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127話 シスターと孤児

遅くなりました。


とりあえず、アップしますが読み直して気に入らなければ書き直すかもしれません。

うーん、お店の運営とか書くの難しいですね…


*2020年8月21日 ミントとライムの会話を加筆しております。



 ミントが連れてきたシスターと子供達は体を小さくしていた。




 子供の一人はギュッとミントにしがみついて、顔を伏せている。

他の二人の子供はシスターの陰に隠れて、顔だけ覗かせて店内を見回していた。

どうやら、お店自体には興味があるらしい。



「この度は開店おめでとうございます。もう少し早くに来たかったんですけど、冒険者や騎士の方で混雑する時間帯に来るのもどうかと思って」


「そういうことだったんだね。今日は忙しいのかと思ってたんだ。来てくれて凄く嬉しい。ほら、中に入って! 商品も少しだけど増えたんだよ、見て行って」


「商品がいっぱいあるのは嬉しいです。今日はシスター・カネットや他のシスターからも色々頼まれていて……トリーシャ液を買いに来たんですけど、まだありますか?」



恥ずかしそうに笑うミントにベルが嬉しそうな顔をしてカウンターから商品棚に向かって、小瓶を一つ手に取った。

 ニコッと笑って薄っすら桃色がかった液体を見せつけるように揺らす。



「これ、私が作ったんですの。リアンの物は男性向き、ライムのは誰でも使える香り、私のは女性向きの香りにしていますわ。原液だと香りが強いですけど、洗い流せば少し香る程度になります。私のもそうですけれど、トリーシャ液につけている香りは、使い続ければ少しずつ馴染んで強く香るので、良ければ続けて使って下さいませ」



どうぞ、と小瓶を渡すとミントが香りを嗅いでパッと表情を明るくした。

 そのまま緊張しているシスターさんに渡す。



「どうかしら、この香りシスター長たちもお好きだと思うのだけど」


「うわぁっ! これ凄くいい香りですね。こういう華やかな香り、あまり嗅ぐ機会がないから……」


「では、これを買って行きましょう。あの、ベルさん。これを五人分とライムが調合したのを一人分お願いします。リアンさんが作ったのも一つ。男の子の中でも臭いを気にする子が結構いるので」



気温が上がると動きやすくなりますけど、とミントが苦笑する。

 すると隣にいたシスターも少し緊張が緩んだのか小さく頷いていた。



「そういえば、今日は子供たちも一緒なんだね」


「ああ、はい。大きい子は順番に冒険者ギルドに連れて行くんです。聖水を卸すのに人手が必要なのもありますけど、早い内から冒険者や雰囲気に慣れさせようって、シスターたちで話し合って決めたので」



カウンターに必要な商品を運びながら、ミントは商品棚を見ながら笑う。

 小さく手招きをして子供たちや同行しているシスターを呼んだ。

ミントがベルと和やかに会話をしているのを見ていたからか、そうっとシスターの後ろから出て商品棚の前に。



「ミントのねーちゃん、コレって俺らの服洗うやつだろ」


「そうよ。錬金術師のお姉さん達が作ってくれた【洗濯液】っていう錬金アイテム。汚れがよく落ちるし洗濯も簡単になったでしょう?」


「お洋服が新しくなったみたいに綺麗になったのって、これがあったから?」


「ええ、そうなの。ふふ、私とシスター長の髪が綺麗になったのも、錬金術師のお姉さんたちが素敵なアイテムを作ってくれたお陰。薬草集めやお掃除、色んなお手伝い頑張ってくれているから今日髪を洗ってみましょうね」



