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第102話 超☆重力圧潰(フォーリン・ラブ)で限界突破は屁の河童



うおおおおお、ハルさん、がんばっちゃうぞぉぉぉっ


僕は走った。


何かよくわかんないシャクレた生物がいたけれど、走ってやり過ごした。

ま、ペットだったら玉乗り仕込みたいけどね。


そんなことよりも、コレットだ。

とにかく探さないと。


コレットの足だからそう遠くには行っていないはず。


それに、こんなヘンテコな森だ。

迷っていたり、獣に襲われることだってあるかもしれない。


不安になっていた時だ。


遠くから轟音が響いてくる。


なんだろう?コレットかな。



「どうした?難しい顔をして」


エガちゃんが私を見る。


「あ、いえ……大丈夫です」


「そうか。ああ、お前、名前は何て言うんだ?」


「コレットです」

素直に答えた。

この人たちは私の名前なんて知らないと思うもの。


「そうか。コレットはどこの生まれだ?」


「えっと……旧オルレア領のノービス村です」

ちょっとだけ「嘘」を混ぜる。

その方がバレ難い。


「ああ、あそこか。なるほど……」

そう言って私を見る。


「最近、村には戻ったか?」

「いいえ」

「そうか。ならば、戻らない方がいいかもな」


「どうしてですか?」

「昨年、魔物騒ぎがあったらしい。安全が保障されるまでは近づかない方が身のためだ」


「そうなんですか」


私はこっそり【高貴なる洞察ノーブルインサイト】でエガちゃんを盗み視る。


この人は何も知らない。

嘘をついていない。

そして、本気で気遣ってくれている。


「そういえば、エッガー様はどうしてこの森に?」

「ん?ランドルフでいいぞ」


「はい。ランドルフさんはどうして?」

「ああ、実はな、任務に失敗してなぁ、上官にこっぴどく怒られた上にしばらくは顔を見せるなと言われたんだ」

……あはは、きっと「エーレンブルグ」の時のことですよねぇ。


「ま、上官は心が広いから。ひと月もすればお怒りが静まるだろう」

「それで、旅行か何かで?」


「それならばいいがな。汚名返上のために『獲物』を追っていたんだ。そうしたら、どうやらエルフの集落に逃げ込んでいるようだったのでな」


「え?でも、エルフたちが怒らないですか?」


「そりゃ、もちろん怒るだろうよ。俺らはエルフの恨みを買ってるからな」

エガちゃん、ペラペラと内情を私に話してる。

大丈夫かな、この人。


「まぁ、偵察程度だからな。隙あらば『アナグマ』捕まえるやり方もあるわけだし」

「捕まえ方?」

「そう。箱罠が多いよな。餌を箱の中に入れておびき出すの」

「へぇ」

私は「猟師」と名乗るこの人の話に感心していた。


「ああ、ところでコレット」

「はい」

「この先、崖があるの知ってるか?」


え?なに?もしかして正体バレていて、突き落とされたりするの?

「危ないから迂回しようと思う。結構離れているけれど、下の川まで降りられる。そこから舟で移動だ」


……それ、本当ですか?

来るときの、あのとんでもない冒険はなんだったんですか?



あれは……コレット!?


一緒にいるのは「エガちゃん」!?


なにがどうなって、こんなことになってるの?

もしかして捕まった?


なら、助けないとっ!


でも、どうしたら……


いや、まずは冷静に。

ビシソワーズ(冷製ジャガイモポタージュ)の精神だ。


ちゃんと手をかけて、じっくり機会をうかがう。

そして、最後には冷静に対処するんだ。



「えっと、『舟』ですか?」


「そうだ。『舟』だ」


ランドルフさんの自信満々な返答。

いや、舟と言えばその仲間なんだけれど。


丸太をロープでつなぎ合わせたもの。

正確には「いかだ」と言います。これは。


「ちゃんと、オールもあるぞ」

これも、棒に板をくくりつけたもの。

あの、無人島からの脱出ではないのですけれど。

あなた、野生児ですか?


「大丈夫だ。これで転覆したのって一回しかない」

「ちなみに、何往復したんですか?」


「いや、今回が初めて。今の往路だけだな」

100パーセント中の100パーセントぉぉぉ!?


「途中の急流でちょっとミスっただけだから、大丈夫だ」


ぜんっぜん、信用できない、この人。

本気で大丈夫って思ってるし。



「ひぃぃぃぃぃっ!」


「ひょおおおわぁぁぁぁぁあっ」


「ぎぃぃぃやぁぁぁぁ」


私は何度悲鳴を上げただろう。

必死で丸太を縛り付けているロープに掴まった。


「おお、これはなかなかエキサイティングだな!」


朗らかに言うランドルフさんこと、エガちゃん。


私はこの人に「一言もの申したい」。

まったくもって、安全ではない。

安全に配慮する義務があるのではないでしょうか?


川を下って共和国本営までって、たどり着けるの?

それとも水死体になって流されていくの!?


川って言っても、これはもはや「滝」なんですけどぉっ。


水しぶきが私を襲う。

とにかく振り落とされないように必死だ。

ってランドルフさん、なんで筏の上に普通に立ってるの。


「HEY! 水・SI・BU・KIがぁ、俺をハイにする!」


なぜか歌い出した。

この人の情緒、どうなってるの?


「ハンター魂!爆裂だぁ!」


どおおおおおん!


岩にぶつかり筏が跳ね上がる。


ぎゃああああああああ!


「必中ぅぅのぉ、矢を放ってぇ、あの子のハートを『ずきゅーん』だぜ!」


私の心臓が「ずきゅーん」って、止まりますって!


「俺のマジLOVEはぁぁ、超☆重力で圧潰だぁ!」


ランドルフさんがシャウトした瞬間、筏が宙に浮いた。

……え?


なにぃぃぃぃ!? 滝ですってぇぇぇぇぇ!


これじゃあ、地面に叩きつけられて「圧潰」どころか「砕潰さいかい」しますぅ!


「ふはははははっ『ふぉーりん・ラブ』だなっ」


フォーリング・ライフ(命を落とす)ですってっ、これぇとぅえぇぇ!



ジャガイモ仲間の皆さんへ


1日お疲れ様でした。


新生活に向けて頑張っている方も多いと思います。

気温差もあり、体調も崩しやすいときです。

体に気をつけて下さい。


まずは、1日を過ごしたみなさん、ヴィクトリー!


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