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第73話 天に通じる


「あはははははは」

丘の上でハティが笑う。


(それでこそ、我が宿敵「ロッシェ」一族)


嬉しそうに笑う。

(奪い、得ることでしか命を繋げない私たちとは違う)


(耕し、育む……)


(それこそが、「天地の仲介者」、「天に通じる者」だよ!)


フッとハティが笑う。

「いけないいけない。『右腕』と『マクスウェル』の声に影響されすぎた」


頭を振る。

(「秩序の悪魔」ではない。ここからは、「僕の物語」だ)

瞳の琥珀色が光を帯びる。


(ハル、僕自身も一緒さ。「天と地と万象」に生かされている……逆らえる者などいないのさ)



「せぇぇぇい!」

僕は棒を振るう。

一撃必殺……なんてカッコいいものじゃない。


――――――スン。


音もなく魔獣が倒れる。

それどころか、拡散した黒い霧から人が出てきた。


あ~、あ~、やっぱりこいつってぇ……


堀のあたりで「キッショ」とか言ってたやつだ。

印象は薄いけれど、そう言ったことで爪痕を残した「モブ」だ。


ということで、仮説は正しかった。

共和政府は「恩寵」とかいう術を使って、人を魔物にしている。

政府に深くかかわる人ほど、この影響は大きく、こんなになっている。


いや、僕は正直、本人の性根だとは思っているけどさ。


じゃあ、周りの群がってる魔獣ってほとんど―――――


「ヒャッハァッ―――――!」


なぜかリムがハイテンション。


「薙ぎ払う!灰燼に消せ!哀れなる魔獣よっ!」


ああ、なんか、既視感がぁ。

リムもティアさんと属性被ってるんだなぁ……


「我が同胞を傷つけた罪!身を持って贖え!」

ちょっと嬉しいけどさ。


「【終焉を告げる雷霆ケラウノス・ジャッジメント】!」

いや、正直、やってるのいつもと同じ【電光石火ライトニングストライク】!

無駄に中二病感出さないで!

あの人と競わないで!


とはいえ、僕だって思うところはある。

倒れている解呪された衛兵を哀れとも思わない。

けれどさ――――


「グワァァァァァア!」


咆哮を上げて迫る魔獣。

そうさ、「かかる火の粉は払わなけりゃならない」。


僕は容赦なく連撃を入れる。

「【通天大聖――『連』】!」

いわゆる、「オーバーキル」。

魔獣をボコボコにする。


「スン」って黒い靄は消えるけれど、棒で殴られたダメージは少しは堪えるだろ。


よくも、よくも――――コリガンくんを笑ったな!

彼はこれよりも痛いのを堪え続けたんだぞ!


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