そう言って女の子の頭を撫でるミントは凄く綺麗だった。


 へぇ、とキラキラした目で私たちを見る子供に、少しだけ照れ臭くなって笑えば、子供たちもへらッと笑う。



「……あの、これ、は何……ですか」



つっと指をさされたのは、ベルが作った虫よけポマンダー。

 キラキラと光を受けて輝いているからか気になったらしい。

女の子が指さしたことでミントたちの視線もポマンダーに向いた。



「ああ、これ? これは『虫よけポマンダー』よ。最初に魔力を流しさえすれば、一定期間何もしなくても虫を除けてくれるわ」


「まぁ。それはとても便利ですね! 野営中は虫に一番気を使いますし」



そう?とまんざらでもなさそうなベルが嬉しそうに笑う。


 それから子供たちは店で売っているアイテムを指さして、これは?と説明を求めた。

文字が読めない訳ではなさそうだけど、と思いつつ応えているとミントが苦笑して私の傍に近寄って耳打ちする。


 ベルの周りには三人の子供と緊張していたシスターがいて、熱心に説明に聞き入っていた。



「文字は読めます。でも、あの三人は孤児院の中でも冒険者に向いているので、早めに色々な人がいることを知ってほしくて連れて来たんです。冒険者ギルドで『錬金術師』と『召喚士』について一般的なことを聞いて……まぁ、その一般的な錬金術師の方を見た後だったので、かなり緊張していたんですけど……連れて来てよかった」


「私たちでいいの? 多分というか私たち一般的な『錬金術師』とはちょっと違うし」


「それは説明してありますし、あの子たちも分かっていますよ。私がここに連れて来たのは、お店に置かれている商品が信頼できることもあります。それに、なにより『職業』で人を判断しないで欲しいと思っているので」



シスター・カネットや他のシスターも同じ意見でした、とミントは笑う。


 楽しそうに商品説明をしているベルや目を輝かせる子供たちとシスターを眺めながら、ミントがぽつりぽつりと教会にいる子供たちの事情を話し始めた。



「教会にいる孤児は、親や環境に恵まれなかった者が多いのです。捨てられたり、虐待されていたり、両親が奴隷だったり……戦争孤児は今でこそ少ないのですが、荒れている国ではいまだに多いと聞きます。あとは、そうですね……生まれつき何処かが欠損していたり、体に不自由があったりする者も多くいます」


「私の所には教会あったけど……あんまり機能してなかったから、正直孤児ってどういう感じなのか分からなかったんだよね。話には聞いたことあったけど」


親がいない。頼るべきものがいない子供。

 私もその『孤児』にあたるんだろうな、と考えながらカウンター越しにミントの話を聞く。

ミント自身も孤児にあたるらしい。

父親が分からない、と採取旅の最中にちらっと聞いたから。



「孤児は珍しくはありません。魔物やモンスターが沢山押し寄せた後等は特に増えますね。教会で引き受けるのは大体が12歳までの子供です。12歳の誕生日を迎えたら教会を出なくてはいけないので、それまでに『自分が何に向いているのか』『自分に何ができるのか』を見極めなくてはいけません―――……才能があってもなくても、一人で生きていかなくてはいけませんから」


「錬金術師の才能があれば、私みたいに学校に入るの?」


「ええ。努力が大前提ですけど。その場合は教会の特殊支部で様々な勉強をするはずですよ。基本的に、10歳になったら教会自体で職業訓練をすることになっています。それは育った教会ですることもあれば、別の場所に移って訓練を行うこともありますね」


 ちなみに私は、別の場所で訓練を行いましたとミントが懐かしむように笑う。


「私は私の体験しか話せませんが、私が配属されたのは『教会防衛隊育成所』という所でした」


「………ぶ、物騒な呼び方だけど教会の騎士みたいなものかな?」


「ええ。そこで『訓練終了』と判断されると各教会に派遣されます。私の場合は、今いる場所が二カ所目ですけど」


「え? そうなの? てっきり今の所にずっといたんだと思ってた」


「ふふ。いくつかの教会を見てきましたけど、今の教会が一番好きですね。冒険者のような事もさせて頂けていますし、ライム達ともこうして出会えましたから―――…何事も体験し、知らないと人は成長しないと分かりました」



