125話 お店を開く前日の話(後)
やぁっと一話書きあがりました……ストックなんて、幻……というかもう夢?
サクサクではないけれど、書いていて楽しいのは調合シーン。
おもしろいです、創作料理考えてるみたいで。
次の調合は【牧師の丸薬】だ。
【牧師の丸薬】は人気のアイテムらしい。
日常的にはあまり使わないけど、お金のない冒険者は【司祭の丸薬】よりも安い【牧師の丸薬】を買って行くから……らしい。
このアイテムの効果は解毒、浄化、体力の回復。
上手く出来た薬には魔力を回復する効果が付くとか、付かないとか。
(難易度で言うと【薬草クリーム】の方が上だろうけど……飲み薬だから、腹痛とか頭痛とかにも効くんだよね)
乾燥したアルミス草の葉を取って粉状になるまで擂り潰す。
葉の部分を粉にしたら、それ以外の部分を同じ乳鉢に入れて擂り潰し二種類の粉を作る。
教科書にもレシピにも書いていないんだけどおばーちゃんはこうやって作っていた。
「まずは、初級ポーションを出してっと」
ポーチから持ち歩いているC品質のポーションを取り出す。
失敗した時の為に今回の調合は一回分だ。
一回で三粒分の薬ができるんだけど、一日で三粒飲んで効果を発揮するから一度に飲んでも分けて飲んでもいいみたい。
長期戦の為に節約しつつ体力を回復させたい時には分けて飲んで、さっさと直したいときは一度に飲み切るっていうのが一般的に広まっている使い方だ。
「さってと……薬の調合って、ちょっと手順間違うと失敗するから気を付けないと」
レシピ帳を開いてもう一度手順を確認する。
回復薬や薬の類いは、効果が高くなるほど繊細な調合技術が必要になるらしい。
魔力の操作は勿論、前段階の素材の処理、細かい重さの指定や順序を正しく適切に行って初めてアイテムが完成する。
薬師も錬金術師とは違った国家資格だ。
コッチは主に病気に関連した薬を作る才能に長けている。
薬師のレシピを錬金術に置き換えることができるとはいえ、出来ないものも多くあるんだよね。
勿論、その逆もしかり。
「粉末になるまで擂り潰す、はいいとして……小麦粉と混ぜてから、油素材を入れてまとめる、か。三等分して固めてから調合釜に入れるっと」
それからは魔力を込めてポーションが無くなってから強火、っと。
【牧師の丸薬】は丸薬の中でも簡単な部類に入るからか、細かい計量は要らないようだ。
ホッとしつつ手順通りに小麦粉をアルミス草の粉に混ぜていく。
少し迷ったけど、葉と小麦粉を最初に混ぜてから、最後に茎をメインとした粉末を混ぜ込んだ。
粉末を分ける意味があるのかどうかは分からないけど、品質が良くなるのかどうかも気になるし物は試しってことで。
一口で飲めるくらいの大きさに三等分し、調合釜の前に立つ。
ポーションを入れて、そこに丸めた薬玉を入れる。
結構な量があるポーションに対して薬玉は小指の爪くらいの大きさが三粒。
(これ、大丈夫なのかな)
首を傾げつつ魔力を込めて釜の中を混ぜる。
注意すべきは丸めた薬玉を潰してしまわないようにするくらいだろう。
グルグルぐるぐる混ぜていると、五分位した所で徐々にポーションの量が減ってきた。
けれど、薬玉に変化は見られない。
「完成形が分からないと結構不安だし、今度から出来るだけ多くの錬金アイテム見ておこう」
実は丸薬の錬金アイテムは見たことないんだよね。
おばーちゃんが葉っぱと茎を別に擂り潰しているのは見た記憶がある。
(擂り潰した感じ、葉は割と粉にしやすかった。茎を擂り潰すのには、力も時間もかかったんだよね……二つに分けてたのは、均一に仕上げる為だとは思うけど)
個人的に凄く気になるし実験もしたい。
でも、明日はお店を開く日だし検証してる時間がないんだよね。
小さく息を吐いて意識を釜の中へ戻すと丁度、入れたポーションの量が半分ほどになっていた。
