですよ。ソレを『作成者登録』して証書を所持しておけば、こういった商談や交渉の際に役立ちます。登録料はかかりますが、『作成者登録』は一人一つと決まっていて、登録・変更の際は厳しい審査を設けておりますから身元の証明にもなります」


「そんなのがあるんスか?! うわ、知らなかった」


「登録申請は早い方がいいので帰りに寄っていきましょうか。どうせ帰る方角は同じですし、僕らもそろそろ登録をしようと思っていたので」



 私もベルも知らない制度だったので一緒になって感心していたんだけど、全く聞いてなかった予定を今聞かされて驚いた。

リアンも自分で決めて話すのを忘れてたってことが結構あるんだよね。

ベルはあまりそういうことはないんだけど。



「え、そうなの?」


「ああ。回復薬の高騰はまだ続いているようだし、学園の生徒が買いに来る頻度がこれから増えるだろうからな。登録しておくに越したことはない……この騒ぎに乗じて低品質の回復薬や転売で小銭稼ぎをする奴らは少なからず湧く。そういった連中は面の皮が厚いから、僕らの評判を落とそうとすることもあるだろう―――…登録をしてしまえばこちらのものだ。元々容器や瓶の蓋には分からないように刻印を入れてある」



いつの間に!? と驚いている私とベルを放置してリアンの話は続く。

ニヤリと口の端を持ち上げてワインを一口飲む姿は、何処からどう見ても悪だくみをしている商人だ。

 ラクサさんは、感心したようにリアンを見ていた。



「とりあえず、コチラの品を見せて頂いても?」


「は、ハイっス!」


テーブルに並べられた品物は、全部で五つ。


 どれも細かい細工で、植物をモチーフにしたもの、複雑な模様が並んだもの、動物の姿が彫られたものと大きく三種類ある。

 箱状のものが三つ、ブローチと首飾りが一つずつ。

細工師というだけあってか装飾品もしっかりとしたものだし、見栄えもいい。

首飾りとブローチには宝石の部分がないので、宝石加工ができるのかどうかは分からなかった。



「金物細工が得意なようですね」


「金物細工は基礎中の基礎なんで。宝石の研磨も練習したいと思ってはいるんスけど……なにせ、原石を買うだけの資金がないんスよ。木工細工もできるんで、そっちも作ってはいるんスけど……需要がなくて」


「木工細工は基本的に家具職人と組むんじゃなかったかしら。貴族社会では良くあることよ。一応、家具職人も木工細工は出来るようですけれど……納期が短い場合が多いですから、作業分担していると聞いたことがありますわ。貴族によってはお気に入りの細工師や家具職人がいますもの。気分によって細工師を換えることもありますわ」


「そーなんスよ! まぁ、村で爺さん婆さんが木工細工をよくやってたし、師匠も得意だったんでオレっちもできるんすけど……武器の関係で、金属加工の方が得意なんス」



武器?と私たちが顔を見合わせると、彼は嬉しそうにどこからか薄い金属板を数枚、丸い形の金属を取り出した。


 薄い金属板には複雑な模様が彫りこまれ、丸い金属は変わった造りになっている。

円の外側は全て刃物だ。



「どちらも珍しい武器ですわね。こちらの金属板はどういったものか分かりませんけれど、コチラは『円月輪えんげつりん』もしくは『チャクラム』と呼ばれる、東の方でごくわずかに使われている武器だった筈ですわ」


「貴族のお嬢さんが知ってるとは思わなかったッス。オレっちの師匠が東の出で、試しに使ってみたらすげぇ馴染んだんで使ってるッス。こっちの金属板は専用武器みたいなもんで……オレにしか使えないんスけど、便利っすよ! 金物札かなものふだとか金符きんふって呼んでるんスけど、媒体が金属なんで、劣化しないし水ン中でも使えるんス!」



魔力を込めて彫り直せば使えるし、使い終わった札を金属に戻して再度板状にすれば再利用ができる、とラクサは胸を張った。



「投擲武器は回収が面倒なんスよ。オレっちが使ってるチャクラムは戻ってくるし、金符は戻ってくるようにしてあるから取りに行く手間もないんで、連闘になっても平気っスよ!」


「連闘、って……次から次にモンスターに襲われたことがあるって事?」


「それもあるんスけど、オレっちの国は小さくて娯楽が決闘と酒だったんス。王族が住む首都にはデッケェ決闘場があって、そこに出て勝ち抜けば色んなモンが手に入るんで……オレっちが国から出られたのも『投擲』限定の決闘で優勝したからなんス。優勝すれば金と望みのものが一つ。ま、望みって言っても限度があるんスけど……オレっちは外に出る為に必要な自由通行証ってのを頼んで、やーっと出られたんスよ。今は『緑の大国』の住民になれたんで『あン時勝っといてよかったー!』って感じッスね!」



ケラケラ笑いながら自分の分のワインを飲み干したラクサに私とリアンは顔を見合わせ、ベルは笑みを深めた。


 食事を終えた私たちはいつまでも酒場にいるわけにもいかないので、そのまま『商人ギルド』へ向かうことに。

此処で『作成者登録』をして、ラクサの工房に寄り、きちんと自分の目で確かめてから『相談』内容を聞くんだって。



 後で聞いたんだけど、ああいう風に話しかけてくる人間の中には詐欺を目的にした人間も多いらしい。

相談と言って利益だけを掠め取る契約書を提示してくる者も少なくないから、警戒していたとか。



(帰ってから調合……間に合う、かなぁ)



結構時間がかかりそうだ、と思いつつ足を動かす。

どうせ明日も休日だからいいといえばいいんだけどね。


誤字脱字などがありましたら、是非に報告いただければ嬉しいです。

 いつもの事ながらスローペースで申し訳ない……。新しい単語も盛りだくさん。

そしてなにより、さらっと出てきた『商人ギルド』ありがちですが、大事です。


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