004 神との交信
婆さんの住処から逃げ出した俺はアリスちゃんと共に村を散策していた。
とりあえず、村の主要施設を案内してもらっている。まぁ、場所とか何も知らないからな。とりあえず、道具屋(婆さんの住処)以外に生活雑貨店,酒屋を案内してもらったけど、俺にはどれも関係ない店だろう。
「アリスちゃん。この村の教会は?」
「教会に行きたいの?付いてきてね。」
続いてやってきたのは教会である。周りの店や民家が木製に対して、石造りである。それにステンドグラスも煌びやかに太陽の光を反射しており、他の家々とは一線を駕している。
さぞやご立派な神が祀られているかと思いきや、あのクソジジイなんだなぁ。
「おお、案外に立派だ。」
「そんな事言ったら罰当たりだよ。」
「けっ、神様はそんなことまで見てないだろ。」
なんといってもあの神だ。末端の神殿まで目を通しているわけないだろ。
それに、俺を女にしてくれやがった恨みは忘れていないからな。交神(限定)なるスキルで呪詛を送ってやるぜ。
くくく、かの【聖女】と同じように神と通話できるだろうからな。言いたい文句はいくらでもあるぜ。
「お邪魔しまーす。」
「あら、いらっしゃい。イリアさんがここに来るのは珍しいわね。」
「ええ、偶にはお祈りでもしようかと。」
「それはいい心掛けですね。その献身に天上の神々もきっと応えてくれるでしょう。」
「ふふふ。それならよいのですが。」
くくく、神め、待っていろよ。今から呪詛をたんまり送ってやるぜ
―――本当に禄でもない英雄じゃのう。
あん?クソジジイか。てめぇ、どういうつもりだ!!俺を女にしやがって。それにもう成長した後じゃねぇか。幼いという理由で女湯に忍び込む計画をどうしてくれるんだ。
それに、この身体なんだよ。ステータス低すぎじゃねぇか。嘗めてんのか、おらぁ。
―――ほっほっほっ。何、おぬしも言っておったではないか。美少女の方がいいと。幼女はおぬしの好みではないようだったからの。
―――それにとびっきりの美少女に会わせてやったじゃろ?鏡越しにのう。
クソジジイぃいいいいいい!!自分が美少女になりたいなんて一言も言ってないだろうが!!んなの分かってんだろ、くそが。
この邪神め、いずれこの借りは返させてもらうぞ。
―――ほっほっほっ。怖いのう。そんな罰当たりなおぬしからはスキル没収をするとしようかの。管理者権限“技能没収”、対象“交神(限定)”。ではの。中々いい反応をしてくれたのでな。これで許してやろう。
「大丈夫?」
「大丈夫。……大丈夫。大丈夫じゃねぇええええ!!」
「わっ、もう。急に叫ばないでよ。」
あ、怒った顔も可愛いよ。
じゃねぇえええええよ。クソジジイ。やっぱり邪神じゃねぇか。人の嫌がることをして楽しむとか、思春期の男の子か?何、俺のこと好きなの?お前、もうジジイだろ。引っ込んでろ。
けっ、ま、ま、ま、いいさ。交神(限定)なんて、つまりは神が俺を監視するためのスキルだろ。それが無くなったと思えばいい。そう、そう思えば……。
……だが、ムカつくものはムカつくぜ。いずれぶっ殺してやらぁ。
「悪いな。ちょっと眩暈がして。」
「そうなんだ。体調には気を付けないとね。」
「そうだな。」
ずっと思ってるけど、アリスちゃん物分かり良すぎじゃないか?
仲良かった子が急におかしな行動を取り始めたんだよ?それなのにすぐに納得するんだ。え?本当に大丈夫?お兄さん、逆に心配になって来たよ。今はお姉さんだけどな。
それとも俺が入る前からイリアさんは相当にやばい奴だったのか?……そう考えると、恐ろしいな。
まぁ、いいや。そんなの考えても仕方ないし。この際、スキルの検証でもしようか。他にあったスキルは“英雄賛歌”か。後は光と無属性の魔法だったよな。
「ちょっとスキル使ってみてもいいか?」
「え、うん。大丈夫だよ。」
「じゃあ、“英雄賛歌”。」
うおっ、眩しっ。何が起きてるんだ?前が全然見えないんだけど。俺が光ってんの?
それに、どこか懐かしい感じが、って男に戻ってる?というか、前世の俺じゃねぇか。なんだ、すぐに男に戻れるんじゃないか。
とりあえず、鑑定!!
CNアルベルト【能力制限状態】Lv86/100 Rank:10
Race:闘人族Lv100/ Job:村人Lv30/30 村人ALv50/50
ラスボス前の村人ALv70/70 勇者Lv82/100
HP 227/10616 MP 117/7648 SP 243/10499
STR 395 VIT 360
INT 305 RES 342
AGI 367 DEX 377
Skill
成長促進,双天撃
聖剣術,聖盾術,豪炎魔法,疾風魔法,聖剣召喚
魔力操作,気力操作,魔気練成,魔纏い,気配察知,空間把握,直感,歩法,呼気法
採集,解体,交渉術,お宝探し
うおっ、ステータスが跳ね上がってるんだけど。道具屋の婆さんよりも全然強いじゃないか。
前世の力を使うことが出来るわけか。それに、男に戻ることも出来ると。一挙両得のスキルではないか。
ふはははは。ついに俺の時代が来たというわけか!!この力があれば早々に苦戦したりもしないだろうしな。
「イリアちゃん?」
「ふはははは。どうだ、見た……か?」
「えっ、大丈夫?」
なんだ……?視界が真っ白に染まって、意識が保てない?
どういうことだ。俺の時代が来たのではなかったのか?まさか、スキルの副作用があるのか。それもそうか、こんな強力なスキルが代償なしで使えるわけがない……か。
くそっ……俺の時代が……真っ白に染まる。