 だから、私は彼らに沢山の経験をして欲しいんです。

ミントは目を細めてシスターや子供達を眺めて、そして私を見た。

そっか、と頷けば「はい」と穏やかに返されてつい笑顔になる。

 トリーシャ液を包んだ紙袋をミントに渡すと彼女はそれを受け取って、何かを思い出したらしい。


そういえば、と前置きをしてカウンターの中にいるリアンに笑いかけた。



「お祈りに来てくださっているご婦人方に、洗濯液やトリーシャ液について少し話してあります。少しでも貢献できるといいのですけど」


「教会で宣伝してくれているのか。助かる。教会が発信源だと信用も上がるからな……特にここの教会に通っている者は多い」



助かった、とリアンが笑って礼を言った。


 いえいえ、と緩く首を振ったミントは、ベルの話に聞き入っている子供たちとシスターを連れて教会へ戻っていった。


 ベルはベルで、商品説明や子供たちと会話したのが嬉しかったらしい。

なんか、貴族って立場もあって、今までああいう風に子供に色々聞かれたことがないそうだ。

可愛らしいわね、なんて呟きつつ『次獲物を多く仕留めたら教会に寄付しようかしら』なんて呟いている。


 ミント達が帰って少しすると、数組の奥様達が恐る恐る工房の前を窺っているのが見えた。

その中に『リック・ハーツの道具屋』の奥さんがいて、カウンターから出る。


顔はしっかり覚えていたので工房のドアを開けると、丁度踵を返そうとしていたので、慌てて声を掛けた。



「あのっ、ハーツさんですよね? お久しぶりです! 良ければ工房の中を見て行ってくれませんか? 商品はまだ少ないですけど」


「ライムちゃん、私のこと覚えていてくれたのね。皆さん、折角ですし見ていかない? 錬金術師のお店なんて早々入ることもないですし、いい機会だと思うの」


「まぁ、ハーツさんが言うなら」


「双色の髪ってことは、貴女珍しい貴族籍を持ってない錬金術師の……?」


「あ、はい。私とリアンっていう眼鏡の子は庶民です。赤髪の子は貴族ですけど、良い子ですよ」


「私聞いたことあるわ。確か、珍しい双色の子とウォード商会の倅、ハーティー家の令嬢が同じ工房で勉強してるって」



そうですそうです、と少しずつ賑やかになってきた見知らぬ女性たちに相槌を打ちつつ、案内する。



「ああ、そうそう。ライムちゃん、私たち皆一番街に夫が店を構えているから、困った事や分からないことがあったら聞きに来てね。学生で店を運営するのは大変でしょう? 力になれるかどうかは分からないけれど、錬金術師の子とつながりを持てると私たちも安心できるのよ」



うふふ、と笑うハーツさんにそういう事か、と納得して頷く。


 店の中にお客さんを連れていくと、カウンターにいたリアンが酷く驚いた顔をしたのが見えた。

まぁ、直ぐに笑顔になってカウンターから出て来たんだけどね。びっくりしたよ。



「いらっしゃいませ、この度は『アトリエ・ノートル』へ入店いただき有難うございます。商品などはまだ少ないのですが、錬金術で創り出した有用な品を用意しているので是非見ていって下さい」



そういって腰を折ったので、慌てて私も頭を下げる。


 ハーツさん達はおっとりと笑いながら「見せてもらうわね」と『一般人向け』の通路へ足を向ける。

そこで秘かに気になっていたという【トリーシャ液】【洗濯液】をそれぞれ購入し、お土産にとオーツバーを買って帰って行った。


 暇だったこともあって私とリアン、そしてベルも見送ったんだけど、彼女らが見えなくなってからリアンがその場にしゃがみ込んだ。



「え? 大丈夫?」


「大丈夫、じゃない……君は、なんて人たちを……いや、いい。彼女たちは『商業婦人会』の代表者だ。王族の相手より気を遣う。彼女たちの持つ情報網は広いからな……王族や貴族の情報を持っているだけでなく、一般市民への発信力も絶大だ。一般に普及させたいなら、まず彼女たちに『これはいいものだ』と認めてもらうのが最短で最良の手段だろう」


「えー……そうなの?」


「あとは、評価だな。早ければ明日の朝には分かる」


「明日の朝って随分と早いわね」


「それだけ彼女たちの情報網は広い。ここで認められると【トリーシャ液】と【洗濯液】の評判は一気に広まる。まぁ、ライムが『三人で作って、素材も集めてるから数が作れない』と全員に話していたから、一気に客が押し寄せるようなことはないと思うが……認められると、委託販売の話なども出てくるかもしれないな」