まだ変化はないな、と思ったのは一瞬。
調合釜の中でコロコロと転がる薬玉に変化が出てきたのだ。
「あ。色が変わってきた」
茶色っぽかったのが鮮やかな緑色に染まってきている。
【牧師の丸薬】というアイテムの名前はレシピ帳に載っているけど、アイテム自体の絵が載っている訳じゃない。
だから、他の物もそうだけどアイテムの完成形は想像するしかないんだよね。
これまでは『知っている』もしくは『見たことのある』アイテムばかりだったから、仕上げの見極めも簡単だった。
(完成形を知らないって結構緊張するんだね……今までが苦労しなさすぎだったのかもしれないけど)
色の変化が出てからはあっという間だった。
魔力とポーションを吸う量が増えて、一気にポーションがなくなったのだ。
慌てて魔力を切り、火力を強火に。
ごうごうと燃える火と急速に鮮やかな緑から褪せた緑色へ変化するのも早い。
焦げない様にコロコロ転がしつつ、ムラのない灰緑色になるまで続けた。
すっかり乾燥してぷかっと鍋底から浮いた所を掬う。
「で、できた……!」
いつも以上の疲れを感じつつ、深く息を吐いて額に滲んだ汗を拭う。
完成したアイテムは小さな保存瓶に入れた。
三粒の丸薬が入った瓶を手に持って、測定器へ向かう。
リアンが調合中だし【牧師の丸薬】は高難易度の調合アイテムじゃないから、学院から貸し出されている測定器で充分だ。
「お店で売れる品質だと助かるんだけど」
どうかな、と測定器に乗せて魔力を流す。
【牧師の丸薬】 品質:C
特性:飲み込みやすい 解毒 腹痛回復 頭痛回復
浮かび上がった文章に思わず手のひらをギュッとを握る。
一般的な効果ばかりだとは思うけど、それでもアイテムが無事に完成したことが分かった瞬間の達成感と充実感が、私は凄く好きなんだよね。
これだから『調合』は楽しいんだ、と鼻歌を歌いながら小さな小瓶を摘まみ上げる。
完成したアイテムは、測定器の横に置いておく。
(ベルの方は……まだ調合に時間かかりそうかな)
ベルは真剣な顔で調合釜の中を覗き込んでいる。
手に持った調合用の棒に込められた力がいつもより強いのは見るだけで分かる。
棒がギシギシ言ってるからね。
反対の手には乳鉢。
乳鉢を持っている方の手が震えていて、大丈夫だろうかと心配になった。
見守っていると、ベルは慎重にクズ魔石を粉にしたものを調合釜の中に少しずつ振り入れているようだ。
この調子なら大丈夫かな?と意識をリアンへ向けようとしたところで、ベルの苛立ったような声。
「ああもうっ!! チマチマとめんどくさいわねっ!」
そんな声が響いたかと思うとベルは躊躇なく、乳鉢の中身を豪快に全てぶちまけた。
全部入れた所で気が済んだのか、フンッと息を一つ。
心配になって見に行こうかとも思ったんだけど、本人はスッキリしたのか気を取り直して棒を両手で持ちかき混ぜ始めた。
(う、うーん……薬の調合絶対向かないタイプだ)
爆弾の調合って「思いきり」と「見極め」が大事らしいから、ベルには合っていたのかもしれない。
爆弾系はベルが作ると品質が飛び抜けて良いし。
調合二回目でS品質に近いA+を叩き出してた。
(ええと、リアンはどうかな)
強引に意識をベルから反対の作業台へ向ける。
そこには眉間に皺を刻んだまま調合釜をかき混ぜるリアンの姿。
作業台の上に載っている素材を見る限り、まだ【薬草クリーム】の調合の前段階らしい。
在庫の数を思い出してこの後【吸臭炭】を作ることにした。
(リアンの調合が上手くいったら私やベルも在庫作ることになるだろうし、そうなれば油素材の中でも安い獣油でシアブロック量産しなきゃいけないもんね)
獣油自体が肌にいいとしても、臭いがあると使うのに抵抗があるから……臭い対策は必要になるわけで。
