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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。

【問一】守り抜くと誓った最愛の幼馴染であるお姫様が、王子様になったときの心情の答えよ。    

作者: ウウウ
掲載日:2026/03/07

  神龍王国は、建国の父であるガルジュベールと神龍の契約によって作られた。だから、神龍王国の王になれるのは、ガルジュベール・ド・フライシングの血を受け継いだ男児のみだった。

 

 僕はその規則が嬉しかった。

 だって、その規則のおかげで第三王女であるナタリア・フライシングは王都から離れた母方の領地で、のんびりとした時間を過ごすことができて、僕の幼馴染であれたから。

 それは、ナタリアも同じように思っていると、僕は心の底から信じていた。

 今はもう自信がないけれど。

 兄や弟たちのように、血で血を洗う熾烈な戦いに、神龍の気まぐれな試練に振り回されることなく、自分の人生を生きられる。

 彼女には、その権利があったのに。

 

 神龍は、下した命令を成し遂げた王族に褒美を与える。

 厳密に実行する人が王族である必要はない。だから僕は彼女にお願いされて、彼女の名のもと、王国の端を荒らす不届な魔物の討伐を三年間続けた。

 

 そして、やっと神龍が認めるほど、綺麗に掃討して見せた。

 その報いがこれか。

 手紙では月に一度やりとしていたナタリアに、会える。今回の武功で、僕も王都に住めるだろうか。そうしたら、きっと今までの時間を埋めるように、ナタリアと会える。それだけが希望だった。

 神龍と対面し、彼女が望むものが与えられる瞬間、僕は後ろから見ていた。

 

 ナタリアは昔から、自分のしたいことをはっきり表明して、堂々と成し遂げてみせた。

 僕は彼女のそういうところが好きだった。

 大好きだったのだ。

〈何を望むか、賢き乙女。 ガルジュベールの血を継ぐものよ〉

「神龍様、謹んで申し上げます――」

 交わした言葉は、彼女と神龍様だけのものだった。何を言ったのか、僕にはわからない。

 でも、彼女の願いを聞いた神龍は笑った。僕のいる場所までその振動は届いて、髪の先までビリビリしばらく揺れていた。

 笑っている。

 そして、神龍が魔法を使った。膨らむ魔力の中心には彼女がいる。

 

 ナタリアが、危ない。

 僕は目の前に並ぶ神官も、武装神官も突き飛ばして(火事場の馬鹿力というやつだろう)彼女を見た。

 その時には、もう――彼だった。

「ナタ、リア……?」

 彼女は、いや、彼は俺を見ない。控える記録係に届くような大声で言った。

「たった今! ナタリア・フライシングは死んだ! 代わりに、神龍の祝福を受けた王子、ナルドベール・ド・フライシングの名前を記録せよ!! 王国の新たな後継者である!」

 

 僕はその輝かしい誕生を、もっとも近くで眺めることができた。そして最も深く絶望したものでもあった。

 

 彼の、王への道が始まった日だった。

 

 ここで問題である。

 

 【問一】守り抜くと誓った最愛の幼馴染であるお姫様が、王子様になったときの心情の答えよ。

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