夕食後に話をする、と疲れたように工房へ戻るリアンの背中を眺めつつ、首を傾げる。


 ハーツさん達はお店をやっているから商品の良し悪しが広まるっていう理屈は分かる。

分かるけど、そんなに神経すり減らすようなこと?と思っているのは私だけじゃないらしい。



 隣にいるベルも首を傾げて「大げさよね、リアンって」と若干呆れていた。

……まぁ、翌日の朝に大げさじゃないことが証明されるんだけどね。





◇◆◇





 ハーツさん達が来た後は暫くお客さんが来なかった。




 店内が混み始めたのは、夕方。

外から仕事を終えて戻ってきた冒険者が次々に店で買い物をしていった。

飛ぶように売れるって言うのはこういう事か、と驚きつつ商品とお金を交換し続ける。


 区切りがついたのは閉店の看板をサフルが出してからだった。

店内に残っていた最後のお客さんを全員で見送って、工房前の柵を閉じ、そこに『本日終了』の札を掛ける。



「はぁぁぁあぁ、お疲れさまぁ……すっごかったね。お釣りの計算とか間違ってないといいけど」


「本当に凄い人でしたわね……想像以上に商品が出て、あっという間に空っぽ。予備の商品を棚に置くのも間に合わなくて、最後はカウンターでの注文でしたわよ……まさか毎日このペースで売れるなんてことは……」


「暫くは続くだろうな。一週間は覚悟しておけ。冒険者や騎士はまだ増えていく筈だから、回復薬は作れるだけ作っておいた方がよさそうだ……解毒薬も意外と売れたな」



商品棚と空き箱を眺めながらリアンが何かを考えるように、眉を顰めた。


 ベルは残っていた予備の箱から商品を取り出し棚に並べていく。

私はこれから夕食の準備だ。



「それはそうですわ。雫時に備え始めている冒険者や騎士は多いもの。今年は、“ミルミギノソス”が巣を地上に作ったらしいから」



何でもないことのように告げられた言葉でリアンは納得したようだった。

考え込んでいたのが嘘のように手帳にメモを書き始める。



「ああ、なるほどな。解毒剤は多めに作っておくべきか。自分たちの分も確保しておいた方がよいか。病気用の薬もいくつか薬屋に頼んで……いや、作れるものは作って……調合時間と素材をどうするか考えて予定を組まないと拙そうだ」


「採取に行くなら多めに用意しておかないと拙いですわ。ディルを誘えるといいのだけれど。服を乾燥させることができるのは助かりますもの」


「ちょっと待って。ミルなんとかって何?」



巣ってことは何かしらの生き物なんだろうけど、と言い募れば二人は少し驚いていたけれど、私の住んでいた場所を思い出したのか教えてくれた。


 店の片付けをしながらだけどね。やることはやらなきゃ。



「雫時を迎える数か月前に【ミルミギノソス】っていう大型蟻が集まって巣をつくるの。あっという間に増えるから逐一、駆除をするんだけどね……その蟻が作る巣の位置によって、色々『雫時』にどんなモンスターが増えるのか分かるのよ」



なんでも、ミルミギノソスという蟻は通常であれば地下に巣を作る。

これは『動物系』のモンスターに巣を荒らされないようにする為らしい。


 でも、地上に巣を作ることがあって、こういう年は毒を持った虫が多いそうだ。

毒虫を餌にするモンスターは意外と多いんだって。

それに、ミルミギノソスを好物とする蛇や鳥系モンスターが多くみられる年でもあるらしい。



「へぇ……あ、そっか。毒虫が増えるから解毒剤が売れるのか。薬も?」


「そうだ。これから需要は増えるだろう……僕らもある程度確保しておいた方がいいかもしれないな。僕らだけではなく、護衛が毒などで動けなくなると困る。噛まれた種類によっては死んだり四肢が腐ることもあるから、解毒薬の類いは数種類用意しておくんだ」



毒虫と言っても持っている毒は様々らしい。

 普通は噛み痕や傷、他には環境や症状で判断するしかないんだって。



「ただ、僕は【詳細鑑定】ができるから毒の種類を特定することはできる。念のため朝昼晩の三回鑑定するつもりだ。微弱な毒だと症状が出ないこともある。そういうタイプは後々、何かしらの後遺症として悪影響を及ぼすこともある」