「うーん、在庫で作れそうな分だけ作っておいた方がいいかな」
ボソッと呟いた声は思っていたより大きく響いていたらしい。
作業を終えたらしいリアンがため息を吐いた。
「―――…すまないが、頼んだ。できれば、だが【吸臭炭】を作って余裕があれば【シアブロック】の調合も頼みたい。これは、中々腕にくる」
「了解。【研磨液】の調合はどうする? 寝る前の方がいいかな」
「そうだな、寝る前に頼む。店売りの商品にするかどうかだけでも決めたい。今調合しているアイテムは店に出せないにしても、採取をしに行くことはほぼ決定しているだろう。それに備えておくに越したことはない」
「ほぼ決定だもんね。雫時に採れるアイテムについて、もっと色々調べてから行く場所決定したい気もするけど」
「おそらく話し合うことになるだろう。僕の方でも情報は集めてみる。暇なときに冒険者ギルドに行くのもいいかもしれない―――……まぁ、採取旅に出るなら【薬草クリーム】や【中級ポーション】は作っておこう。なにせ、悪天候の場合は怪我をする確率も高くなる傾向にあるからな」
回復ができる魔術師がいれば命の危険は低くなる。
でも、そういう人は大概教会や治癒院、お城で暮らしているからお目にかかることはまずないとか。
ダンジョンが多くある『赤の大国』であれば、治癒師や白魔術師という回復を得意とする人もいるらしいけど、彼らは殆どダンジョンのある街から出てこないそうだ。
「あ、【牧師の丸薬】は無事に完成したよ。こっちは割と調合簡単だから量産は出来そうなんだけど、粉末にする作業が結構手間かかるから、魔力切れが近い時は粉末にする作業をして時間潰すのもいいと思う」
「粉末にする作業はどうしても時間がかかるから仕方ないか。恐らく、クズ魔石を粉末にする作業もしておいた方がよさそうだ。雫時の後には虫が増えるからな。そういった時間のかかるものは、少しでも普段読書や自分の時間に宛てている合間に作るべきか」
自分の時間って何だろう、と思っていると雑務や調合をしていない時間のことらしい。
なるほど、と頷いてはおいたものの疑問に思ったことがいくつか。
「自分の時間って『生活に必要なこと』している時間以外だよね」
「? まぁ、そうなるな。家事や生活に必要な雑事は個人の時間には含まれないし、趣味の時間を自分の時間、個人の時間として考えた方が―――……参考までに聞くが、今まで君は何をしてたんだ?」
「ご飯作ってる時間以外は調合だったり、素材の基本的な下処理が多いかな。あ、レシピを見直すこともあったよ。後はミントの所に行って、採取とか畑の手入れ手伝ったり、話したり……庭で育ててる薬草の手入れとか雑草抜きも庭に出たついでにしてる」
「読書や買い物をしたりはしないのか?」
「本ならレシピ帳とか図鑑読んでるよ。買い物はまとめて買い置きしてるから不足分があれば買い足す程度で大丈夫だし」
そう笑いながら返すと何故か額に手を当て、天を仰いでいた。
それから『欲しいものはないのか』とか『好きなものは』とか色々聞かれたんだけど、答える度に頭を抱えて項垂れていく。
「そんなことより、木炭だけど大きいもの以外は使っちゃうね。量が少ないようならいくつか砕くかもしれないけど」
「あ、ああ。頼んだ。その調合が終わったら【シアブロック】を頼む」
任せて、と返事をしてから地下へ向かう。
【吸臭炭】の調合に必要な素材はまだ持ってきてないんだよね。
ポーチから折り畳み式の鞄を取り出して、地下の扉を開く。
少し肌寒いくらいの気温に保たれた地下の一角には、個人で必要だと思ったものを置く場所も確保しているのだ。
(レシナールの葉は普通の調合で頻繁に使わないから、コッチに置いてあった筈)
私に割り当てられた場所には二人の倍はある素材が保管してあったりする。
『レシナールの葉』や『苦草』は、一般的な調合素材じゃない。
だから二人は集めてないんだけど、私は癖で一応採取してるんだよね。
種類別に分けているし、時点で薬効や特性を持ったものだけを選んで採取はしてるけど、ゴミになりそうなものも複数ある。
「四季っていえば、首都の冬って寒いのかな? 雪が降るなら降るで色々考えないといけないし、冬服だって高いだろうから早いうちに買っておいた方がいいのかも」
冬は冬で暖かくなるようなアイテムを作ったら売れる?などと考えながら目的のものを鞄に入れていく。
一般的に冬には採取できる素材が少なくなる。
だからその辺りも考えて前もって採取しておかないと、後で困るのは自分だ。
特に、薬草の類いは夏から秋にかけて多めに採取し乾燥できるものは乾燥させて、冬の間に使えるように保存しておくのが、私にとっての常識。
一般的にも多分そうだと思うけどね。
他にも冬に向けてしなくてはいけない準備が沢山ある。
(お店の経営もそうだけど、採取との兼ね合いが本当に大変になりそう。売れないと困るけど、売るには素材もどうにかしなきゃいけないんだよね)
本来なら一人でしなくちゃいけないことも分担できるから、話し合いさえちゃんとできていればかなり楽な制度だと思う。
三人いれば採取・調合・販売にそれぞれ人手を割けるし、なにより相談できるのがいい。
空いている方の手で小さな木箱を持って作業台へ向かう為に階段を上る。
木箱を抱えなおして自分の作業台に行こうと足を踏み出した瞬間に、ベルがパッと私に笑顔を向けた。
「ライム! 【虫よけポマンダー】が出来たわよ」
嬉しそうに私に差し出されたのは、レシナで作ったポマンダー。
不思議なんだけど、このポマンダー輝いていた。
「え、なにこれ凄い! ポマンダー、だよね? 凄いキラキラしてる」
ベルの手の中にあるのは、私の知っているポマンダーじゃない。
乾燥させることで果物が褪せた色になることが多いし、生の状態でもポマンダーが宝石を散りばめた様に光を反射することはない。
マジマジ眺めていると、ベルが私の手の上にポマンダーを乗せた。
重さは、殆どない。
本来なら果物の重みがある筈だった。
でも、殆どそれが感じられなくて驚いていると、ベルはどこか誇らしげに笑う。
「魔石の粉末を最後に入れたおかげだと思うわ。使う時は魔力を流さなくちゃいけないけど、一度流せば効果がなくなるまで香りが続く筈よ。測定器使うけど一緒に見ない?」
「みたい! これ、綺麗だし持って歩くのにはいいかも」
「ライムが染めてくれたリボンもいい感じよね。レシナと同系色だったからどうかと思ったのだけど、粉末にした魔石やスパイスの配置によっても見た目の印象も変わるし、工夫しがいがあって面白いわ。リボンももう少し色を工夫してみたいわね」
時間があったら一緒にやってみない?と言われて頷いた。
一度作業台に【吸臭炭】の素材を置いて、直ぐに測定器の元へ。
リアンは【薬草クリーム】の調合を始めていたので声は掛けない。
私と一緒に測定器の前に立ったベルが緊張した表情でポマンダーを置いて魔力を流す。
じわっと赤みを帯びた光に包まれた測定器に文字が浮かび上がってきた。
【 】 品質:B
特性:虫よけ効果(強) 魔物除け(弱) 範囲拡張(中) 衝撃耐性 防腐効果
名前の部分が空欄なのはオリジナルアイテムになったからだろう。
ベルは名前が表示されていないことに驚いていたものの、『オリジナルアイテム』になっていると知るや否や「やったわ!」と私に抱き着いてくる。
「私にも『オリジナルアイテム』が作れるなんて!! 貴女みたいに、天性の才能がないと出来ないと思ってたのに……私でも作れるのねっ」