「お金に余裕がある冒険者は、万能薬や解毒薬数種類を念の為朝晩に飲むこともあるわ。そのくらい厄介なのよねぇ……まぁ、それでも採取や討伐に出るのはそれだけ実入りがいいからなんだけど」



毒をもつ生物は総じて何かしらの特徴を持っている。


 色鮮やかな皮、美しい鱗や模様、優れた薬効。


一攫千金を目指す者も少なくないし、美味しい想いをした運のいい者も多いのだろうとベルとリアンは教えてくれた。



「なるほどねぇ……でも、採取って基本的に安全第一だから、一攫千金って正直どうかなって思う。普通そうならないように地道に依頼とかこなしてお金貯めるよね。引退だっていつになるか分からないんだから猶更」


「……私思うのだけど、ライムって時々とんでもない正論言うわよね? ちょっといつもぼんやりしてるか、頓珍漢な受け答えばっかりだから同一人物か分からなくなることがあるわ」


「なんだ、ベルもか。僕もだ」


「いや、だって死にたくないし。お金はあっても困らないもん。無ければ無いなりに生活は出来るけど、緊急事態って考えてもいない所から飛んでくるんでしょ?」


「ま、まぁ間違ってはいないが……」


「そういう緊急事態が起きたからお母さんたちも死んじゃったみたいだし、私はそういう風にならないようにしようって思って。やだよ、私。作りたいもの一杯あるのに死ぬの」



錬金術師にもなってないし!と言えば二人は何故か笑顔を浮かべて頷いた。


 いつものキツイ切り返しがないのが気持ち悪い、と思いつつ台所へ向かう。

今日は炊き込みご飯を多めに作って、明日の昼に食べられるようお握りにしておこうと思ったんだよね。



 お米や素材を取りに行かなきゃ、と調味料の確認をする。

鍋なんかは沢山あるから、火加減さえしっかり見ておけば問題なく大量生産は出来るし。



「夜ご飯だけど、リゾットでもいい?」



リゾット向きのコメが結構あったな、と思い出して調理用のエプロンを着けながら聞けば、二人は作業する手を止めてぐるりと振り返った。



「僕はマトマとチーズのリゾットがいい。僕は売上の確認と明日の釣り銭を準備しておく」


「私は辛いのが食べたいわ。リアンがお金の管理するなら、今日売れた分の出庫票をつけて、足りなくなりそうなものがあれば調合出来るように準備しておくから任せて頂戴」


「はいはい。じゃあ、二人の希望の味にするからよろしくねー。サフル、店の掃除が終わったら手伝ってくれる?」



 結構忙しかったけど、夜七時を知らせる鐘が鳴る頃には夕食を終え、食後のお茶を飲むことができた。

もっと色々手間取るかと思ったんだけど、何とかなってよかった。






ここまで読んでくださってありがとうございます。

誤字脱字変換ミスなどは、誤字報告で教えて下さると幸いです。

毎度毎度ほんとうに、ほんっとうにお世話になってます……すいません。



=モンスター=

【ミルミギノソス】病気を運ぶ大型の蟻。

雫時(現代で言う梅雨)の数か月前に何処からともなく集まり、巣をつくる。

その際、巣を作る位置で雫時に増えるモンスターの傾向が分かる。

 通常であれば巣は地下に作られる。

これは、動物系のモンスターや魔物に巣を荒らされない為と考えられている。

ただ、数年に一度地上に巣をつくることがある。

この場合は、毒を持った生物が多くなる。

ミルミギノソス自体が毒虫を好むことから、地上で捕食などを行う為だと考えられている。

また、ミルミギノソスを好物とする蛇や鳥系のモンスターも増える。

 雫時が終われば、女王アリは死に、4~5体の小集団に分かれ餌を探しに移動する。

雫時に集まるのはあくまで繁殖の為。

毒虫を食べるので、ミルミギノソスは毒を持っていることが多い。

その種類も様々で、一番多く食べた毒虫の性質を帯びる。

 額部分にある直径3センチほどの石が一番高く売れる。

また、胸部が硬く美しいのでこの部位も高く売れる。



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[良い点] とてもおもしろいです!錬金のくだりも楽しいです! 食テロでおなかすきますw [気になる点] ライムちゃんディルのことほったらかしすぎではー? 召喚のこともきになるし、恋愛要素とかないのでし…
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