「天性の才能って、なにそれ? ベルはちゃんと【錬金術師】の才能があるじゃん。爆弾は私より作るの上手いし、毎日ちゃんと魔力カラになるまで一緒に調合だってしてる。空いてる時間とかは、錬金術の勉強してるでしょ?」
それを見たのは偶然だった。
戦闘にしか興味ないわ! みたいな顔をしていたベルだったけれど、爆弾の調合をした辺りから少しずつ錬金術の勉強をし始めたらしい。
勉強って言ってもアイテム図鑑や素材、自分に作れそうなアイテムを熱心にメモしたり、アイテム名を覚えて特性や扱い方を覚えようとしているのを私も、リアンも知っていた。
時々、夜にベルの部屋から明かりが漏れてるんだよね。
前に一度ベルに確認したいことがあって寝る前に慌てて二階に上がったことがあったんだけど、その時にベルが一心不乱に部屋の机に向かって羽ペンを動かし、ブツブツ言いながらあーでもないこーでもないと勉強しているのを見かけたことがある。
朝起きてくるのが一番遅いのは夜遅くまで勉強しているのもある筈だ。
「魔力使い果たした後って起きてるのも辛いのに、ベルはその状態で勉強してるんだもん。すごいよ。私なんか惰性と習慣でレシピや図鑑を眺めることが多いからさ……知らないアイテムも沢山あるし、もっと勉強しなきゃ」
「わ、私は別に、勉強なんて……ッ」
「あと、朝練もしてるし、凄いよね。私も走ってはいるけど全然だもん。もっと頑張らなきゃ」
そう言って笑うと、ベルが恥ずかしそうに私から手を離してプイっとそっぽを向いた。
どうしたんだろうと思ったけど、漸く『貴族は努力を見られるのを恥ずかしがる』とかって貴族騎士が言っていたのを思い出した。
慌てて謝るとベルはぶっきらぼうに
「べ、別にッ! 気にしてませんわよッ! で、でも、そうね……努力を認められるのは、嬉しいことだって……久しぶりに思い出したわ」
ありがとう、と小さな小さな声で言われた感謝の言葉に口元が緩む。
どういたしまして、と返事を返して測定器の上のポマンダーを指さす。
「名前はどうするの?」
「どうしようかしら。あまり難しい名前や比喩じみたものだと用途が分かりにくいわよね」
「そう! そこなんだよね。わかりやすくてパッと一目見た瞬間に用途が分かる感じの名前だと……」
「改めて言われると悩むじゃないの! ああ、もう面倒だから【虫よけポマンダー】でいいわ。これならすぐ分かるでしょ」
「だよね、結局そうなるよね。次はアリルでポマンダー作るんだっけ? 私は【吸臭炭】を作って、その後【シアブロック】と時間があれば【中級ポーション】作る予定。夕食の後に研磨液の作り方教えるからね」
「楽しみにしてるわ。【中級ポーション】なら私も次の調合が終わったら取り掛かるから、貴女は【シアブロック】を作って頂戴」
分かった、と頷いてそれぞれの作業台に戻る。
ベルの作業台からはゴリゴリと魔石を擂り潰す音が聞こえて、隣からはグツグツと調合釜の煮える音が聞こえた。
平和で、今まで通りの風景を一度眺めてから私も素材を粉末にすべく、材料を籠から取り出して並べる。
結局、お店を開く前日は調合漬けで一日が終わった。
魔力が空になった私たちは、寝る直前に暖かいアルミスティーを飲んで、翌朝の起床時間を合わせそれぞれの部屋に向かう。
新しいことをするのはドキドキするけど、ほんの少し緊張して、ほんのちょっと怖いと改めて思いながら目を閉じる。
明日はいよいよ、『アトリエ・ノートル』開店の日だ。
色々アイテムも増えてきました。
次はいよいよ開店です!
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い、いつもいつもお世話になっております……ほんと……(震え
アイテムが増えすぎて、何がどれだったかわからなくなるのは実は良くあることだったりします。ハイ。
二重に説明をしているかもしれないと、いつも戦々恐々。